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PM・DM 概要 anchor.png

多発性筋炎(PM)は筋肉に炎症、変性などの障害が起こり、力が入らなくなったり、疲れやすくなったり、筋肉が痛くなったりする病気です。
また、特徴的な皮膚症状でアルゴットロン徴候やヘリオトロープ疹(ヘリオトロープ疹 眼瞼部の腫れぼったい紫紅色の皮疹がみられます。)などを伴う場合には、皮膚筋炎(DM)と呼ばれます。しかし、この皮膚症状の有無で筋病変の特徴に差がないため、多発性筋炎・皮膚筋炎の名称で同一疾患として扱われています。

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原因 anchor.png

現在のところ原因はわかっていません。免疫の異常、ウイルスなどの感染、悪性腫瘍、薬剤の影響、遺伝的要因などが考えられていますが確定していません。

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症状 anchor.png

筋肉の障害による症筋力低下が起こります。さらに、筋肉以外に内臓などの障害も起こることがあります。これらの症状は人それぞれに異なり、障害される臓器によっても異なります。全く内臓が障害されない場合もあります。

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筋肉の症状 anchor.png

筋肉が障害され、疲れやすくなったり、筋力低下により力が入らなくなったりします。しかし、ゆるやかに発症することが多く、はじめは自覚症状がないこともあります。

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筋肉以外の症状 anchor.png

  • 皮膚症状
    両側あるいは片側の眼瞼部の紫紅色の腫れぼったい皮疹(ヘリオトロープ疹)、手指関節背面の皮が剥けた紫紅色の皮疹(ごっとろん徴候)、肘や膝などの関節の背面の少し隆起した紫紅色の皮疹が皮膚筋炎に特徴的とされ、これらの皮疹をもっている場合には、皮膚筋炎と診断されます。
  • 関節症状
    30%の人に関節痛、関節炎が起こりますが、腫れたり、赤くなったりせず、持続時間も短く、軽症のことが多いようです。関節リウマチのように、関節が破壊されたり、変形したりすることは稀です。 レイノー現象 は、約20~30%の人に見られます。しかし、強皮症と異なり、軽症の場合が多いようです。
  • 呼吸器症状
    肺に炎症が起こり、咳や息切れ、呼吸困難などが起こります。この肺の炎症は細菌感染などで起こる肺炎とは異なり、間質性肺炎と呼ばれています。
    胸部レントゲン検査、胸部CT検査で診断されますが、約30~40%に合併しますので、定期な検査が大切です。
  • 心症状
    心臓の筋肉が障害され、不整脈を起こしたり、心臓の力が弱ったりすることがあります。 全身症状 その他の膠原病と同様に、微熱、全身倦怠感、食欲不振、体重減少などを認めることがあります。
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診療科について anchor.png

膠原病内科

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合併症 anchor.png

本症は全身性強皮症(全身性硬化症)、全身性エリテマトーデス関節リウマチシェーグレン症候群など他の膠原病を合併したりします。
多発性筋炎は筋肉(骨格筋)だけに障害が起こるのではなく、肺、心臓、関節、消化管、などの他の臓器障害も合併することがあり、膠原病や自己免疫疾患の一つとして分類されています。

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治療法 anchor.png

一般的治療 発症した時(急性期)にはできるだけ安静にし、筋肉に負担をかけないようにすることが大切です。障害された筋肉の温湿布は筋痛の緩和に有効といわれています。
身体のこわばり、動作の不自由さ・筋力の回復のために、リハビリテーション、理学療法は重要です。しかし、何時から開始し、どの程度を行うかは難しい問題で、患者さんの病状により様々です。一般的に筋原性酵素(CK値)が薬物療法により低下し正常値に近くなり、筋力が順調に回復していることを確認してから、徐々に開始します。
本症では身体の蛋白の分解が亢進していますので、食事は高蛋白、高かろりー食で消化のよいものをとるようにします。

