多発性筋炎(PM)は筋肉に炎症、変性などの障害が起こり、力が入らなくなったり、疲れやすくなったり、筋肉が痛くなったりする病気[2]です。
また、特徴的な皮膚症状でアルゴットロン徴候やヘリオトロープ疹(ヘリオトロープ疹 眼瞼部の腫れぼったい紫紅色の皮疹がみられます。)などを伴う場合には、皮膚筋炎(DM)と呼ばれます。しかし、この皮膚症状の有無で筋病変の特徴に差がないため、多発性筋炎・皮膚筋炎の名称で同一疾患として扱われています。
現在のところ原因はわかっていません。免疫の異常、ウイルスなどの感染、悪性腫瘍、薬剤の影響、遺伝的要因などが考えられていますが確定していません。
筋肉の障害による症筋力低下が起こります。さらに、筋肉以外に内臓などの障害も起こることがあります。これらの症状は人それぞれに異なり、障害される臓器によっても異なります。全く内臓が障害されない場合もあります。
筋肉が障害され、疲れやすくなったり、筋力低下により力が入らなくなったりします。しかし、ゆるやかに発症することが多く、はじめは自覚症状がないこともあります。
本症は全身性強皮症[14](全身性硬化症)、全身性エリテマトーデス[15]、関節リウマチ[7]、シェーグレン症候群[16]など他の膠原病[11]を合併したりします。
多発性筋炎は筋肉(骨格筋)だけに障害が起こるのではなく、肺、心臓、関節、消化管、などの他の臓器障害も合併することがあり、膠原病[11]や自己免疫疾患の一つとして分類されています。
一般的治療 発症した時(急性期)にはできるだけ安静にし、筋肉に負担をかけないようにすることが大切です。障害された筋肉の温湿布は筋痛の緩和に有効といわれています。
身体のこわばり、動作の不自由さ・筋力の回復のために、リハビリテーション、理学療法は重要です。しかし、何時から開始し、どの程度を行うかは難しい問題で、患者さんの病状により様々です。一般的に筋原性酵素(CK値)が薬物療法により低下し正常値に近くなり、筋力が順調に回復していることを確認してから、徐々に開始します。
本症では身体の蛋白の分解が亢進していますので、食事は高蛋白、高かろりー食で消化のよいものをとるようにします。
多発性筋炎・皮膚筋炎の治療は薬物療法が中心となります。主に副腎皮質ステロイド[19]剤が使用され、効果を発揮します。
一般に大量ステロイド療法(体重1kgあたりプレドニゾロン換算で1mg/日)が4~6週間行われ、筋力の回復、検査所見の改善を見ながら数か月かけて、
最小必要量(病気[2]をコントロール出来る量)まで減量します。一般に筋力の回復は早期治療ほど良い結果がでています。しかし、ステロイドの効果が認められず、薬の副作用が著しく出てしまう場合には、免疫抑制剤[20]が投与されることがあります。
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