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概要 anchor.png

舌がんは、舌に物理的な刺激が持続的に与えられて発生することが多いと言われています。 頻発する部位は、舌の後方の側縁から口腔底にかけてです。
舌の上面に発生する口腔腫瘍はほとんどありません。欠けてとがった歯や、金属をかぷせた歯が、舌に当たることにより小さな硬いしこりが出来た場合は、長期間放置すると癌になる可能性があります。

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舌の働き anchor.png

いわゆる舌の奥1/3は解剖学的には舌根といわれ、中咽頭に分類されます。したがって、舌癌といわれる時の舌は、舌の前2/3(口を開けて普通に鏡で見える範囲)となります。
舌の主な働きは嚥下(食物をのどに送り込む)機能 構音(言葉を作る)機能 味覚機能 嚥下機能 舌の働きで口腔内で咀嚼(そしゃく)(歯で噛み砕く)された食物をのどに送り込むことができます。

舌の働きが悪くなると、上手く飲み込めずに食物が喉頭から気管に誤嚥しやすくなります。また、上下の歯の間にはさまれた食物を内側から支える働きも行っているため、舌の動きが悪くなると咀嚼も上手くできなくなります。

  • 構音機能
    喉頭(声帯)で形成された振動した空気(喉頭原音)が、咽頭、口腔で共鳴し音になります。人間は共鳴腔の形を種々に変化させて口唇から発することで言葉を作っています。この共鳴腔の形を変化させる主役が舌です。したがって、舌の働きが悪くなると、言葉の明瞭度が悪くなり、他の人に聞き返されることが増えてきます。
  • 味覚機能
    舌の表面に味覚を感じるセンサー(味蕾)がたくさんあり、主に舌で味を感じています。しかし、味覚を感じる細胞は舌だけでなく、上
    あごや頬の内側にも存在することから、舌がなくなっても味を感じることはできます。 これらの働きは、日常生活ではあまり意識されることがないため、機能障害が生じた場合の不自由さは非常に大きいものとなります。
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症状 anchor.png

口腔内の痛み、食べ物がしみる、舌の動きが悪くなり、ろれつが回らない、飲み込みづらいなどの症状が現れます。

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原因 anchor.png

喫煙、飲酒、歯列不正、う歯、不適合義歯、口腔の不衛生などが考えられます。

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診断 anchor.png

舌は視診・触診が容易にできますが、舌には白斑症や口内炎、難治性潰瘍など種々の類似疾患も多いため、舌癌の診断には小さな肉片を採取し、
病理組織検査により診断を確定します。

舌癌と診断がつけば、病変の根の深さや広がりの程度を正確に診断するために、CTやMRIなどの画像検査を行います。

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病期 ステージ anchor.png

舌がんの病期は国際的なTNM分類を用いI~IV期にわけられますが、簡略に示すと次のようになります。

  • T1: 最大径が2以下
  • T2: 最大径が2を超えて4以下
  • T3: 最大径が4を超えて6以下
  • T4: 舌の周囲やあごの骨にまで広がっている
  • N0: 頸部リンパ節転移を認めない
  • N1: 3以下の頸部リンパ節転移を1個認める
  • N2~3: それ以上の広がりをもつ頸部リンパ節転移を認める
  • 病期I期:T1N0
  • 病期II期:T2N0
  • 病期III期:T3N0,T1~3N1
  • 病期IV期:T4N0~3,T1~3N2~3,M1(遠隔転移が認められる)
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治療法 anchor.png

舌がんの治療は、主に手術療法と放射線治療であり、切除の際にレーザーを用いる施設もあります。抗癌剤による化学療法もこれらの治療との組み合わせで行われることがあります。

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手術療法 anchor.png

手術で切除しなければならない範囲は、癌の大きさ、深さと位置によって決められてしまい、それによって術後の後遺症は大きく異なります。
舌部分切除術 癌が小さく浅い場合、舌の一部分を切除して癌の摘出を行います。切除範囲が小さければ、局所麻酔で、日帰り手術や数日の入院で可能です。
舌の奥の方や咽頭反射(舌を押さえるとゲーとなる反射)が強い場合は、全身麻酔下に手術を行います。 術後数日は、舌が腫れたり痛みを伴い、
食事の食べにくいことがありますが、その後はそのような症状は次第に消失してゆきます。舌の変形が多少残りますが、嚥下や構音などの機能障害はほとんど残りません。

味覚障害もありません。 舌半切除術 癌が舌のまん中近くまで根を広げている場合、癌のある側の舌を半分切除して癌の摘出を行います。
多くの場合、切除後の欠損部を種々の方法で再建することにより、術後の機能障害を最小限に抑えることが可能です。
手術後は縫合部が落ち着くまで、1~2週間は口から食事を取ることができないため、経鼻経管栄養(流動食)や点滴による栄養管理が必要になります。
舌の切除範囲が半分までであれば、嚥下や構音などの機能障害は日常生活に支障をきたさない程度です。味覚障害もありません。

