ボリコナゾール(Voriconazole)
深在性真菌症治療剤
- ブイフェンド錠 (製薬会社:ファイザー株式会社)
- ブイフェンドドライシロップ (製薬会社:ファイザー株式会社)
作用と効果
真菌(カビの一種)の細胞膜成分の生合成を阻害することにより、体内の真菌感染症に効果を示します。 通常、重度・難治性の真菌感染症(アスペルギルス症、カンジダ症、クリプトコッカス症など)の治療に用いられます。
下記の重症又は難治性真菌感染症
- 侵襲性アスペルギルス症、肺アスペルギローマ、慢性壊死性肺アスペルギルス症
- カンジダ血症、食道カンジダ症、カンジダ腹膜炎、気管支・肺カンジダ症
- クリプトコックス髄膜炎、肺クリプトコックス症
- フサリウム症
- スケドスポリウム症
造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防
用法・用量
- ブイフェンド錠
- 成人(体重40kg以上)
通常、初日に1回6錠(主成分として300mg)を1日2回、2日目以降は1回3錠または4錠(150mgまたは200mg)を1日2回食間に服用します。症状に応じてまたは効果不十分の場合には増量されることがありますが、上限は初日では1回8錠(400mg)を1日2回まで、2日目以降では1回6錠(300mg)を1日2回までです。 - 成人(体重40kg未満)
通常、初日に1回3錠(主成分として150mg)を1日2回、2日目以降は1回2錠(100mg)を1日2回食間に服用します。症状に応じてまたは効果不十分の場合には、2日目以降、1回3錠(150mg)を1日2回まで増量されることがあります。
- 成人(体重40kg以上)
- ブイフェンドドライシロップ
- 成人(体重40kg以上)
通常、初日に1回主成分として300mgを1日2回、2日目以降は1回150mgまたは200mgを1日2回食間に服用します。治療を受ける疾患や症状に応じてまたは効果不十分の場合には増量されることがありますが、初日服用量の上限は1回400mgを1日2回、2日目以降の服用量の上限は1回300mgを1日2回までです。 - 成人(体重40kg未満)
通常、初日に1回主成分として150mgを1日2回、2日目以降は1回100mgを1日2回食間に服用します。治療を受ける疾患や症状に応じてまたは効果不十分の場合には、2日目以降、1回150mgを1日2回まで増量されることがあります。 - 小児(2歳以上12歳未満および12歳以上で体重50kg未満)
通常、ボリコナゾール注射剤による治療が行なわれた後、1回主成分として9mg/kgを1日2回食間に服用します。治療を受ける疾患に応じてまたは効果不十分の場合には1mg/kgずつ増量されることがありますが、服用の上限は1回350mgを1日2回までです。また、忍容性が不十分の場合(飲み続けられない場合)には1mg/kgずつ減量されることがあります〔最大服用量として1回350mgを服用した場合は1回50mgずつ減量されます〕。 - 小児(12歳以上で体重50kg以上)
通常、ボリコナゾール注射剤による治療が行われた後、1回主成分として200mgを1日2回食間に服用します。治療を受ける疾患に応じてまたは効果不十分の場合には1回300mgを1日2回まで増量されることがあります。
- 成人(体重40kg以上)
本剤は懸濁液1mL中に主成分40mgを含有します。いずれの場合も、必ず指示された服用方法に従ってください。
生活上の注意
- まぶしく見える、目がかすむ、ものが見えにくいなどがあらわれ、服用中止後も症状が持続することがあります。
- 服用中および服用中止後もこれらの症状が回復するまでは、車の運転などの危険を伴う機械操作はさけてください。
- 光線過敏性反応(光にあたった部分が赤くなるなど)があらわれることがありますので、服用中は長袖の衣服、帽子などの着用により日光の照射をさけ、日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により紫外線の照射をさけてください。
- セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズワート)を含む食品などは、薬の作用に影響を与える可能性がありますので、取らないでください。
副作用
主な副作用は、羞明(まぶしく見える)、視覚障害、γ-GTP増加、悪心、嘔吐、肝機能異常、頭痛、AST(GOT)増加、ALP増加、ALT(GPT)増加、霧視、肝障害、食欲不振、不眠症 等
稀な副作用
- アナフィラキシー様反応
冷や汗、顔色が青白くなる、息苦しい - 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
