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膵がん 概要 anchor.png

膵臓は身体の真ん中にあり、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、脾臓などに囲まれているため、癌が発生しても自覚症状も少なく、発見するのが非常に難しい病気です。 そのため、膵臓癌の罹患数は死亡数とほぼ等しく、他の癌と比較しても膵がんの患者の生存率は非常に低い状況です。

単に膵がんという場合は、膵管から発生し、充実性の腫瘤を形成して浸潤、転移を起こしやすい膵管がん(通常型膵がん)を指します。膵臓のがんの90~95%を占めており、消化器のがんのなかでも難治性のがんです。

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原因 anchor.png

膵臓癌の原因は明らかではありませんが、食生活の欧米化による動物性脂肪やタンパク質、アルコールなどの過剰摂取、あるいは喫煙などがリスクファクターといわれています。

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症状 anchor.png

背中の痛み、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、便秘、便通異常が見られ、体重が減少することもあります。
膵臓の頭部に癌ができて、胆管がつまってしまうと黄疸が現れることがあります。膵癌が進行すると、糖尿病を発症したり血糖のコントロールが急に悪くなったりすることがあります。

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診断 検査 anchor.png

  • 超音波検査、内視鏡、胃のレントゲン検査
    消化器症状の患者に対しては、胃炎、胃潰瘍、胆石などの一般的な消化器の病気がないかどうか調べます。
    超音波検査では膵臓の観察もできます。
    黄疸のある場合には、胆管がつまっているかどうかを確認します。胆管がつまって太くなっている場合(閉塞性黄疸)には、超音波で観察しながら肝臓の中の胆管に針を刺し、これを利用して細い管を胆管の中に入れます。
    この管から造影剤を注入すると胆管がどこでつまっているかわかります。これをPTC3といいます。
    また、この管から胆汁を外に流し出すことにより黄疸を治療することができます。
  • CT、MRI
    超音波では異常がはっきりしない場合で、症状や血液検査のデータで、膵臓や胆管などに病気のある可能性がある場合には、この検査で身体の断面を観察します。
  • ERCP検査
    胃かめらのような内視鏡を十二指腸まで運び、十二指腸乳頭という膵管と胆管の出口に細い管を差し込み、造影剤を注入して膵管や胆管の形を調べます。この時に、膵液を採取して細胞の検査や癌遺伝子の検査を行うこともあります。
    最近では、MRIを利用してERCPと類似した情報を得ることができるMRCPを行います。さらに、必要があれば血管造影を行います。
    これは、足のつけ根の動脈から細い管を差し込んで、膵臓やその周辺に向かう動脈に造影剤を流し、血管の構造や病気による変化を調べます。
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病期 ステージ anchor.png

膵癌がどの程度進んでいるかをあらわすには病期(ステージ)というものが使われます。
病期はおおまかにIからIVの4段階に分類されています。ただし、
日本の膵臓学会が定めたものと国際的に使われているもの(UICC分類)では内容が多少異なっています。

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病期 分類 <日本膵臓学会 膵癌取扱い規約> 第6版補訂版 2013年 anchor.png

  • 0期
    がんが膵管の上皮内にとどまっているもの(非浸潤がん)。
  • I期
    大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局しており、リンパ節転移を認めない。
  • II期
    大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局しているが、第1群のリンパ節(注)に転移を認める。または、大きさが2cm以上で膵臓の内部に限局しており、リンパ節転移を認めない。
  • III期
    がんは膵臓の内部に限局しているが、第2群のリンパ節(注)に転移を認める。または、がんは膵臓の外へ少し出ているが、リンパ節転移は第1群(注)までにとどまっている。
  • IVa期
    がんが膵臓の周囲の主要な血管や臓器を巻き込んでいる。
  • IVb期
    第3群リンパ節や離れた臓器に転移を認める。
      • リンパ節の群分類
        リンパ節を腫瘍のある場所からの解剖学的な距離により分類したもの。近いほうから順に第1群、第2群、第3群と呼びます。第3群より離れたものについては番号がついていません。UICC分類ではリンパ節の分類も異なっています。
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病期 分類 <UICC分類> 第7版 2010年 anchor.png

