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概要 anchor.png

食道がんは食道の内面をおおっている粘膜の表面にある上皮から発生します。
食道の上皮は扁平上皮でできているので、食道癌の90%以上が扁平上皮癌です。 食道の内面をおおっている粘膜から発生した癌は、大きくなると粘膜下層に広がり、さらにその下の筋層に入り込みます。もっと大きくなると食道の壁を貫いて食道の外まで広がります。

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診断・検査 anchor.png

  • 食道造影検査(レントゲん検査)
    バリウムを飲んで、それが食道を通過するところをレントゲンで撮影する検査です。造影検査は患者の苦痛を伴わず検診として有用です。
    造影検査では、癌の位置や大きさ、食道内腔の狭さなど全体像が見られます。
  • 内視鏡検査
    先端にCCD(固体撮影素子)を搭載した内視鏡(ビデオスコープ)用いて、直接、消化管粘膜を観察する検査です。病変の位置や大きさだけでなく、病変の数、病巣の拡がりや表面の形状の隆起や陥凹(かんおう)、色調などから、病巣の数や、ある程度のがんの進展の深さを判断することができます。 また、直接組織を採取し(組織生検)、顕微鏡でがん細胞の有無をチェックすることができます。
  • 内視鏡精密検査
    通常の観察に加えて色素内視鏡を行います。正常な粘膜上皮細胞がヨウ素液(ルゴール)に染まるのに対し、腫瘍部分は染まらない『デンプン反応』を
    利用した方法です。
  • CT(コンピューター断層撮影)・MRI検査
    コンピューターで処理することで身体の内部を輪切りにしたように見ることができるX線検査です。
    • CT検査は、がんとこれらの周囲臓器との関係を調べるためには最も優れた診断法といえます。リンパ節転移の存在も頸部、胸部、腹部の3領域にわたって調べます。
      さらに肺、肝臓などの転移の診断にも欠かせません。進行したがんにおいては進行度を判定するために最も重要な検査です。
    • MRI検査はCTとほぼ同等の診断能力がありますが、リンパ節をはじめとして描出能の点でCTを凌ぐものではありません。
      超音波内視鏡検査 食道内壁の表面を観察する内視鏡検査と異なり、内視鏡の先端についた超音波装置を用いて粘膜下の状態、食道壁そのものや食道壁外の構造などを観察することができます。つまり、食道がんがどのくらい深く進展しているか、周りの臓器へ喰い込んでいないか、
      食道の外側にあるリンパ節が腫れていないか(リンパ節転移の有無)などについて詳細な情報を得ることができます。
  • 超音波検査
    体外式(体表から観察する)の超音波検査は腹部と頸部について行います。
    腹部では肝臓への転移や腹部リンパ節転移の有無などを調べ、頸部では頸部リンパ節転移を調べます。
    頸部食道癌の場合は、主病巣と気管、甲状腺、頸動脈などの周囲臓器との関係を調べるため行います。
  • PET検査
    PET検査(陽電子放射断層撮影検査)は、全身の悪性腫瘍細胞を検出する検査です。
    悪性腫瘍細胞は正常細胞よりも活発に増殖するため、そのエネルギーとしてぶどう等を多く取り込みます。
    PET検査では、放射性ぶどう糖を注射しその取り込みの分布を撮影することで悪性腫瘍細胞を検出します。
  • 腫瘍マーカー
    腫瘍マーカーは、扁平上皮癌ではSCC(扁平上皮癌関連抗原)とCEA(癌胎児性抗原)です。
    腺癌ではCEA(癌胎児性抗原)です。他のがんにおける場合と同様に、腫瘍マーカーは進行した悪性腫瘍の動態を把握するのに使われています。
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病期 ステージ anchor.png

進行度分類 病気の進行の程度をあらわす分類法です。わが国では日本食道学会の「食道癌取扱い規約」に基づいて進行度分類を行っています。
各検査で得られた所見、あるいは手術時の所見により、深達度、リンパ節転移、他の臓器の転移の程度にしたがって病期を決定します。

