インフリキシマブ(infliximab)
抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤
- レミケード点滴静注用100 (製薬会社:田辺三菱製薬株式会社)
作用と効果
既存治療で効果不十分な疾患 関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病、ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎、 尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、 強直性脊椎炎 に効果があるとされます。
クローン病の既存の治療、維持療法で効果不十分な場合で、中等度から重度の活動期にある患者、 外瘻を有する患者に効果があるとされます。
潰瘍性大腸炎の既存治療で効果不十分な場合で、中等症から重症の患者に効果があるとされます。
川崎病の急性期
用法・用量
関節リウマチ
通常、体重1kg当たり3mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。なお、6週の投与以後、効果不十分又は効果が減弱した場合には、投与量の増量や投与間隔の短縮が可能である。これらの投与量の増量や投与間隔の短縮は段階的に行う。
1回の体重1kg当たりの投与量の上限は、8週間の間隔であれば10mg、投与間隔を短縮した場合であれば6mgとする。また、最短の投与間隔は4週間とする。
本剤は、メトトレキサート製剤による治療に併用して用いること。
なお、本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
クローン病
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。
なお、6週の投与以後、効果が減弱した場合には、投与量の増量又は投与間隔の短縮が可能である。投与量を増量する場合は、体重1kg当たり10mgを1回の投与量とすることができる。投与間隔を短縮する場合は、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし、最短4週間の間隔で投与することができる。
なお、本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
潰瘍性大腸炎
通常、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。
なお、本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
乾癬
通常、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。
なお、本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。
なお、6週の投与以後、効果不十分又は効果が減弱した場合には、体重1kg当たり10mgを1回の投与量とすることができる。
なお、本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
強直性脊椎炎
通常、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後6~8週間の間隔で投与を行うこと。
なお、本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
川崎病の急性期
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを単回点滴静注する。
なお、本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
副作用
- 感染症
敗血症、肺炎(ニューモシスティス肺炎を含む)、真菌感染症、脳炎、髄膜炎(リステリア菌性髄 膜炎を含む)、骨髄炎等の感染症(日和見感染症を含む) - 結核
結核、肺外結核(髄膜、胸膜、リンパ節等)- 結核の既感染者
本剤投与後、問診及び胸部レントゲン検査等を定期的(投与開始後2ヵ月間は可能な限り1ヵ月に1回、以降は適宜必要に応じて)に行う
- 結核の既感染者
- 重篤なinfusion reaction(発熱、悪寒)
ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、気管支痙攣、血圧上昇、血圧 低下、血管浮腫、チアノーゼ、低酸素症、発熱、蕁麻疹等の重篤な副作用) - 脱髄疾患
多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群 等 - 間質性肺炎
発熱、乾性咳嗽(がいそう)*1、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意して下さい。 - 肝機能障害
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、LDH等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあります。 - 遅発性過敏症
