悪性リンパ腫(ML:Malignant Lymphoma)は、血液のがんで、リンパ系組織から発生する悪性腫瘍の総称です。病型は、単一ではなく多様な大別すると、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫があります。
リンパ系組織は全身に分布しているため、悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫は全身で発生する可能性があります。
首や股の付け根、腋などに痛みを伴わないしこりを触れるなどの症状がよくみられます。また、リンパ節の腫大が起こります。
全身的な症状として、発熱、体重の減少、寝汗を伴うことがあります。これらの3つの症状は「B症状」といわれ特に重要視されています。体のかゆみを伴うこともあります。その他、皮膚の発疹、しこり、いろいろな部位に痛みが起こることがあります。
原因は完全には解明されていませんが、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)による感染をきっかけに発症するものがあります。
触診、血液検査、造影CT検査などを行います。また、リンパ節生検を行うことにより病理組織分類や遺伝子異常を調べます。
大きくなっているリンパ節のすべて、あるいは一部を、いろいろな検査に用いるために局所麻酔を行って採取します。採取された組織は、顕微鏡で腫瘍の顔つきを調べて、病理学的分類を行うのに用いられます。また組織の一部は、診断に重要な染色体検査や遺伝子検査にも使われることがあります。
リンパ腫の病期分類 Ann Arbor分類
Ann Arbor分類の付加事項 | |
A | 全身症状(発熱、寝汗、6ヶ月以内の10%以上の体重減少)が無い |
B | 全身症状(発熱、寝汗、6ヶ月以内の10%以上の体重減少)がある |
E | 限局した節外病変がある |
S | 脾臓への浸潤がある |
H | 肝臓への浸潤がある |
M | 骨髄への浸潤がある |
P | 肺への浸潤がある |
O | 骨皮質への浸潤がある |
リンパ腫の病期分類 Cotswold分類
Cotswold分類の付加事項 | |
Ann Arbor分類の付加事項に加えて、以下の項目が追加されます。 | |
X | Bulky病変(縦隔の1/3以上の病変の拡がり、又は最大径10cm以上の腫瘤がある。 |
放射線療法は、高エネルギーのX線を病気のある部位に照射して、腫瘍に対する殺細胞効果を期待する治療です。照射した部位に対してのみ効果が期待できます。