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概要 anchor.png

本来は、子宮腔内面にある子宮内膜が子宮以外の場所にも増殖したもので、子宮腺筋症(内性子宮内膜症)と外性子内膜症があります。女性ホルモンの働きで増殖、進行する病気で、月経のある女性にみられます。

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子宮腺筋症 anchor.png

子宮内膜組織が子宮筋層の内部ある場合です。それが卵巣から出るホルモンの影響で筋層内に月経の時の子宮内膜と同じように増殖、出血して月経困難症の原因になります。
子宮は肥大し、強い月経痛と過多月経があり、30代ごろより始まって次第に症状が強くなります。

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外性子内膜症 anchor.png

子宮内膜組織が卵管、卵巣、子宮後壁などに発生したもので、月経血が逆流してできるという説があります。月経の度に出血と硬い腫瘤を形成しながら進行し、不妊症の原因にもなります。

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症状 anchor.png

月経痛と月経困難症が主な症状です。初経時には痛みがなく、年月の経過によって徐々に増悪していくという特徴があります。その他、腰痛、下腹痛、仙骨部への放散痛が見られます。

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原因 anchor.png

原因は不明ですが、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が、卵管を逆走して卵巣や腹部臓器に達して増殖するという説が最も有力視されています。

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診療科 anchor.png

婦人科

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検査 anchor.png

  • 直腸診、膣直腸診
  • 超音波断層法
    卵巣のチョコレート嚢胞や癒着を診断します。
  • CT
    超音波エコーと差はない。全体像を見やすい。
  • MRI検査
    卵巣のチョコレート嚢胞は、T1、T2強調画像双方で高光度を示します。
  • 腫瘍マーカー
    チョコレート嚢胞を持つ場合、CA125が上昇します。しかし悪性腫瘍ほど上昇することはなく、200に達することはほとんどありません。但し卵巣チョコレート嚢腫の破裂や感染など炎症を伴うと高値を示すことがあります。
  • 腹腔鏡検査
    確定診断に用いられます。
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診断 anchor.png

内診所見や内視鏡検査、子宮卵管造影法、超音波検査などの結果を確認後、腹腔鏡検査で確定診断します。
後天性月経困難症が見られた場合は、子宮内膜症の疑いがあります。

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病期 ステージ anchor.png

非直視下ではBeecham分類が用いられますが、直視下でのRe-AFS分類(米国不妊学会による分類方法)が用いられます。

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Beecham分類 anchor.png

  • ステージ I
    散在性の1~2cmの内膜症小斑点。開腹時に初めて診断。
  • ステージ II
    仙骨子宮靭帯、広靭帯、子宮頸部、卵巣が固着し、圧痛、硬結を生じ軽度に腫大。
  • ステージ III
    ステージIIに加えて、少なくとも卵巣が正常の2倍以上に腫大している。仙骨子宮靭帯、直腸、付属器は癒合し一塊となっている。ダグラス窩は消失している。
  • ステージ IV
    広範囲に及び、骨盤内臓器は内診でははっきりと区別できない。
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Re-AFS分類 anchor.png

腹膜や卵巣の病巣の深度や大きさ、癒着の程度、ダグラス窩の閉鎖をスコア化し、合計点数によってステージ I~IVの4段階に分類する。

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合併症 anchor.png

20~70%の割合で不妊症になります。
子宮筋腫と子宮腺筋症が合併することもあります。

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消炎鎮痛剤 anchor.png

炎症を鎮めて、腫れや発赤、痛みなどの症状をおさえます。熱を下げる効果があります。

    • 副作用
      胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、口内炎、発疹、じんま疹、むくみ、肝臓や腎臓の働き低下
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治療法 anchor.png

大まかに分けて待機療法、薬物療法、外科療法、マイクロ波照射 の4種の治療法がある。

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待機療法 anchor.png

Re-AFS分類でステージ I、IIで無症状の患者が対象。不妊との関係は明らかではないため、しばらくは治療せずに経過を観察します。

  • 補助療法
    腹腔鏡下でブルーベリー・スポットの焼灼などを行います。
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薬物療法 anchor.png