  • I期
    がんは膵臓の内部に限局しており、リンパ節や臓器への転移を認めない。
  • II期
    がんは膵臓の内部に限局しているが、所属リンパ節(がんに近いリンパ節)に転移を認める。または、がんは膵臓の外へ少し出ているが、周囲の主要な血管は巻き込んでいない。
  • III期
    がんが膵臓の周囲の主要な血管を巻き込んでいる。
  • IV期
    離れたリンパ節や臓器に転移を認める。
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抗がん剤 anchor.png

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治療法 anchor.png

膵癌の治療には主なものとして外科治療、放射線療法、化学療法(抗癌剤)の3つがあります。
腫瘍の進行程度と全身状態などを考慮して、これらの1つ、あるいはこれらを組み合わせた治療(集学的治療)が行われます。

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外科治療(手術) anchor.png

癌を含めて膵臓と周囲リンパ節などを切除する方法です。膵癌の治療の中では最も確実な治療法となります。
膵癌の位置によって以下のような方法が選択されます。ただし、肝臓に転移を認める場合や、主要な動脈に癌の浸潤を認める場合は手術以外の治療法を行います。

  • 膵頭十二指腸切除
    膵頭部を中心に癌がある場合に、十二指腸・胆管・胆嚢を含めて膵頭部を切除します。胃の一部を切除する場合と、胃をすべて温存する場合があります。
    門脈という血管に癌の浸潤が疑われる場合は、門脈の一部も合併切除して再建することで、がんの切除は可能です。
    切除後には膵臓、胆管、消化管の再建が必要となります。
  • 膵体尾部切除
    膵臓の頭部よりも尾側に癌がある場合に、膵臓の体尾部と脾臓を一緒に切除します。切除後の消化管の再建は必要ありません。
  • 膵全摘術
    癌の範囲によっては、膵全摘術といって、膵臓のすべてを切除する手術が必要となる場合もあります。ただし、術後には血糖を調整するために、インスリンの注射が必ず必要となります。
  • その他
    癌を切除することはできない場合、十二指腸など閉塞して食事が摂れなくなるのを防止するための胃と小腸のバイパスや、黄疸が出ないようにするための胆管と小腸のバイパス手術を行うことがあります。
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外科療法の副作用 anchor.png

副作用の程度は手術法によって異なります。
例えば、膵臓全体を切除した場合には糖尿病になりますが、膵臓の一部を残せた場合は、糖尿病の傾向がなければ、糖尿病になることはそれほど多くはありません。
癌のある範囲によっては腸の動きを調整する神経を切除することがあり、この場合には下痢をやすくなります。一般に膵臓の頭部をとる手術のほうが、尾側をとる手術に比べ腸をつなぐところが多いため回復するまでの時間がかかります。

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放射線療法 anchor.png

放射線を患部に照射して癌細胞を壊すことを目的とした治療です。
通常は身体の外から放射線を照射する外照射を行いますが、手術中に腹部の中だけに放射線を照射する術中照射という方法をとることもあります。
また、抗癌剤と併用することがあり、化学放射線療法と呼ばれます。膵癌に対する放射線療法には、通常X線を使用します。

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放射線療法の副作用 anchor.png

放射線を照射する場所や量によって違います。一般的な副作用としては、嘔気、嘔吐、食欲不振や血液の中の白血球などが減ることがあります。放射線の影響で胃や腸の粘膜があれて出血し、黒色便や下血をすることもあります。

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化学療法 anchor.png

化学療法は抗癌剤を使用してがん細胞を攻撃する治療です。通常は抗癌剤を静脈から注射しますが、経口の抗癌剤が使用することもあります。またいくつかの抗癌剤を組み合わせて使用することがあり、併用化学療法と呼ばれます。

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化学療法の副作用 anchor.png

よく起こる症状としては、食欲不振や嘔気、下痢などの消化器症状や白血球や血小板が減ってしまう血液の異常などがあります。
薬剤によっては湿疹や脱毛が起こるものもあります。 副作用に対する対策 副作用の種類や程度は治療法によって違いますし、同じ治療法でも異なることがあります。副作用によっては、対症的な治療でかなり症状を抑えることができます。

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