3日以上経過後に現れます。発疹、発熱、そう痒、手・顔面浮腫、蕁麻疹、頭痛 等 - 抗dsDNA抗体の陽性化を伴うループス様症候群
関節痛、筋肉痛、皮疹 等 - 重篤な血液障害
汎血球減少、血小板減少、白血球減少、顆粒球減少、血球貧食症候群
その他の副作用
頻度 種類 | 5%以上 | 1%以上~5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 |
精神・神経系 | 頭痛 | 浮動性めまい、感覚鈍麻、異常感覚 | 頭部不快感、体位性めまい、知覚過敏、失神、嗅覚錯誤、味覚異常、神経痛、不随意性筋収縮、片頭痛、振戦、運動過多、ジスキネジー、脳梗塞、協調運動異常、不眠症、不安、神経過敏、うつ病、感情不安定、多幸気分、錯乱、傾眠(眠気)、ニューロパシー | てんかん発作、多発性神経障害 |
血液 | - | 貧血(鉄欠乏性貧血、溶血性貧血)、カリウム減少、血小板数増加 | リンパ節炎、脾腫、単球減少症、リンパ球減少症、リンパ球増加症、単球増加症、白血球増加症、好中球増加症、好酸球増加症、赤血球異常、低カリウム血症、好酸球数減少、骨髄球数増加、アミラーゼ増加、総蛋白減少、総蛋白増加、アルブミン減少、クロール減少、ナトリウム減少、血沈亢進、リンパ球形態異常(異形リンパ球)、リンパ節症、後骨髄球数増加、尿酸増加、カリウム増加、CRP増加、ヘマトクリット減少 | 特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病 |
循環器 | - | ほてり、潮紅、高血圧、低血圧、動悸、血圧低下、血圧上昇 | 血腫、蒼白、末梢性虚血、徐脈、不整脈、頻脈、心室性期外収縮、狭心症、心不全、心拍数増加 | - |
呼吸器 | 気道感染、咽喉頭炎 | 呼吸困難、気管支炎、咳嗽、鼻炎、副鼻腔炎 | 扁桃炎、発声障害、咽喉絞扼感、鼻出血、胸膜炎、胸水、喘息、気管支痙攣、胸部X線(CT)異常、PaO2 低下、KL-6増加 | 間質性肺線維症 |
肝臓 | - | ALP増加 | 脂肪肝、肝炎、胆嚢炎、肝腫大、高ビリルビン血症 | - |
泌尿器 | 血尿(尿潜血)、尿沈渣 | 尿路感染、尿中ブドウ糖陽性、尿中蛋白陽性、BUN増加 | 腎盂腎炎、排尿困難、尿中白血球陽性、頻尿、クレアチニン増加、尿中ウロビリン陽性、膀胱炎 | - |
消化器 | 悪心 | 嘔吐、下痢、腹痛、便秘、胃腸炎 | 上腹部痛、嚥下障害、逆流性食道炎、腸閉塞、腸管狭窄、消化不良、血便、腸管穿孔、胃炎、痔核、肛門周囲痛、憩室炎、腹部膨満、胃ポリープ、胃潰瘍、腹膜炎、腹部不快感、腸炎、胃不快感 | - |
口内 | - | 口内炎 | 口腔内潰瘍形成、歯痛、口唇炎、口腔内痛、齲歯、唾液腺炎、口渇、歯周病、舌炎 | - |
皮膚 | 発疹(膿疱性皮疹、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、小水疱性皮疹、そう痒性皮疹、湿疹、紅斑性皮疹、頭部粃糠疹、丘疹、血管炎性皮疹) | 白癬、皮膚炎(脂漏性皮膚炎、水疱性皮膚炎、乾癬様皮膚炎)、毛包炎、そう痒症、蕁麻疹、紅斑(発赤)、多汗症 | 麦粒腫、せつ、皮膚真菌感染、皮膚裂傷、皮膚嚢腫、ざ瘡、皮膚乾燥、皮膚変色、皮膚剥脱、脱毛症、乾癬、斑状出血、点状出血、皮膚潰瘍、脂漏、過角化、光線過敏性反応、皮膚小結節、多毛症、アトピー性皮膚炎 | - |
投与部位 | - | - | 注射部位反応(注射部位疼痛、注射部位炎症、注射部位腫脹、注射部位出血、注射部位そう痒感) | - |
眼 | - | - | 眼内炎、涙器障害、角膜炎、眼瞼炎、視覚障害、眼痛、眼球乾燥、羞明、強膜炎、緑内障、眼圧上昇、眼脂、結膜炎、結膜充血、視野欠損、網膜静脈閉塞 | - |
耳 | - | - | 耳痛、回転性めまい、耳鳴、耳不快感(耳閉感)、耳感染(外耳炎、中耳炎、迷路炎) | - |
筋・骨格系 | - | 関節痛、筋痛 | 関節腫脹、背部痛、筋骨格硬直、頚部痛、関節炎、骨痛、腱炎、筋力低下、滑液包炎、CPK増加、筋骨格痛 | - |
抵抗機構 | 自己抗体陽性(抗DNA 抗体陽性、抗カルジオリピン抗体陽性、抗核抗体陽性) | ウイルス感染(帯状疱疹、単純ヘルペス、インフルエンザ様疾患、インフルエンザ)、膿瘍、蜂巣炎 | 免疫グロブリン増加、爪周囲炎、化膿、サイトメガロウイルス抗原陽性、食道カンジダ症、非結核性マイコバクテリア感染(非結核性抗酸菌症)、クリプトコッカス症) | ニューモシスティス症、サルモネラ症 |
代謝 | - | 高コレステロール血症 | 糖尿病、高血糖、抗利尿ホルモン不適合分泌、コレステロール減少、トリグリセリド増加 | - |
その他 | 発熱 | 悪寒、熱感、倦怠感、疲労、胸痛、疼痛、浮腫(末梢性浮腫、顔面浮腫、全身性浮腫、眼窩周囲浮腫、血管浮腫) | 腟感染、勃起不全、乳房肥大、亀頭包皮炎、不規則月経、腟出血、性器分泌物(白帯下)、無力症、不快感、胸部不快感、嚢胞、食欲不振、食欲亢進、過敏症、体重増加、体重減少、子宮平滑筋腫、リビドー減退 | - |
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