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白血病 :: 医療 Wiki

illness:白血病

ページ内コンテンツ
  • 概要
    • 白血病の種類
    • 造血のしくみ
    • 症状
      • 急性骨髄性白血病(AML)の症状
    • 原因
    • 診療科
    • 検査
    • 診断
    • 病期 ステージ
    • 合併症
    • 治療法
      • 慢性骨髄性白血病(CML)の治療法
        • 薬物療法
          • 分子標的治療薬
          • 化学療法
          • インターフェロン‐α療法
        • 移植療法
          • 造血幹細胞移植
      • 免疫療法・遺伝子治療
        • キメラ抗原受容体(CAR)を用いた遺伝子改変T細胞療法
    • 罹患した著名人

概要 anchor.png[1]

白血病は血液のがんです。血液細胞には赤血球、血小板、白血球がありますが、これらの血液細胞が骨髄でつくられる過程でがんになります。
がん化した細胞(白血病細胞)は、骨髄内で増殖し骨髄を占拠します。そのため、正常な血液細胞が減少し、貧血[2]、免疫系のはたらきの低下、出血傾向、脾臓(血液を貯蔵しておく臓器)の肥大などの症状があらわれます。

白血病は、がん化した細胞のタイプから「骨髄性」と「リンパ性」に分けられ、さらに病気[3]の進行パターンや症状から「急性」と「慢性」に分けられます。

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白血病の種類 anchor.png[4]

急性骨髄性白血病[5](AML)と慢性骨髄性白血病(CML)では病気[3]の進み方が異なります。
急性骨髄性白血病[5](AML)の場合には初期から症状があらわれ、直ちに入院治療を必要としますが、慢性骨髄性白血病(CML)の場合は、初期には症状がないか、あっても軽い場合が多く、進行すると急性白血病と同じような症状があらわれます。

  • 急性白血病
  • 慢性白血病
    • 慢性骨髄性白血病(CML: chronic myelogenous leukemia)
      慢性骨髄性白血病(CML)は、白血球、赤血球、血小板をつくる過程で造血幹細胞[6]ががん化する病気[3]です。
      慢性骨髄性白血病(CML)は、急性骨髄性白血病[5](AML)が慢性化した病気[3]ではありません。
    • 慢性リンパ性白血病(CLL: chronic lymphocytic leukemia)
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造血のしくみ anchor.png[7]

血液細胞には大きく分けて、赤血球、血小板、白血球があります。白血球というのは、リンパ球、顆粒球、単球の総称です。
これらの血液細胞は、骨の内側にある骨髄というところでつくられます。そこで、血液細胞のもとになる造血幹細胞[6]から各種の血液細胞へと変化(分化)し、成熟した血液細胞が血液中に放出されます。
変化する過程は大きく分けて2つあります。赤血球、血小板、単球、顆粒球をつくる過程は骨髄系、リンパ球をつくる過程はリンパ系とよばれます。

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症状 anchor.png[8]

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急性骨髄性白血病[5](AML)の症状 anchor.png[9]

疲労、くりかえす感染症、脱力、食欲不振、高熱
過剰な出血、痛みや傷がなかなか治らない
歯肉の腫れまたは変色、アザができやすい、骨や関節の痛み(特に肋骨と胸骨)

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原因 anchor.png[10]

遺伝子や染色体に傷がつくことで発症すると考えられています。たとえば、慢性骨髄性白血病(CML)では、患者さんの95%以上でフィラデルフィア(Ph)染色体という異常な染色体が見つかります。
遺伝子や染色体に傷がつく原因として、放射線、ベンゼンやトルエンなどの化学物質、ウイルスなどが挙げられています。
白血病は遺伝しません。

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診療科 anchor.png[11]

血液内科

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検査 anchor.png[12]

血液検査、骨髄検査など

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診断 anchor.png[13]

白血病の診断は、問診、血液検査、骨髄検査などの結果に基づいて行われます。
貧血[2]などの症状があり、血液検査の結果から、血液細胞の数や種類に異常がみられた場合、白血病が疑われます。
最終的な診断には、骨髄液を吸引する「骨髄穿刺[14](マルク)」や、骨髄の組織を採取する「骨髄生検」などの骨髄検査が行われます。
骨髄はすべての骨の中にありますが、骨髄穿刺[14]は腸骨(骨盤の骨)から採取するのが一般的で、ときには胸骨(胸の正面にある平らな骨)から採取することもあります。骨髄中の細胞の数や種類、染色体や遺伝子の状態を確認し、白血病かどうかを確定診断します。

