ION 概要
特発性大腿骨頭壊死症(とくはつせいだいたいこっとうえししょう、Idiopathic Osteonecrosis of Femoral Head:ION)は、脚のつけ根にある股関節の大腿骨頭の骨組織が壊死に陥り、関節面が陥没したり変形したりする病気です。
なんらかの理由により大腿骨頭の血流が低下し、骨組織が死んで脆くなります。壊死の範囲が広いと、体重を支えることが出来ずに潰れてしまいます。
細菌感染は伴いません。男女比は5:4で少し男性に多く発症します。 難病(特定疾患)に指定されています。
症状
発生した時点では自覚症状はありません。大腿骨頭の圧潰が生じることにより、股関節部痛、腰痛、膝痛、殿部痛などの自覚症状が現れます。
大腿骨頭壊死症の発生から大腿骨頭の圧潰が生じるまでには数ヵ月から数年の時間が経過します。 多くの場合、股関節の可動域はあまり制限されません。
原因
原因はかなり解明されつつありますが、まだ十分にはわかっていません。 大量に飲酒される方や、副腎皮質ステロイドの大量全身投与を受けた方に多く発症しますが、それが直接的な原因とは考えられていません。
また、何の誘因もなく発症することもあります。
治療法
- 保存療法
壊死の大きさや位置から予後がよいと判断できる場合や症状が発症していない場合は保存療法が適応されます。
杖の使用が基本となり、体重維持、長距離歩行の制限、重量物の運搬禁止などの生活指導が行われます。疼痛に対しては鎮痛消炎剤が処方されます。 - 手術療法
自覚症状があり圧潰の進行が予想されるときは速やかに手術を行います。若年者においては骨切り術が第一選択となりますが、壊死範囲の大きい場合や骨頭圧潰が進んだ方、高齢者は人工物置換術が行われます。 - 内反骨切り術
転子部で内反させたときに壊死部が荷重部からはずれる場合に選択されます。
骨切りの形状に工夫をした転子間弯曲内反骨切り術では合併症が少ないとされています。 - 大腿骨頭回転骨切り術
大腿骨頚部軸を回転軸として大腿骨頭を前方あるいは後方に回転させることで壊死部を荷重部から外し、健常部を新しい荷重部とする方法です。また、同時に大腿骨頭を内反させることにより、寛骨臼荷重部に対する健常部の占める割合をさらに増やすことができます。 - 人工物置換術
圧潰した大腿骨頭を人工骨頭で置き換えたり、股関節全体を人工股関節で置換します。骨切り術に比べて早期から荷重が可能で、入院期間も短期間ですみます。 しかし、人工物自体に耐久性の問題があり、将来再置換術が必要になります。
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