アテゾリズマブ(遺伝子組換え)
抗悪性腫瘍剤 抗PD-L1(Programmed Death-Ligand1)ヒト化モノクローナル抗体
- テセントリク点滴静注 (製薬会社:製造販売元 中外製薬株式会社)
腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するPD-L1と呼ばれるタンパク質を標的とするモノクローナル抗体です。
作用と効果
PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1、B7.1の双方と結合しT細胞の働きを阻害します。
テセントリクは、この結合を阻害しT細胞の抑制状態を解除することで、T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進します。
- テセントリク点滴静注840mg
- PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
用法・用量
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。 - 化学療法未治療のPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。 - 化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
- 化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- PD-L1陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。投与期間は12カ月間までとする。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
- 進展型小細胞肺癌
カルボプラチン及びエトポシドとの併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
- 切除不能な肝細胞癌
ベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
- PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
パクリタキセル(アルブミン懸濁型)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回840mgを60分かけて2週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
副作用
主な副作用は、疲労、悪心、食欲減退、無力症、発熱、下痢、発疹、そう痒症 等
重大な副作用
- 間質性肺疾患
- 肝機能障害、肝炎
AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、Al-P増加、γ-GTP増加、ビリルビン増加 等を伴う肝機能障害、肝炎があらわれることがある。 - 大腸炎、重度の下痢
大腸炎、重度の下痢があらわれることがある。 - 膵炎
- 1型糖尿病
口渇、悪心、嘔吐 等
1型糖尿病があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至るおそれがある。 - 甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症 等の甲状腺機能障害があらわれることがある。 - 副腎機能障害
副腎機能不全 等の副腎機能障害があらわれることがある。 - 下垂体機能障害
下垂体炎 等の下垂体機能障害があらわれることがある。 - 脳炎、髄膜炎
- 神経障害
末梢性ニューロパチー、ギラン・バレー症候群 等の神経障害があらわれることがある。 - 重症筋無力症
筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害 等
重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがある。 - 重度の皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(TEN:Toxic Epidermal Necrolysis)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑 等の重度の皮膚障害があらわれることがある。 - 腎機能障害
急性腎障害、腎不全、尿細管間質性腎炎 等の腎機能障害があらわれることがある。 - 筋炎、横紋筋融解症
筋力低下、筋肉痛、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇 等 - 心筋炎
胸痛、CK(CPK)上昇、心電図異常 等 - Infusion reaction
- 発熱性好中球減少症
本剤とカルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、発熱性好中球減少症があらわれることがある。
その他の副作用
副作用 | 5%以上 | 1~5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 |
血液及びリンパ系障害 | - | 貧血、血小板減少、リンパ球減少、好中球減少、白血球減少 | - | - |
膵臓 | - | - | - | アミラーゼ増加、リパーゼ増加 |
泌尿器 | - | - | 血中クレアチニン増加 | - |
精神・神経系 | - | 頭痛、不眠症、味覚異常、浮動性めまい、錯感覚 | - | - |
耳 | - | - | 眼乾燥 | - |
循環器 心臓 | - | - | 潮紅、低血圧 | - |
呼吸器 | - | 咳嗽、呼吸困難、上気道感染、胸水、肺炎 | - | 低酸素症、鼻閉 |
消化器 | 悪心、食欲減退、下痢 | 便秘、嘔吐、口内炎、腹痛、口内乾燥 | - | 嚥下障害 |
皮膚・皮下組織系 | 発疹、そう痒症 | 皮膚乾燥、斑状丘疹状皮疹 | ざ瘡様皮膚炎、そう痒性皮疹、乾癬、紅斑、寝汗、蕁麻疹 | - |
代謝及び栄養 | - | 低ナトリウム血症、低アルブミン血症、低カリウム血症、高血糖、低マグネシウム血症 | 高カリウム血症、脱水、低リン酸血症、血中甲状腺刺激ホルモン増加、低カルシウム血症 | - |
筋骨格系及び結合組織障害 | - | 関節痛、筋肉痛、筋骨格痛、背部痛 | 四肢痛、筋骨格系胸痛、筋痙縮 | - |
その他 | 疲労、無力症、発熱 | 体重減少、インフルエンザ様疾患、末梢性浮腫、悪寒、けん怠感、粘膜の炎症 | 過敏症 | - |
スポンサーリンク
ぺージ情報 | |
---|---|
ぺージ名 : | テセントリク点滴静注 |
ページ別名 : | 未設定 |
ページ作成 : | kondo |
閲覧可 | |
グループ : | すべての訪問者 |
ユーザー : | すべての訪問者 |
編集可 | |
グループ : | 登録ユーザ |
ユーザー : | なし |
Counter: 1723,
today: 1,
yesterday: 0
初版日時: 2018-01-19 (金) 18:19:17
最終更新: 2024-03-13 (水) 16:07:43 (JST) (44d) by kondo
お気軽に投稿してください。一言でもどうぞ。病気の治療、薬の副作用のことなど。