概要
膠原病は原因が不明の病気です。そのため、生活習慣等の改善により予防をすることはできません。また、多臓器疾患であるために、重症化しやすいことも特徴です。 膠原病の生活の質の向上を目指すためには、専門家による早期診断・早期治療が必要不可欠です。
膠原病の中で最も多いのが関節リウマチ(RA)で、国内には70万人前後の患者がいるものと推測されています。 全身性エリテマトーデス(SLE)では、人口10万人当たり21.1人、多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)で5人前後といわれています。
病名の由来
1942年、膠原病という名前を初めて使ったのは、病理学者のクレンペラーです。 クレンペラーは、『血管および結合組織にフィブリノイド変性のみられる疾患』を膠原病と呼ぶことを提唱しました。
膠原という名称は代表的な結合組織である膠原線維に由来しています。血管や結合組織は、さまざまな臓器に存在しますので、膠原病は多臓器に病変を起こします。
概念上の疾患
- 結合組織疾患
- リウマチ性疾患
膠原病では関節痛や筋肉痛が共通して起こることから、リウマチ性疾患の範疇に分類されます。 - 自己免疫疾患
膠原病では自己の成分に対して過剰な免疫応答を示すため、自己抗体や自己に感作されたリンパ球が出現し組織傷害が起こります。
疾患の特徴
発熱や体重減少などの症状を伴う全身性炎症疾患です。 多臓器疾患であることです。 再燃と寛解を繰り返す慢性疾患であることです。
病因に免疫が関与しており、さまざまな自己抗体が検出されます。 病因に遺伝的素因が関与しています。 環境に何らかの原因が関与しています。
遺伝子が全く同一の一卵性双生児の間でも全身性エリテマトーデス(SLE)の一致率は25% にしか過ぎませんので遺伝子以外にも(SLE)を起こす要因が他にもあることになります。
膠原病の大半が女性です。全身性エリテマトーデス(SLE)を例に取ると、男女比は1:10~20、関節リウマチ(RA)では3:7 といわれています。
膠原病に含まれる疾患
- 代表的な疾患
全身性エリテマトーデス (SLE)、関節リウマチ(RA)、強皮症(PSS)、結節性多発動脈炎(PN)、多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)、リウマチ熱(RF)、混合性結合組織病(MCTD) リウマチ熱は溶連菌感染によって起こるとされていますので、膠原病という概念からはずす傾向にあります。 - その他の疾患
シェーグレン症候群、ウェゲナー肉芽腫症、大動脈炎症候群(高安病)、側頭動脈炎、過敏性血管炎、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ性多発筋痛症、好酸球性筋膜炎、再発性多発軟骨炎、ウェーバークリスチャン病
症状
38℃以上の原因不明の発熱が3週間以上持続する不明熱が起こることがあります。
不明熱の3大原因は、感染症、悪性腫瘍、膠原病といわれています。 この他、原因不明の体重減少、易疲労感、全身倦怠感などの全身症状もよくみられます。
痒みのない発疹がよくみられるのも膠原病の特徴です。全身性エリテマトーデス(SLE)では、頬に蝶型紅斑と呼ばれると特徴的な発疹がみられます。
膠原病により発疹の特徴は異なります。 関節痛や筋肉痛が起こり、多くの場合は、多発性です。また、関節リウマチ(RA)では痛みだけではなく、
腫れたり、熱を持ち、関節炎と呼ばれる状態となります。(RA)では多発性および対称性の関節炎が特徴的です。 この他、指が発作的に白くなったり、紫色になったりする、レイノー現象もよくみられます。レイノー現象は寒冷刺激や精神的興奮で誘発されます。
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