体内に病原菌が入ってくると体に備わっている免疫機能は異物(抗原)に対して攻撃を加える抗体と呼ばれる物質をつくります。ところが、人によっては、自分の体の組織であるにもかかわらず異物と間違えてしまい、それに対する抗体をつくることがあります。その結果、自分の体の組織を攻撃されてしまう病気を自己免疫疾患といいます。
膠原病が代表的な自己免疫疾患で、関節リウマチもその一つです。リウマチ因子とは免疫グロブリンのIgGを攻撃する自己抗体です。関節リウマチの患者では、リウマチ因子(RF)が高率に陽性と出るので、関節リウマチ(RA)を診断する検査として、リウマチ因子(RF)を調べるRAテストが行われます。
結果が陽性であれば、体のどこかに免疫異常が起こっていることが考えられます。特に関節リウマチの診断に重要な検査です。但し、この検査で陽性になっても何ら病気のない人もいます。また、関節リウマチの患者でも20%の人は陰性と出ます。
陰性または基準値内であれば一応正常とされますが、関節リウマチであっても20%の人は陰性と出ます。関節リウマチは関節に現れる症状が重要な診断基準になりますから、症状があれば、関節のX検査、血沈、CRP、抗核抗体、補体価、貧血の検査などを行って診断を下します。
陽性あるいは基準値を超えていれば免疫異常が考えられ、関節リウマチや膠原病の可能性が高くなります。しかし、肝硬変、悪性腫瘍、感染症、稀に健康な人でも陽性に出ることがあります。
定量検査の数値の高い低いは、必ずしも病状の良し悪しを反映するわけではありません。むしろ数値の変化を見ることが大切で、著しい増加傾向を示したときには病気の活動性が高まっていたり、悪性関節リウマチであることもあります。
病気が改善されるとRF定数量も低下してくるので、経過観察や治療効果の判定にも利用されます。
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症(SSc)などの膠原病、肝硬変、慢性肝炎、感染症など。