概要
緊張型頭痛は、1988年の国際頭痛学会の分類によると、圧迫されるような痛みであること、両側に生じること、家事や階段歩行などの日常動作によって憎悪しないこと、悪心や嘔吐は伴わないこと、光や音の過敏症はないことを重要な特徴として挙げています。
片頭痛に比べると、年齢が高くなってから起こる場合が多い。
診断基準について
背景・目的:診断基準には診断、治療についてあらゆる側面から科学的かつ実際的に検討されたものである必要性がある。他の疾患と同様にこのような必要条件をみたす診断基準に基づいて緊張型頭痛を診断する必要がある。
国際頭痛分類第 2 版(ICHD -II)の診断基準に準拠して診断する。
推奨のグレード A
- A. 各緊張型頭痛は主にその発症頻度で診断される。そしてB以下の項目をみたすものである。
- 2.1 稀発反復性緊張型頭痛は、1 ヵ月に 1 日未満(年間 12日未満)の頻度で生じる頭痛
- 2.2 頻発反復性緊張型頭痛は、1 ヵ月に 1 日以上、15 日未満(年間 12 日以上 180 日未満)の頻度生じる頭痛
- 2.3 慢性緊張型頭痛は、1 ヵ月に 15 日以上(年間 180 日以上)の頻度生じる頭痛
- 2.4 緊張型頭痛の疑いは、緊張型頭痛の診断基準をひとつだけみたさず、かつ片頭痛でないものである。
- B. 頭痛は30分~7日間持続する
- C. 頭痛は以下の特徴の少なくとも2項目を満たす
- 1. 両側性
- 2. 性状は圧迫感または締め付け感(非拍動性)
- 3. 強さは軽度~中等度
- 4. 歩行や階段の昇降のような日常的な動作により増悪しない
- D. 以下の両方を満たす
- 1. 悪心や嘔吐はない(食欲不振を伴うことはある)
- 2. 光過敏や音過敏はあってもどちらか一方のみ
- E. その他の疾患によらない
症状
緊張型頭痛の場合は、片頭痛のようにズキンズキンという脈を打つような痛みではなく、圧迫感のような痛みを感じる。 大抵の場合、肩こりや首の筋肉のこりを伴い 、頭の両側が痛み、眩暈や倦怠感を併発することもある。
- 原因
緊張型頭痛は筋肉から痛みが発せられる頭痛。頭から首、肩にかけての筋肉が緊張し、血流が悪くなると疲労物質が筋肉にたまり、神経を刺激して痛みが起こります。筋肉の緊張は、長時間同じ姿勢をとり続けたり、心配や不安などの精神的なすとれすが原因で起こりやすくなります。
一度頭痛が起こると、痛みによって筋肉のこりや血流の悪さがますます増幅され、頭痛がひどくなっていつまでも続く、という悪循環に陥ることがあるようです。
薬
筋弛緩薬
- ミオナール錠(一般名:エペリゾン塩酸塩)
- テルネリン錠(一般名:チザニジン塩酸塩)
- ダントリウムカプセル(一般名:ダントロレンナトリウム水和物)
治療法
ストレスをためないように生活習慣を正すことが大事ですが、痛みがひどい時には、鎮痛薬や筋肉のこりをほぐす薬などで治療します。 消炎鎮痛薬は、例えばアスピリンで300~700mg/日が処方されます。
一方、消炎鎮痛薬の慢性的使用によってかえって頭痛が誘発されること(薬剤誘発性頭痛)があるので、適宜処方量を調整します。
予防的投薬としては抗うつ薬、とりわけ三環系抗うつ薬が処方されますが、口腔内乾燥、眠気、なかでも腸管のぜん動運動の低下などの抗コリン作用の発生には注意が必要です。
消炎鎮痛薬との併用として、エチゾラム(デパス錠)などの抗不安薬、エペリゾン(ミオナール錠)やチザニジン(テルネリン錠)などの筋弛緩薬も処方されます。
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