CSS 概要
チャーグ・ストラウス症候群(CSS)は、1951年にチャーグとストラウスが独立したひとつの病気として初めて提唱したために、このような名称が付けられています。
この病気は、どの器官にも炎症が起こる可能性があります。神経、副鼻腔、皮膚、関節、肺、消化管、心臓、腎臓などは、最も影響を受けます。炎症を引き起こす免疫細胞の集まり(肉芽腫)は、患部組織に小結節を形成することがあります。肉芽腫は正常な組織を破壊し、機能を阻害することがあります。肉芽腫はさらに皮膚の下にこぶをつくることがあります。
この病気は、何らかの原因で血管の壁に炎症が起き、血管がつまったり、血管が破れて出血したりします。血管のつまりや出血の結果、全身の反応が起き、臓器や組織に障害が生じます。
症状
一般的に発症の数年前から気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー症状が先行症状として現れます。
副鼻腔の炎症は顔の痛みを生じ、ポリープが鼻にできることがあります。
その後、白血球の1種である好酸球が著しく増えるとともに、全身の末梢血管に炎症が起こることで様々な病状が現れます。
発熱、寝汗、食欲不振、体重減少などがみられます。その他の症状には、どの器官が影響を受けたかにより、以下のような症状がさまざまな組み合わせで現れます。
筋肉や関節の痛み、息切れ、せきや、ときに喀血、胸痛、発疹、腹痛、血便、腕や脚の知覚異常、しびれ、筋力低下など
原因
CSSの原因ははっきりとはわかっていません。アレルギー症状が先行することから、何らかの抗原刺激で起こるアレルギー反応が発病に関係していると推測されています。
また、白血球の1種である好中球に対する抗好中球細胞質抗体が血液中に見つかることがあるため、この抗体がCSSの原因に関係しているとも考えられています。
診断
血液検査を行い血液中の好酸球数を測定します。これらの白血球はアレルギー反応中に産生されるもので、チャーグ・ストラウス症候群があればそれらの数は増加します。さらに、この病気で存在する可能性がある特定の抗体(抗好中球細胞質抗体)を探します。
胸部X線検査を行い、肺の炎症を調べます。
尿検査により腎臓がおかされているかどうかを判定します。
炎症を起こした組織の検体を採取し、顕微鏡で調べます(生検)。生検により、組織に好酸球や肉芽腫があるかどうかがわかります。皮膚や筋肉の生検は局所麻酔薬を使用して外来で実施できるので、可能であれば、皮膚や筋肉から検体を摂取します。ときには肺組織の生検が必要です。その場合は入院が必要となります。
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