OPLL 概要
後縦靭帯は脊椎の椎体後縁に沿って縦走する靭帯ですが、これが肥厚し骨化する病気が後縦靭帯骨化症 ossification of posterior longitudinal ligament(OPLL)です。 骨化は頸椎に多くみられますが、まれに胸椎にもみられます。
一方、脊柱管の後壁にあって、椎弓間を連結している靭帯は、黄色を呈しているので黄色靭帯といい、これが骨化したときを黄色靭帯骨化症 ossification of yellow ligament(OYL)という。OYLは胸腰椎移行部に好発します。
骨化した靭帯が脊髄(せきずい)を圧迫することで、手足にさまざまな神経症状を現すようになります。
日本では男性のほうが女性に比較して約2倍の頻度で発症します。年齢的には、中高年で発症することが多い。
日本における地域差はありません。
後縦靭帯骨化症は、特定疾患治療研究事業対象疾患(45疾患)に指定されています。対象指定年度 昭和55年12月01日
症状
手足がしびれて、手指の運動がうまくできなくなり、箸が持ちにくい、洋服の釦が掛けにくい、字が書きにくいなどといった症状が現れます。
脚では「
さらに症状が進むと、排便・排尿障害も起こることがあります。
診断基準
頚椎後縦靱帯骨化症診断基準(案) 以下の(1)と(2)の条件を満たすものを頚椎後縦靱帯骨化症とする。
- 画像要件
頚椎側面単純X線像で視認することのできる後縦靱帯骨化があること(連続型、混合型、分節型、その他の4型を例示)。
ただし、下部頚椎が単純X線検査で十分に描出できない場合は、断層撮影、X線コンピュータ断層撮影(以下CT)を参考とする。なお、CTで初めて視認できる後縦靱帯の小骨化巣は、診断要件としての後縦靱帯骨化とはしない。 - 臨床症状要件
次のいずれか、あるいはそのいくつかの臨床症状があること。
圧迫性頚髄障害の症状
画像検査所見と対応する高位での脊髄症症状
索路症状 深部腱反射の亢進、痙性手、痙性歩行、手袋・靴下状に分布する感覚障害など 髄節症状 筋萎縮(本症性脊髄症の診断基準との整合性を検討する) - 神経根症状
画像検査所見と対応する高位の神経根症状(運動麻痺、感覚麻痺、自覚的しびれ感、痛み) - 頚椎可動制限による頚椎運動機能障害
可動域が正常の1/2以下となり、日常生活動作に障害がある場合
合併症
頸椎後縦靭帯骨化症に黄色靭帯骨化症を合併する頻度は約55%といわれ、脊柱管は後縦靭帯骨化症によって前方から、黄色靭帯骨化症によって後方から狭窄を生じ、脊髄や神経根が圧迫され麻痺などの症状を呈することになります。
併存疾患
他の疾病に伴う発症
- 糖尿病
直接、後縦靱帯骨化症の発症に関与していないが、肥満および何らかの糖代謝異常が靱帯骨化症の発症に関与していると考えられている。 - 末端肥大症
特に頚椎OPLLが発症しやすいとはいえないが、成長ホルモンに対する反応性がOPLLの発症に関与している可能性があると考えられている。 - 副甲状腺機能低下症患者
四肢外傷患者との比較において、副甲状腺機能低下症患者では後縦靱帯骨化症を好発し、特に高齢者ほど高度な骨化が認められている。 - 筋緊張性ジストロフィー
副甲状腺ホルモン(PTH)の腎での反応性低下(リン酸排泄量の増加は不十分であること)によるカルシウム代謝異常がOPLL発症に関与されていると考えられている。
治療法
- 保存治療
頸部の安静のために頸椎からーを装用します。 - 薬物療法
痛みに対しては非ステロイド性消炎鎮痛薬や筋弛緩(しかん)薬を処方します。 - 手術療法
頸部の前から手術する方法と、頸部の後方から手術する方法があります。
前からの方法は、「頸椎前方徐圧固定術」といい、脊髄の圧迫されている箇所が少ない場合に行われます。
この際には骨移植が必要になり、通常は腸骨(骨盤の骨でべるとのかかる部分)から移植骨をとります。
後ろからの方法は、脊髄圧迫箇所が多い場合に用いるもので、主に「椎弓(ついきゅう)形成術」が用いられます。 - その他の治療法
温熱療法
牽引 療法
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