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閉塞性血栓血管炎(TAO:thromboangiitis obliterans) 概要
Leo Buergerによって初めて報告されたことから、バージャー病(英語読み)、あるいはビュルガー病(ドイツ語読み)と名づけられた病気で、閉塞性血栓血管炎とも呼ばれます。
四肢の末梢血管に閉塞をきたし、虚血症状および足趾や手指の潰瘍・壊疽を引き起こす病気です。また、表在静脈にも血栓性静脈炎を生じる場合がある。
20歳代から40歳代で多く発症し、圧倒的に男性が多い。また患者の9割以上に喫煙歴がある。
症状
手足の動脈が閉塞して、その結果虚血症状*1が起こります。
自覚症状は、
また手足の静脈にも炎症を起こし、静脈に沿って発赤や痛みを生じることもあります(遊走性静脈炎)。
検査
- 身体診察
全肢について視診、皮膚温や脈拍の触診、血管雑音の聴診を行う。アレンテストや下肢挙上下垂試験も虚血の診断に有用である。 - 機能検査
下肢の罹患では足関節上腕血圧比(ankle-brachial index: ABI)や足趾上腕血圧比(toe-brachial index: TBI)が低値を示す。運動負荷ABIの回復時間は、血液供給の予備能の評価に有用である。
潰瘍や強い疼痛など重度の虚血を示唆する症状があれば、皮膚灌流圧や経皮酸素分圧の測定で血流を評価する。
サーモグラムを用いた皮膚温測定では、冷水負荷によるレイノー現象や、治療薬に対する反応が観察できる。 - 画像検査
動脈の閉塞部位はMR angiographyやCT angiographyによって把握できる。
血行再建術を考慮する場合には、血管造影検査によって詳細な評価を行う。
閉塞像は途絶型、先細り型が多い。発達した側副血行路の像はコルクの栓抜き状、樹根状、橋状を呈する。
病変よりも中枢側の動脈壁は平滑で、動脈硬化性の所見を認めない。 - 血液検査
特異的なマーカーはない。炎症の強さは必ずしも赤血球沈降速度やCRPに反映されない。
病期 ステージ
重症度分類
3度以上を医療費助成の対象とする。
- 1度
患肢皮膚温の低下、しびれ、冷感、皮膚色調変化(蒼白、虚血性紅潮など)を呈する患者であるが、禁煙も含む日常のケア、または薬物療法などで社会生活・日常生活に支障のないもの。 - 2度
上記の症状と同時に間欠性跛行 (主として足底筋群、足部、下腿筋)を有する患者で、薬物療法などにより、社会生活・日常生活上の障害が許容範囲内にあるもの。 - 3度
指趾の色調変化(蒼白、チアノーゼ)と限局性の小潰瘍や壊死または3度以上の間欠性跛行を伴う患者。通常の保存的療法のみでは、社会生活に許容範囲を超える支障があり、外科療法の相対的適応となる。 - 4度
指趾の潰瘍形成により疼痛(安静時疼痛)が強く、社会生活・日常生活に著しく支障を来す。薬物療法は相対的適応となる。したがって入院加療を要することもある。 - 5度
激しい安静時疼痛とともに、壊死、潰瘍が増悪し、入院加療にて強力な内科的、外科的治療を必要とするもの。(入院加療:点滴、鎮痛、包帯交換、外科的処置など)
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初版日時: 2018-12-14 (金) 23:52:14
最終更新: 2018-12-15 (土) 10:33:01 (JST) (1970d) by kondo
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