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病期 ステージ anchor.png[15]

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合併症 anchor.png[16]

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anchor.png[17]

  • (一般名:)
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治療法 anchor.png[18]

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慢性骨髄性白血病(CML)の治療法 anchor.png[19]

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薬物療法 anchor.png[20]

薬物療法には、分子標的治療薬、化学療法、インターフェロン‐α療法があり、白血病細胞を減少させ、症状を抑える効果があります。
はじめて慢性骨髄性白血病(CML)と診断されたとき、病期が慢性期であれば分子標的治療薬を使用します。しかし、分子標的治療薬による副作用やCMLの進行に応じて、異なる分子標的治療薬に替えたり、分子標的治療薬以外の治療法へ変更したりします。

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分子標的治療薬 anchor.png[21]

慢性骨髄性白血病(CML)の原因であるBCR-ABL遺伝子からつくられるBcr-Abl蛋白(チロシンキナーゼ)を狙い撃ちし、そのはたらきを抑えることで、白血病細胞が増えないようにする薬です。白血病細胞を狙うので、正常な細胞に及ぼす影響が比較的少なく、従来の抗がん剤よりも副作用が少ないという特徴があります。

  • 分子標的治療薬の副作用
    • 消化器症状
      吐き気、嘔吐、下痢など
    • 皮膚の発疹
      皮膚が赤くなる、かゆみが出るなど
    • むくみ、体重増加
      目のまわりが腫れる、靴が履けない、筋肉が圧迫されて痛む、歩きづらいなど
    • 筋肉痛・筋肉のけいれん
      足や手が痛む、力を入れたときにつる、夜寝ているときに体がつるなど
    • その他
      発熱、重度のさむけ、喉の痛み、口内炎、出血、貧血[2]症状など
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化学療法 anchor.png[22]

抗がん剤を用いた治療法です。白血病細胞の増殖を抑え、増加した白血球数[23]を正常値まで減少させ、肥大した脾臓を小さくします。

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インターフェロン‐α療法 anchor.png[24]

体の中にもともとあり、ウイルスを攻撃したり、免疫の働きを活性化したりするインターフェロン‐αを用いた治療のことです。
白血球数[23]を正常値まで減少させ、ときには白血病細胞を死滅させることができます。分子標的治療薬が効かなくなった場合や、造血幹細胞[6]移植が行えない場合に用いられます。

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移植療法 anchor.png[25]

移植療法には造血幹細胞[6]移植があり、健康な造血幹細胞[6]を移植して造血機能を回復させます。

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造血幹細胞[6]移植 anchor.png[26]

通常よりも強力な化学療法や放射線照射を行い、骨髄中の白血病細胞や造血幹細胞[6]を死滅させた後に、正常な造血幹細胞[6]を移植して骨髄の造血機能を回復させる治療法です。造血幹細胞[6]の提供者(ドナー)が必要で、移植した造血幹細胞[6]に対する拒絶反応を免疫抑制剤[27]で抑えなければなりません。

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免疫療法・遺伝子治療[28] anchor.png[29]

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キメラ抗原受容体(CAR)を用いた遺伝子改変T細胞療法 anchor.png[30]
  • CAR-T細胞治療
    • キムリア点滴静注[31]
      患者からリンパ球の一種の免疫細胞を採取し、遺伝子を改変した免疫細胞を作成する。そして、免疫細胞を増殖させて、がん細胞への攻撃力を高めてから患者に点滴投与する。
      「再発または難治性CD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球(がきゅう)白血病」、「再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ種」が対象です。
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罹患した著名人 anchor.png[32]

  • 大塚範一(のりかず) フリーアナウンサー、元NHKアナウンサー
    2011年11月、急性リンパ性白血病と診断され治療を受けることになる。その後、臍帯血(さいたいけつ)移植手術を受けて血液型がB型からA型に変わった。
  • 早川史哉 サッカー選手
    2016年5月、急性リンパ性白血病と診断され、2016年秋に骨髄移植手術を受ける。
  • 池江 璃花子(いけえりかこ) 競泳女子日本代表
  • 岡村孝子 シンガー・ソングライター
    2019年4月、急性白血病と診断される。

Last-modified: 2019-04-22 (月) 21:27:17 (JST) (1831d) by kondo