高熱、皮膚が赤くなる、口内炎 - 肝障害
重篤な肝障害(肝炎、黄疸、肝不全、肝性昏睡等)があらわれることがある。
体がだるい、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる - 心電図QT延長、心室頻拍、心室細動、不整脈、完全房室ブロック
胸が痛い、動悸、脈が乱れる - 心不全
呼吸困難、全身のむくみ - 腎障害
重篤な腎障害(急性腎不全、腎炎、腎尿細管壊死等)があらわれることがある。 - 呼吸窮迫症候群
- ギラン・バレー症候群
- 血液障害
骨髄抑制、汎血球減少、再生不良性貧血、無顆粒球症、播種性血管内凝固等の重篤な血液障害があらわれることがある。 - 偽膜性大腸炎
腹痛、下痢 - 痙攣
- 横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇 - 間質性肺炎
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音) 等 - 低血糖
- 意識障害
意識消失、意識レベルの低下等の意識障害があらわれることがある。
その他の副作用
副作用 | 5%以上 | 1~5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 |
血液及びリンパ系障害 | - | 白血球減少症、血小板減少症 | - | 貧血、リンパ節症 |
肝胆道系 | - | - | - | 胆嚢炎、胆石症、肝腫大 |
腎臓 | - | - | - | 血尿、アルブミン尿 |
精神系 | 不眠症 | 錯乱状態、幻覚、幻聴、幻視 | 不安 | うつ病、激越 |
神経系 | 頭痛 | 認知不能症、健忘、浮動性めまい、味覚異常、感覚減退、傾眠、会話障害、振戦、視野欠損 | 末梢性ニューロパチー | 錯感覚、失調、脳浮腫、筋緊張亢進、眼振、失神、注視痙攣、錐体外路症候群 |
眼 | 羞明、霧視、視覚障害 | 眼の異常感、調節障害、色覚異常、複視、眼瞼浮腫、流涙増加、縮瞳、視神経乳頭浮腫、光視症、網膜滲出物、網膜出血、網膜毛細血管瘤、網膜裂孔、網膜血管炎、黄視症 | - | 眼瞼炎、視神経炎、強膜炎、角膜混濁、視神経萎縮 |
耳 | - | 聴覚過敏、耳鳴、回転性眩暈 | - | - |
循環器 心臓 | - | 動悸、心嚢液貯留 | - | 肺水腫、脚ブロック |
血管 | - | 潮紅 | - | 低血圧、血栓性静脈炎、静脈炎、リンパ管炎 |
呼吸器 | - | 喀血 | - | - |
消化器 | 悪心、嘔吐 | 腹部膨満、口唇のひび割れ、便秘、下痢、消化不良、胃潰瘍、痔核、イレウス、口唇乾燥、口唇粘膜脱落、口唇炎、逆流性食道炎、口内炎 | - | 腹痛、胃腸炎、十二指腸炎、歯肉炎、舌炎、膵炎、舌浮腫、腹膜炎 |
皮膚・皮下組織系 | - | 皮膚乾燥、湿疹、紅斑、結節性紅斑、発疹、毛髪変色、光線過敏性反応、多汗、そう痒症、丘疹、皮膚落屑 | 蕁麻疹 | 顔面浮腫、斑状丘疹状皮疹、脱毛症、剥脱性皮膚炎、紫斑、固定薬疹、乾癬、血管浮腫、皮膚エリテマトーデス、偽性ポルフィリン症 |
代謝及び栄養 | 食欲不振 | 高血糖、高カリウム血症、低カリウム血症 | 低ナトリウム血症 | 高コレステロール血症 |
内分泌 | - | ADH不適合分泌 | - | 副腎皮質機能不全、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症 |
筋骨格系及び結合組織障害 | - | 背部痛、四肢痛 | 関節炎 | 骨膜炎 |
全身 | - | 無力症、胸痛、胸部圧迫感、異常感、倦怠感、末梢性浮腫、発熱、口渇 | - | 悪寒、注射部位反応/炎症、インフルエンザ症候群 |
感染症 | - | - | - | 副鼻腔炎 |
臨床検査 | ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、ALP増加、γ-GTP増加 | 血中ビリルビン増加、血中カルシウム増加、血中クレアチニン増加、LDH増加、血中カリウム減少、血中カリウム増加、血圧低下、血圧上昇、フィブリンDダイマー増加、血清FDP増加、膵アミラーゼ増加、好酸球増加、血小板数減少 | BUN増加 | - |
ジェネリック医薬品
- ボリコナゾール錠
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初版日時: 2012-12-07 (金) 20:35:20
最終更新: 2019-12-22 (日) 13:18:51 (JST) (1548d) by kondo
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