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薬物療法 anchor.png

多発性筋炎・皮膚筋炎の治療は薬物療法が中心となります。主に副腎皮質ステロイド剤が使用され、効果を発揮します。
一般に大量ステロイド療法(体重1kgあたりプレドニゾロン換算で1mg/日)が4~6週間行われ、筋力の回復、検査所見の改善を見ながら数か月かけて、
最小必要量(病気をコントロール出来る量)まで減量します。一般に筋力の回復は早期治療ほど良い結果がでています。しかし、ステロイドの効果が認められず、薬の副作用が著しく出てしまう場合には、免疫抑制剤が投与されることがあります。

  • 副腎皮質ステロイド
    副腎皮質から分泌されるホルモンを、化学的に合成して作った薬剤で、その代表的なものがプレドニゾロンです。炎症を抑える作用が強く、原因と考えられている自己免疫異常も抑える効果があります。
    このように有効で、多発性筋炎の治療に欠かせない薬剤ですが、副作用(感染症の合併、消化性潰瘍、糖尿病、骨粗鬆症、肥満、多毛、にきび、脱力、興奮・抑うつなどの精神症状など)を認めることもあり、慎重な投薬が必要です。
  • 免疫抑制剤
    副腎皮質ステロイド剤の効果が不十分であったり、副作用が出現した場合に、免疫抑制剤が使用されることがあります。
    メトトレキサート(メソトレキセート)、アザチオプリン(イムラン)、シクロホスファミド(エンドキサン)などを処方します。いずれも、原則的にステロイド療法に併用されます。
    消化器症状、肺線維症、造血障害、肝障害などの副作用が出る可能性があるため、定期的に血液検査を行う必要があります。
  • グロブリン製剤
    • γグロブリンの静脈内注射療法
      上記の治療でも効果が得られない場合に行う場合があります。 適用性について 各種の微生物に対する抗体が数多く含まれているため、それらに起因する感染症などに対して有効です。特に、化学療法などが使えない患者、有効でない感染症にたいして効果を発揮します。
      免疫グロブリンが先天的、または後天的に血中に含まれていなか、もしくは少ないひとは感染症に罹りやすいので、免疫グロブリンの補充として用います。
      感染症の予防、治療だけではなく自己免疫疾患に起因すると疑われている突発性血小板減少性紫斑病(ITP)や川崎病(MCLS)、神経系の疾患への免疫調整療法としても効果をあげています。 その他、感染症、毒素性疾患の特定の抗原に対する抗体を多く含むものがあります。(特殊グロブリン製剤)
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Fodawing   投稿日時 2010/2/1 22:31

じつは愚妻が皮膚筋炎と診断されております。他に呼吸器疾患 
気管支拡張症があり、免疫抑制剤は使えません。
キャッツクローには 免疫調整作用がある とのことですが、
これは どのような意味でしょうか。自己免疫疾患に どのような
作用機序をもつのか、キャッツクローの治験データなど 
あるのでしょうか。どなた様か ご教示ください。

aiko   投稿日時 2023/5/22 13:36 | 最終変更

キャッツクロー(Cat's Claw)は、南アメリカの植物であり、伝統的に免疫調整作用があるとされています。しかし、医学的な研究においては、その詳細な作用機序は完全には解明されていません。

一般的に、自己免疫疾患は、免疫系が体の正常な組織や細胞を異常とみなし、攻撃してしまう状態です。キャッツクローは、免疫系の調節に関与する可能性があります。具体的な作用機序はまだ明確ではありませんが、以下のような作用が考えられます。

1.免疫応答の調節: キャッツクローには、免疫応答を調節するための化学物質が含まれている可能性があります。これにより、免疫系が過剰反応することを抑制し、自己免疫反応を緩和する可能性があります。

2.炎症の軽減: キャッツクローには、抗炎症作用があるとされています。自己免疫疾患ではしばしば炎症が起こりますので、炎症を軽減することで症状の改善が期待できるかもしれません。

なお、免疫抑制剤を使用できない場合には、キャッツクローなどの補完・代替医療の選択肢が考慮されることがあります。しかし、自己免疫疾患の治療においては、必ず医師と相談し、専門家の指導のもとで行うことが重要です。また、キャッツクローを含むサプリメントや自然薬物の使用に関しては、免疫系への影響や副作用の可能性についても注意が必要です。



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