子宮内膜はホルモンの影響を受けるため、ホルモン療法が基本です。

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プロスタグランジン合成阻害剤 anchor.png

子宮内膜症の疼痛は局所的なプロスタグランジン濃度の変化が考えられているため。長期の低エストロゲン療法を避けたい就学中の学生や不妊患者が主な対象。

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ゲスターゲン療法 anchor.png

エストロゲン+プロゲステロン剤を投与する偽妊娠療法。いわゆるピルが用いられる。但し保健適応を受けた製剤は一種類(ルナベル配合錠:販売-日本新薬)だけで、それ以外の製剤は自由診療(全額自己負担)となる。

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エストロゲン療法 anchor.png

効果がありますが、同時に更年期障害様症状や体重増加、にきび、多毛などの美容上の副作用があります。
また、長期間にわたって使用する場合は、低エストロゲン状態により骨量の低下が起こるため骨粗鬆症のおそれがあります。特に虚血性心疾患のおそれがある人は注意が必要です。

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ダナゾール療法 anchor.png

ダナゾールはテストステロン誘導体であるためアンドロゲン作用を持ち、抗エストロゲン作用と免疫系双方に作用します。

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GnRHアナログ療法 anchor.png

下垂体のGnRHに対する感受性を低下させ、ゴナドトロピンの産生、分泌を抑制することでエストロゲンの分泌を低下させます。

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外科療法 anchor.png

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腹腔鏡下手術 anchor.png

ブルーベリー・スポットの焼灼、癒着の剥離、卵巣嚢腫の摘出や固定のほか疼痛に対して仙骨子宮靭帯切断術などを施行する手術。

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卵巣チョコレート嚢胞アルコール固定術 anchor.png

嚢胞内容を吸引後生理食塩水で洗浄し、100%エタノールを注入して固定する。これを繰り返す手術。

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卵巣チョコレート嚢胞摘出術 anchor.png
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根治手術 anchor.png

異所性子宮内膜を切除するとともに、子宮全摘出術と付属器切除術を施行する手術。治療の対象は40歳以上で出産希望がない重症例に限られます。

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マイクロ波照射 anchor.png

  • マイクロ波とは
    周波数1~30GHz(波長30~1cm)の範囲の電磁波はマイクロ波と呼ばれています。
    電磁波は電場と磁場の相互作用によって発生する空中(真空中も)を伝わる波動です。電磁波は周波数の違いによって、ラジオ波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、ガンマ線などさまざまに名前が付けられています。
    マイクロ波は直進性、反射屈折性など光に近い性質を示すためレーダーや通信に広く使われています。また、水などの誘電物質にマイクロ波が照射されると効率よく熱が発生します。この現象は電子レンジ(マイクロ波オーブン)に応用されています。生体組織も水を多く含むためマイクロ波を照射されると発熱します。
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マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA) anchor.png

MEAは、子宮内からマイクロ波を子宮内膜へ照射して壊死させる治療法で、術後は出血量が激減します。
MEAは子宮摘出術の代替治療法として、体に負担をかけずに、数分から数十分で安全に実施できる治療法です。

閉経までの5~10年の期間を、外科的治療を回避したいために十分満足できない状態で我慢している患者さんが、MEAによって過多月経を治療できます。
なお、妊娠を望む方には適応できません。

  • マイクロ波アプリケーター
    マイクロ波アプリケーターの直径は4mmで子宮の中までスムーズに挿入可能な形状です。
    マイクロ波はアプリケーターの先端周囲の組織を加熱します。子宮腔の内面をすべて覆うようにマイクロ波を照射できたら終了です。
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マイクロ波子宮内膜アブレーションの適応(治療の対象となる条件) anchor.png
  • 子宮筋腫・子宮腺筋症による過多月経で、子宮は拡大・変形しているが子宮卵管角部・子宮底部の子宮内膜にマイクロ波アプリケーターが容易に到達できる場合
  • 機能性過多月経
  • 血液凝固不全などの全身疾患に原因する過多月経
  • 今後、妊娠・出産を希望しない
以下の患者さんは適応されません。
    • 妊娠を希望される場合
    • 子宮筋腫・子宮筋腺症による拡大・変形を伴い、子宮卵管角部・子宮底部の子宮内膜にマイクロ波アプリケーターが容易に到達できない場合
    • 異型子宮内膜増殖症の場合
    • 子宮内膜癌の場合
    • 子宮壁の厚みが10mm以下の場合
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最終更新: 2015-10-14 (水) 23:11:19 (JST) (621d) by seriza
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  1. Re: 甲状腺ホルモン アンク 2017/6/25 23:17
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