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舌亜全摘出術 anchor.png

癌が舌のまん中まで進展してくると、癌のある側の舌を半分以上切除して癌の摘出を行わざるを得なくなります。
切除後の欠損部を種々の方法で再建しますが、残った舌の可動性により術後の機能障害は大きく異なります。
手術後は縫合部が落ち着くまで、2~4週間は口から食事を取ることができないため、経鼻経管栄養(流動食)や点滴による栄養管理が必要になります。
その後、嚥下練習を行いますが、口からの食事だけで十分な栄養が取れるようになるには1~2ヶ月かかる場合も少なくありません。 味覚障害はないものの、嚥下や構音機能の障害は避けられません。残っている舌がごくわずかしかない場合、上下の歯の間にはさまれた食物を内側からうまく支えることができなくなるため、
歯があっても十分な咀嚼ができず、軟らかい物しか食べられないこともあります。また、上手く飲み込めずに食物が喉頭から気管に誤嚥しやすい場合もあります。

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舌全摘出術 anchor.png

癌が舌のまん中を越えて反対側まで進展してくると、安全に残せる舌の部分がなくなってしまい舌を全部摘出せざるを得なくなることがあります。
切除後の欠損部を種々の方法で再建しますが、大きな機能障害が残ります。 手術後は縫合部が落ち着くまで、経鼻経管栄養(流動食)や点滴による栄養管理が必要になります。
その後、嚥下練習を行いますが、口からの食事だけで十分な栄養が取れるようになるには1~2ヶ月かかる場合も少なくありません。
味覚は残るものの、大きな嚥下・構音機能の障害が残ります。
歯があっても上下の歯の間にはさまれた食物を内側から支えることができないため咀嚼ができず、流動物を流し込むような食事になります。
また、上手く飲み込めずに喉頭から気管に誤嚥が続くような場合には、食道から気道を分離する目的で喉頭全摘が必要になることもあります。
この場合、発声機能も失うことになります。

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頸部郭清術 anchor.png

進行癌では、頸部リンパ節転移を伴っていることが多いため、リンパ節と周囲の組織を含めて摘出する頸部郭清術が同時に行われます。舌癌では小さな癌でも頸部リンパ節転移をきたすことがしばしばあり、転移が明らかでない場合にも頸部郭清術が行われる場合もあります。 術後の後遺症として、下口唇の動きが弱くなったり、肩こりのような頸部の違和感や腕を上げにくくなることがあります。

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放射線治療 anchor.png

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外照射 anchor.png

体の外から放射線を当てる治療です。
これのみで、舌癌の根治を目指すことはほとんどなく、手術との組み合わせで行われます。副作用を最小限に抑えるため、25~30回前後に分割して照射を行います。1回の照射に要する時間は数分です。通常、1日1回照射を行いますので、治療期間は約1ヶ月半かかりますが、
外来通院治療が可能です。

    • 副作用は、照射野(放射線の当たる範囲)により異なりますが、口腔内が照射野に入っている場合には、一時的な口内炎や味覚障害が生じます。
      通常は消炎鎮痛剤の内服により対応可能です。 後遺症として口腔乾燥感が残る場合があります。
      唾液の分泌障害による口内乾燥はう歯(虫歯)を誘発するため、歯科医によるデンタルケアーが望ましい場合もあります。
      下顎骨が照射野に含まれている場合には、不注意な抜歯による骨髄炎を避けるため、抜歯の際には注意が必要です。
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組織内照射 anchor.png

全身麻酔下に舌に細いチューブを刺して留置し、そこから放射線を当てる治療法です。
目的とする部分に集中的に放射線を当てることができるため、通常3~5日の照射で治療が終了しチューブを抜去します。チューブ留置中は嚥下ができないため、経鼻経管栄養(流動食)や点滴による栄養管理が必要になりますが、抜去後は口から食事ができるようになります。 嚥下や構音機能の障害はほとんど残りません。

味覚障害もほとんど回復します。 副作用として、口内炎が約1ヵ月後をぴ-くとして生じます。通常は消炎鎮痛剤の内服により対応可能ですが、
長期にわたり口内炎が続く場合もあります。稀に、難易性潰瘍が生じる場合もあります。
癌が下顎骨に近接している場合、細心の注意を払い行いますが、骨髄炎や骨壊死のリスクも稀にあります。

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罹患した著名人 anchor.png

  • 堀ちえみ 歌手、女優、タレント
    2019年2月、口腔がん(左舌扁平上皮がん)「ステージ4」と診断される。
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zonkushi   投稿日時 2010/11/3 8:17

舌癌手術から一年経過しました。最後の放射線照射から11か月。副作用の味覚障害は、未だに戻りません。個人差があるとはいえ、あまりにあんまりです。元にもどるのでしょうか。たまに、泣けてきます。
摂食障害で入院中に同部屋だった人は、全く味覚障害はなかったそうです。そのせいか、外来で会ったときとてもふっくらしてました。他の人と比べるのもおかしいのですが、『個人差』にもほどがあります。

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