  • 0期
    癌が粘膜にとどまっており、リンパ節、他の臓器、胸膜、腹膜(体腔の内面をおおう膜)に癌が認められないものです。
    いわゆる早期癌、初期癌と呼ばれている癌です。
  • I期
    癌が粘膜にとどまっているが近くのリンパ節に転移があるものか、粘膜下層まで浸潤しているがりんぱ節や他の臓器さらに胸膜・腹膜に癌が認められないものです。
  • II期
    癌が筋層を越えて食道の壁の外にわずかに癌が出ていると判断された時、あるいは食道のがん病巣のごく近傍に位置するリンパ節のみに癌があると判断された時、そして臓器や胸膜・腹膜にがんが認められなければII期に分類されます。
  • III期
    癌が食道の外に明らかに出ていると判断された時、食道壁にそっているリンパ節か、あるいは食道の癌から少し離れたリンパ節に癌があると判断され、他の臓器や胸膜・腹膜に癌が認められなければIII期と分類します。
  • IV期
    癌が食道周囲の臓器におよんでいるか、癌から遠く離れたりんぱ節に癌があると判断された時、あるいは他の臓器や胸膜・腹膜に癌が認められたらIV期と分類されます。 原因 過度の飲酒や喫煙や熱い食べ物、辛い食べ物、冷たい食べ物、肉や魚のこげたもの等が考えられます。 病気の症状 食べ物を飲み込んだときに胸の奥がちくちく痛んだり、熱いものを飲み込んだときにしみるように感じるといった症状が初期のころにみられます。 癌が大きくなると食道の内側が狭くなり、食べ物がつかえるようになります。
    癌がさらに大きくなると食道を塞いで水も通らなくなり、唾液も飲み込めなくなります。 食べ物がつかえるようになると食事量が減り、体重が減少します。
    癌が食道の壁を貫いて外に出て、まわりの肺や背骨、大動脈を圧迫するようになると、胸の奥や背中に痛みを感じるようになります。
    食道癌がかなり進行して気管、気管支、肺へおよぶと、むせるような咳が出たり血痰が出るようになります。
    また、食道のすぐわきにある声を調節している神経が壊されると声がかすれます。
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治療法と副作用について anchor.png

各種検査の結果を総合的に評価して、がんの進展度と全身状態から治療法を決めます。
食道癌の治療には大きく分けて、4つの治療法があります。それは、内視鏡治療、手術、放射線治療と抗癌剤の治療です。
その他に温熱療法や免疫療法などを行っている施設もあります。

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外科療法 anchor.png

手術では癌を含め食道を切除します。
同時にリンパ節を含む周囲の組織を切除します(リンパ節郭清)。食道を切除した後には食物の通る新しい道を再建します。
食道は頸部、胸部、腹部にわたっていて、それぞれの部位により癌の進行の状況が異なっているので、がんの発生部位によって選択される手術術式が異なります。

  • 頸部食道癌
    癌が小さく頸部の食道にとどまり、周囲への癌の拡がりもない場合は、のどと胸の間の頸部食道のみを切除します。
    切除した食道のかわりに小腸の一部(約10cm)を移植して再建します。なお、移植腸管は血管を頸部の血管とつなぎ合わせることが必要です。
    のどの近くまで拡がった癌では頸部食道とともに喉頭を切除し、小腸の一部を咽頭と胸部食道の間に移植します。そして気管の入口を頸部の最下端中央につくります。
    喉頭を切除するため声が出せなくなります。 胸部食道癌 原則的に胸部食道を全部切除します。同時に胸部のリンパ節を切除します。
    胸の中にある食道を切除するために、右側の胸を開きます。最近では胸腔鏡を使って開胸せずに食道を切除する方法も試みられていますが、その有効性はまだ検討段階です。
    開胸を行わずに頸部と腹部を切開し食道を引き抜く術式(食道抜去術)もあります。この術式では食道の周囲のリンパ節を切除できません。
    食道を切除した後、胃を引き上げて残っている食道とつなぎ、食物の通る道を再建します。
    胃が使えない時には大腸または小腸を使います。胃や大腸・小腸を引き上げる経路により、前胸部の皮膚の下を通す方法・胸骨の下で心臓の前を通す方法・もとの食道のあった心臓の後ろを通す方法の3通りがあり、それぞれの病態により選択されます。 腹部食道癌 左側を開胸して食道の下部と胃の噴門部を切除します。
    左側の開胸による手術は胸部・下部食道癌で肺機能の悪い人にも行われます。
  • バイパス手術
    癌のある食道をそのまま残して食物の経路を別につくる手術です。
    胃を頸部まで引き上げ、頸部で頸部食道とつなぐ方法です。この手術は根治をあきらめ、一時的にでも食べられるようにとQOL(生活の質)の向上をめざしたものです。
  • 外科療法の合併症
    手術に続いて発生する余病(合併症)は肺炎、縫合不全(つなぎめのほころび)、肝・腎・心障害です。これらの合併症が死につながる率、すなわち手術死亡率(手術後1ヵ月以内に死亡する割合)は2~3%です。これらの発生率は、手術前に他の臓器に障害をもっている人では高くなります。
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放射線療法 anchor.png

放射線療法は手術と同様に限られた範囲のみを治療できる局所治療ですが、機能や形態を温存することをめざした治療です。高エネルギーのX線などの放射線を当てて癌細胞を破壊します。
放射線療法には2つの方法があります。放射線を身体の外から照射する方法(外照射)と、食道の腔内に放射線が出る物質を挿入し身体の中から照射する方法(腔内照射)です。

