血小板血栓( 細い血管内に血小板のかたまり)が生じることで、血小板が減少し、血小板血栓により赤血球が破壊されて貧血(溶血性貧血)になるという3つの特徴をもつ血栓性微小血管症(TMA:thrombotic microangiopathy)という、病気があります。
このTMAの中で最も頻度が高いのが溶血性尿毒症症候群(HUS:hemolytic uremic syndrome)です。
初期症状は、発熱、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などです。下痢便には血液が混じっていることがほとんどです。
顔色不良、乏尿、浮腫、意識障害などの症状があらわれます。
急性期に高血圧を高頻度に合併する。
循環血液量(血管内容量)を正しく評価し、適正な輸液、利尿薬、降圧薬等により、速やかに血圧の適正化を図る。
急性期高血圧に対する第一選択薬として、カルシウム拮抗薬を用いる。
明らかな播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併していない HUS において血栓形成阻止を目的としたヘパリン、ジピリダモール、ウロキナーゼ等の抗血栓療法の有効性は明らかでないため基本的には勧められない。
播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併する場合は、ナファモスタットメシル酸塩、ガベキサートメシル酸塩、ヒトリコンビナントトロンボモジュリン、アンチトロンビンIII製剤 等を使用する。