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リツキシマブ(遺伝子組換え)(Rituxan genetical recombination)
抗CD20モノクローナル抗体・抗悪性腫瘍用剤
- リツキサン点滴静注 (製薬会社:製造販売元 全薬工業株式会社/発売元 中外製薬株式会社)
作用と効果
- CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
- CD20陽性の慢性リンパ性白血病
- 免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患
- 多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎
- 既存治療で効果不十分なループス腎炎
- 難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)
- 慢性特発性血小板減少性紫斑病
- 後天性血栓性血小板減少性紫斑病
- 全身性強皮症
- 難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡
- 視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
- 下記のABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植 - インジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液投与の前投与
用法・用量
- B細胞性非ホジキンリンパ腫
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、併用する抗悪性腫瘍剤の投与間隔に合わせて、1サイクルあたり1回投与する。維持療法に用いる場合は、通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を点滴静注する。投与間隔は8週間を目安とし、最大投与回数は12回とする。
- 慢性リンパ性白血病
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として初回に1回量375mg/m2、2回目以降は1回量500mg/m2を、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルに合わせて、1サイクルあたり1回点滴静注する。最大投与回数は6回とする。
- 免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患
通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。
- 多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、慢性特発性血小板減少性紫斑病、後天性血栓性血小板減少性紫斑病、全身性強皮症
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。
- 既存治療で効果不十分なループス腎炎
通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。
- 難治性のネフローゼ症候群
通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。ただし、1回あたりの最大投与量は500mgまでとする。
- 難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量1,000mg/bodyを2週間間隔で2回点滴静注する。
- 視神経脊髄炎スペクトラム障害の再発予防
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。その後、初回投与から6ヵ月毎に1回量1,000mg/body(固定用量)を2週間間隔で2回点滴静注する。
- ABO血液型不適合腎移植・肝移植
通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を点滴静注する。ただし、患者の状態により適宜減量する。
イブ-リツモマブ チウキセタンの前投与
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として250mg/m2を1回、点滴静注する。
- 効能共通
本剤は用時生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液にて1~4mg/mLに希釈調製し使用する。
副作用
- CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
主な副作用は、発熱、悪寒、そう痒、頭痛、ほてり、血圧上昇、頻脈、多汗、発疹 等
検査値異常は、白血球減少、好中球減少、血小板減少、AST(GOT)上昇 等
- CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用、維持療法
R-CHOPレジメン(本剤、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロンの併用)による寛解導入療法
主な副作用は、鼻咽頭炎等の感染症、悪心、倦怠感、食欲減退、口内炎、味覚異常、発熱、口腔咽頭不快感、嘔吐、低体温、感覚鈍麻
検査値異常は、白血球減少、好中球減少 等
- CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
主な副作用は、発熱、悪寒、感染症、虚脱、倦怠感、悪心、頭痛、発疹、寝汗 等
検査値異常は白血球減少、好中球減少、血小板減少 等
- 難治性のネフローゼ症候群 (頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)
主な副作用は上気道感染等の感染症、結膜炎、血圧上昇、湿疹、発熱、呼吸困難、尿酸値上昇、皮脂欠乏性湿疹、頭痛、そう痒、口腔咽頭不快感 等
検査値異常は、CRP上昇、ALT(GPT)上昇、好酸球増多、好中球減少、白血球減少
- ABO血液型不適合腎移植における抗体関連型拒絶反応の抑制
主な副作用は、発熱、サイトメガロウイルス感染、サイトメガロウイルス血症、尿路感染、悪寒、血圧上昇 等
検査値異常は、免疫グロブリンM減少、免疫グロブリンG減少、白血球減少、免疫グロブリンA減少、好中球減少 等
重大な副作用
- アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害
低血圧、血管浮腫、低酸素血症、気管支痙攣、肺炎(間質性肺炎、アレルギー性肺炎等を含む)、閉塞性細気管支炎、肺浸潤、急性呼吸促迫症候群、心筋梗塞、心室細動、心原性ショック等がinfusion reactionの症状としてあらわれることがある。 - 腫瘍崩壊症候群
- B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎、肝炎の増悪
B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎又は肝炎の増悪による肝不全があらわれることがある。 - 肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、総ビリルビン等の肝機能検査値の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。 - 皮膚粘膜症状
皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis: TEN)、天疱瘡様症状、苔癬状皮膚炎、小水疱性皮膚炎等があらわれ、死亡に至った例が報告されている。 - 汎血球減少、白血球減少、好中球減少、無顆粒球症、血小板減少
重篤な血球減少があらわれることがあり、好中球減少については、本剤の最終投与から4週間以上経過して発現する例が報告されている。 - 感染症
細菌、真菌、あるいはウイルスによる重篤な感染症 (敗血症、肺炎等) があらわれることがある。 - 進行性多巣性白質脳症 (PML)
意識障害、認知障害、麻痺症状 (片麻痺、四肢麻痺)、言語障害 等 - 間質性肺炎
- 心障害
心室性あるいは心房性の不整脈、狭心症、心筋梗塞が報告されている。 - 腎障害
透析を必要とする腎障害が報告されている。
尿量減少、血清クレアチニンやBUNの上昇 - 消化管穿孔・閉塞
初期症状としての腹痛、腹部膨満感、下血、吐血、貧血 等 - 血圧下降
- 可逆性後白質脳症症候群等の脳神経症状
可逆性後白質脳症症候群 (症状: 痙攣発作、頭痛、精神症状、視覚障害、高血圧等) があらわれることがある。
本剤の治療終了後6か月までの間に、失明、難聴等の視聴覚障害、感覚障害、顔面神経麻痺等の脳神経障害が報告されている。
その他の副作用
副作用 | 5%以上 | - | 5%未満 | 頻度不明 |
血液及びリンパ系障害 | 貧血 | - | 好酸球増多 | フィブリン分解産物[FDP、Dダイマー]増加、血小板増加- |
肝臓 | ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇(13.3%)、Al-P上昇 | - | 総ビリルビン上昇 | - |
腎臓 | 電解質異常 | - | BUN上昇、クレアチニン上昇 | - |
精神神経系 | 異常感覚、しびれ感 | - | 眩暈、不眠症 | - |
循環器・心臓 | 血圧上昇、頻脈、潮紅 | - | 動悸、血管拡張、末梢性虚血、徐脈 | - |
呼吸器・胸郭および縦隔障害 | 咽喉頭炎、鼻炎、口腔咽頭不快感、咳、呼吸障害 | - | 喘鳴、鼻出血 | - |
消化器 | 悪心・嘔吐、腹痛、口内炎、食欲不振、下痢 | - | 口内乾燥、便秘、しぶり腹 | - |
過敏症 | 発熱、悪寒、発疹、そう痒、ほてり、関節痛、蕁麻疹、 | - | 筋肉痛、インフルエンザ様症候群 | 血清病 |
全身 | 疼痛、倦怠感、虚脱感、頭痛、多汗、浮腫 | - | 胸痛、体重増加、無力症 | - |
その他 | CRP上昇、LDH上昇、総蛋白減少、尿酸値上昇、結膜炎、帯状疱疹 | - | 皮脂欠乏性湿疹、投与部位反応(疼痛、腫脹等)、アルブミン減少、しゃっくり | 筋攣縮 |
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初版日時: 2019-03-29 (金) 15:43:49
最終更新: 2023-12-11 (月) 17:22:13 (JST) (98d) by kondo
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