プロラクチン分泌異常症 概要
下垂体から分泌されるプロラクチン(PRL)が過剰または不足した場合に生じる病態です。プロラクチン(PRL)の分泌が過剰状態の女性は、乳汁分泌や無月経を伴うことが多いので、乳汁漏出・無月経症候群ともいわれます。プロラクチン(PRL)分泌過剰症は高プロラクチン血症といわれ、プロラクチン(PRL)分泌低下症はプロラクチン欠損症ともいわれます。
症状
プロラクチン分泌過剰症ではホルモン作用による症状として、女性では月経不順・無月経、不妊、乳汁分泌がみられます。男性では性欲の低下、陰萎(インポテンツ)、その他稀に女性化乳房や乳汁分泌がみられます。プロラクチン産生下垂体腺腫が原因の場合は下垂体腫瘍が大きくなると頭痛や視野障害が起こります。
原因
プロラクチン分泌過剰症は、下垂体のプロラクチン分泌細胞の異常、視床下部分泌調節機構の異常のいずれによっても生じます。日常的に最も多いのは種々の薬の副作用です。
下垂体のプロラクチンの分泌は視床下部から分泌されるドーパミンに抑制されるので、ドーパミンに作用する降圧薬、抗潰瘍薬、多くの中枢神経薬はプロラクチン分泌を促進します。避妊薬もプロラクチン分泌を促進します。プロラクチン産生下垂体腺腫は下垂体腫瘍の中で最も多い腫瘍です。原発性甲状腺機能低下症、胸部外傷、精神疾患、腎不全などにおいてもプロラクチンの分泌が過剰になることがあります。原因が明らかでない特発性の高プロラクチン血症もあります。
検査
プロラクチン検査をします。
治療法
プロラクチン分泌異常の原因になっている病変の原因を取り除く療法が優先されます。薬の服用によるプロラクチン分泌過剰症については、該当する薬の服用をを中止することによって通常2~4週以内に症状は改善されます。
甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモン剤の服用を増やすことで、甲状腺機能の正常化にやや遅れてプロラクチン分泌が正常化されます。プロラクチン産生下垂体腺腫によるプロラクチン分泌過剰症は、内科的薬物療法、外科的手術療法、両者の併用のいずれかによって治療されます。
妊娠などを希望する場合には薬物療法が優先されます。カベルゴリン、ブロモクリプチン、テルグリドの経口薬によって、治療開始3ヵ月以内に血中プロラクチン値は正常範囲内に低下することが多いと考えられます。血中プロラクチン値が低下すれば、乳汁分泌や月経異常、性機能の改善が認められます。
Page Info | |
---|---|
Page Name : | PRL分泌異常症 |
Page aliases : | None |
Page owner : | seriza |
Can Read | |
Groups : | All visitors |
Users : | All visitors |
Can Edit | |
Groups : | 登録ユーザ |
Users : | No one |
お気軽に投稿してください。一言でもどうぞ。病気の治療、薬の副作用のことなど。