  • 根治治療
    根治治療の対象は、癌の広がり方が放射線を当てられる範囲にとどまっている場合です。根治治療の放射線療法は、外照射だけを週5日6~7週続けるやり方と、外照射5~6週に2~3回の腔内照射を組み合わせるやり方があります。 放射線療法と抗がん剤治療を同時に行うほうが放射線療法だけを行うより効果があることがわかっています。
  • 姑息治療、対症治療 姑息治療は骨への転移による痛み、脳への転移による神経症状、リンパ節転移の気管狭窄による息苦しさ、血痰などを改善するために行われます。
    症状を和らげるために放射線は役に立ちます。症状がよくなれば目的は達成されるので、根治治療の時のように長い期間治療しません。2~4週くらいの治療です。
  • 放射線療法の副作用
    放射線療法の副作用は、主には放射線が照射されている部位に起こります。そのため治療している部位により副作用は異なります。
    また副作用には治療期間中のものと、治療が終了してから数ヶ月?数年後に起こりうる副作用があります。 治療期間中におこる副作用は、頸部を治療した場合、嚥下時の違和感・疼痛・咽頭の乾き・声のかすれ、胸部を治療した場合は嚥下時の違和感・疼痛、腹部を治療した場合は腹部不快感・嘔気・嘔吐・食欲低下・下痢などの症状が出る可能性があります。
    照射部の皮膚には日焼けに似た症状が出ます。その他に身体のだるさ、食欲低下といった症状を訴える方もいます。血液障害として白血球が減少することがあります。
    以上の副作用の程度には個人差があり、ほとんど副作用の出ない人もいます。
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化学療法(抗癌剤治療) anchor.png

抗癌剤治療は癌細胞を破壊する薬を注射します。
抗癌剤は血液の流れに乗って手術では切りとれないところや放射線を当てられないところにも、全身に行き渡ります。
多くは他の臓器にがんが転移している時に行われる治療ですが、単独で行われる場合と、放射線療法や外科療法との併用で行われる場合とがあります。
化学療法の方法 抗がん剤治療は、何種類かの抗癌剤を組み合わせて使うほうがよく効きます。抗癌剤として現在、フルオロウラシルトシスプラチンの併用療法が最も有効とされています。抗癌剤は点滴の中に混ぜて4~5日間続けて注射します。
腎臓の障害を防ぐために1日に2,500~3,000mlの点滴を同時に行います。このために入院が必要です。これが1回分の治療で、3週間ほどの休みをおいて再び行い、効果があればさらに繰り返します。効果がない場合は別の抗がん剤に切り替えます。
抗癌剤の副作用 副作用は個人差がありますが、薬剤使用中は嘔気、嘔吐、食欲不振はほとんどの人に認められます。
また毎回、投与前には血液、腎機能などの検査が必要です。特にシスプラチン投与では腎障害を起こすことがあります。
したがって薬剤使用中3,000mlぐらいの大量の点滴が行われ、利尿剤を併用し、十分な尿排泄をうながす必要があります。
また、白血球、血小板が減少することがあるので、二次的な細菌感染の引き金になる風邪やその他の細菌感染に注意が必要です。

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化学放射線療法 anchor.png

食道癌に対して放射線療法単独よりも化学療法と併用して行ったほうがより効果が高いといわれています。
また、放射線と化学療法を順番に行う方法と、同時併用する方法の比較では、同時併用のほうで効果が高いとされています。
現在放射線照射を外照射にて28回~30回行いながらフルオロウラシルヤ、シスプラチンといった抗癌剤を同時に投与する方法が一般的に行われています。
化学放射線療法には、目的によって、根治的化学放射線療法と、緩和的化学放射線療法があります。 根治的化学放射線療法 化学放射線により完治を目指す治療を行います。
病変がすべて放射線照射野に入る場合で、手術可能な症例も含まれますが、手術を望まない人、
合併症などで手術のリスクの高い人などが含まれます。癌が気管や大動脈などに浸潤していて手術できない場合にも適応となります。

  • 緩和的化学放射線療法
    全身に癌が広がっており根治的化学放射線療法はできないが、癌で食事が通過しない場合など、局所的な症状緩和を目的に行います。
    化学放射線療法の副作用 化学療法と放射線療法を併用することで、効果は上昇しますが、副作用も増加します。
    食欲不振、口内炎、食道炎や白血球減少などを引き起こす可能性があります。
    内視鏡的粘膜切除術 食道壁の粘膜下層までにとどまる「表在型」の癌のうち、粘膜層に留まりりんぱ節転移のない食道癌を早期食道癌と定義しています。
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内視鏡的粘膜切除術 anchor.png

内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、この粘膜に留まった癌を内視鏡で見ながら食道の内側から切り取る治療法です。
治療後は食道粘膜が再生してきますので、治療前と同様の生活ができます。ただし、広範囲に切り取った場合には治療した痕が引き攣れたり、狭くなる場合があります。
過度に狭くなった場合には、内視鏡を用いた拡張術(内腔を広げる治療)が必要になることがあります。

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食道内挿管法 anchor.png

癌による食道の狭窄のために食事摂取が困難な場合に、しりこんごむや金属の網でできたパイプ状のものを食道の中に留置して食物が通過できるようにする方法です。
食道に穴があいて食物が外に漏れて肺炎などをおこす場合には、穴をおおうためにも使います。手術をしなくとも内視鏡を用いてできます。

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