白血病は血液のがんです。血液細胞には赤血球、血小板、白血球がありますが、これらの血液細胞が骨髄でつくられる過程でがんになります。
がん化した細胞(白血病細胞)は、骨髄内で増殖し骨髄を占拠します。そのため、正常な血液細胞が減少し、貧血[2]、免疫系のはたらきの低下、出血傾向、脾臓(血液を貯蔵しておく臓器)の肥大などの症状があらわれます。
白血病は、がん化した細胞のタイプから「骨髄性」と「リンパ性」に分けられ、さらに病気[3]の進行パターンや症状から「急性」と「慢性」に分けられます。
急性骨髄性白血病[5](AML)と慢性骨髄性白血病(CML)では病気[3]の進み方が異なります。
急性骨髄性白血病[5](AML)の場合には初期から症状があらわれ、直ちに入院治療を必要としますが、慢性骨髄性白血病(CML)の場合は、初期には症状がないか、あっても軽い場合が多く、進行すると急性白血病と同じような症状があらわれます。
血液細胞には大きく分けて、赤血球、血小板、白血球があります。白血球というのは、リンパ球、顆粒球、単球の総称です。
これらの血液細胞は、骨の内側にある骨髄というところでつくられます。そこで、血液細胞のもとになる造血幹細胞[6]から各種の血液細胞へと変化(分化)し、成熟した血液細胞が血液中に放出されます。
変化する過程は大きく分けて2つあります。赤血球、血小板、単球、顆粒球をつくる過程は骨髄系、リンパ球をつくる過程はリンパ系とよばれます。
疲労、くりかえす感染症、脱力、食欲不振、高熱
過剰な出血、痛みや傷がなかなか治らない
歯肉の腫れまたは変色、アザができやすい、骨や関節の痛み(特に肋骨と胸骨)
遺伝子や染色体に傷がつくことで発症すると考えられています。たとえば、慢性骨髄性白血病(CML)では、患者さんの95%以上でフィラデルフィア(Ph)染色体という異常な染色体が見つかります。
遺伝子や染色体に傷がつく原因として、放射線、ベンゼンやトルエンなどの化学物質、ウイルスなどが挙げられています。
白血病は遺伝しません。
血液内科
血液検査、骨髄検査など
白血病の診断は、問診、血液検査、骨髄検査などの結果に基づいて行われます。
貧血[2]などの症状があり、血液検査の結果から、血液細胞の数や種類に異常がみられた場合、白血病が疑われます。
最終的な診断には、骨髄液を吸引する「骨髄穿刺[14](マルク)」や、骨髄の組織を採取する「骨髄生検」などの骨髄検査が行われます。
骨髄はすべての骨の中にありますが、骨髄穿刺[14]は腸骨(骨盤の骨)から採取するのが一般的で、ときには胸骨(胸の正面にある平らな骨)から採取することもあります。骨髄中の細胞の数や種類、染色体や遺伝子の状態を確認し、白血病かどうかを確定診断します。
薬物療法には、分子標的治療薬、化学療法、インターフェロン‐α療法があり、白血病細胞を減少させ、症状を抑える効果があります。
はじめて慢性骨髄性白血病(CML)と診断されたとき、病期が慢性期であれば分子標的治療薬を使用します。しかし、分子標的治療薬による副作用やCMLの進行に応じて、異なる分子標的治療薬に替えたり、分子標的治療薬以外の治療法へ変更したりします。
慢性骨髄性白血病(CML)の原因であるBCR-ABL遺伝子からつくられるBcr-Abl蛋白(チロシンキナーゼ)を狙い撃ちし、そのはたらきを抑えることで、白血病細胞が増えないようにする薬です。白血病細胞を狙うので、正常な細胞に及ぼす影響が比較的少なく、従来の抗がん剤よりも副作用が少ないという特徴があります。
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