全身のいろいろな臓器(膵臓、唾液腺、涙腺、腎臓など)が腫れたり、硬くなったりする原因不明の病気[2]です。
免疫グロブリン[3]の一つであるIgG4が血液中で高いことや、臓器でIgG4分泌細胞の著しい浸潤および強い線維化[4]が認められるのが特徴です。
ひとつの臓器だけでなく複数臓器が同時に冒されたり、数か月~数年後に別の臓器が冒されることもあります。症状は無症状のこともありますが、冒される臓器により多少異なります。
冒される臓器により異なります。
肺では喘息症状、涙腺・唾液腺では眼瞼や下顎部・耳下部の腫れ(時にドライアイや口腔乾燥を伴う)、胆管や膵臓では黄疸や糖尿病[6]、腎臓・後腹膜では腎機能障害、尿管狭窄(水腎症)などが起こります。
包括診断基準は臨床症状、血液所見、病理組織所見の3項目から構成されます。
鑑別疾患としては各臓器の悪性腫瘍やシェーグレン症候群[11]、原発性硬化性胆管炎、多中心性キャッスルマン病、原発性後腹膜線維症、多発血管炎性肉芽腫症、サルコイドーシス[12]、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症などが挙げられます。
ステロイド治療が有効です。稀に腫れが自然に小さくなることもありますので、そのような場合には急いで治療する必要はありません。
ステロイドには様々な副作用がありますので、ステロイドを使用できない時やステロイドの効果が悪い場合には、免疫抑制薬を使用することもあります。
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