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概要 anchor.png

膀胱がんは、膀胱の内側を覆っている粘膜上皮に発生します。
発生原因のひとつに化学物質、ある種の芳香族アミンがあげられています。

職業性膀胱癌ともいわれますが、多くは、このような化学物質にさらされることなく発生するので、内因性の因子が考えられています。

60歳代の男性に多く(女性の3~4倍)、腫瘍が内尿道口を閉塞したり、尿流を妨げたりして排尿障害が起こったり、時には尿が出なくなります。

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分類 anchor.png

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筋層非浸潤性がん anchor.png

膀胱筋層には浸潤していないがんです。表在性がんと上皮内がんがあります。

  • 表在性膀胱がんは、内腔に乳頭状に発育し、膀胱壁(筋層)へは浸潤していない。
  • 上皮内がんは、膀胱の内腔に突出せず、粘膜のみががん化した状態をいいます。
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筋層浸潤性がん anchor.png

浸潤性膀胱がんは膀胱の壁に浸潤し、 進行が早く、早期にリンパ節や肺、骨、肝臓に転移を起こしやすい。
特殊なものとして上皮内癌があるが、腫瘍の形態をとらず、 CTなどの画像では同定できない。

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症状 anchor.png

膀胱癌の顕著な症状である血尿は真っ赤な色のものでなく、コーヒーの残りかすのような色をしていることもあります。
痛みもなしに突然に現れます。1~数日で消え、その後、数ヶ月後に出る間欠性をもった特徴があります。
血尿が続くと膀胱の痛み、排尿時の痛みも出現します。

  • 肉眼的血尿
    肉眼的血尿は、最も頻度の高い膀胱がんの症状で、一般的に痛みなどを伴わない無症候性です。
    血のかたまりが出る場合もあります。しかし、血尿があるからといって、必ずしも膀胱がんをはじめとする尿路系のがんがあるとは限りません。
    数日経過すると血尿が止まるなど一過性の場合があります。
  • 膀胱刺激症状
    頻尿や尿意切迫感、排尿時痛や下腹部の痛みなどの膀胱刺激症状が現れる場合もあります。これらの症状は膀胱炎と非常に類似していますが、抗生物質を服用してもなかなか治らないことが特徴です。
  • 背部痛
    初発症状になることはまれですが、膀胱がんが広がり尿管口を閉塞するようになると尿の流れが妨げられ、尿管や腎盂が拡張してくることがあります。これを水腎症と呼んでいます。水腎症になると背中に鈍痛を感じることがあります。尿管結石でもこのような症状を呈することがあります。
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病期 anchor.png

いろいろの分類がありますが、TNM分類が広く用いられています。
T:局所でのがんの進展度、N:所属(骨盤内)リンパ節転移の有無と程度、M:他の臓器への転移の有無の3つに分けて病期を表します。

  • T:局所でのがんの進展度
    • Tis : 上皮内がん
    • Ta : がんが粘膜内に限局している。
    • T1 : がんが粘膜下に浸潤しているが、膀胱筋層へは及んでいない。
    • T2 : がんが膀胱筋層まで浸潤している。
    • T3 : がんが膀胱筋層を越え、周囲脂肪組織に浸潤している。
    • T4 : がんが前立腺、子宮、膣、骨盤壁、腹壁など周囲へ浸潤している。
  • N:所属(骨盤内)リンパ節転移の有無と程度
    • N0 : 所属リンパ節に転移はない。
    • N1 : 2cm以下の1個の所属リンパ節転移がある。
    • N2 : 2cmを超え5cm以下の1個の所属リンパ節転移、または5cm以下の所属リンパ節転移が複数個ある。
    • N3 : 5cmを超える所属リンパ節転移がある。
  • M:他の臓器への転移の有無
    • M0 : 他の臓器への転移はない。
    • M1 : 他の臓器への転移がある。
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治療法 anchor.png

癌が膀胱の内側の粘膜にとどまっている場合や、浸潤があっても粘膜の下にある筋層の表層だけにとどまっている場合には、膀胱鏡で完全に取り除くことができます。しかし、取り除いてもその後しばしば新たに癌が発生し、同じ場所にできることもありますが、多くは膀胱の別の部位に生じます。膀胱鏡で癌を完全に取り除いた後で、化学療法薬またはBCGを繰り返し膀胱に注入することにより、膀胱の内側の表面に限局された癌については再発を防ぐことができます。

筋層深部まで、あるいは膀胱壁を越えて広がった癌は、膀胱鏡で完全に取り除くことはできません。この場合には、膀胱の全体または一部を取り除く膀胱切除術を行います。癌を根治させる目的で、放射線療法や、放射線療法と化学療法を組み合わせた治療法も併用されます。

膀胱全体を取り除かなければならない場合は、尿を排出する手段が必要です。
通常は、腸管で形成された回腸ループという通路を経て、腹壁に設けた開口部(腹部ストーマ)から尿を排出させる方法を取ります。

尿は体の外に装着した集尿袋にたまります。 尿の経路を変える方法はこれ以外にもいくつか開発され、一部の患者で使用されています。

新しい方法は、排尿型代用膀胱形成術と自己導尿型代用膀胱形成術の2種類に分けられます。いずれも、尿をためる体内式りザーバーを腸管からつくります。

  • 排尿型代用膀胱形成術
    リザーバーを尿道につなぎます。患者は、骨盤の筋肉をゆるめて腹圧をかけることによってリザーバーを空にするやり方を練習します。
    この方法により、尿は自然に尿道を通過するようになります。
  • 自己導尿型代用膀胱形成術
    腹壁に設けたストーマにリザーバーをつなぎます。
    尿はこのリザーバーにたまり、患者自身がカテーテルをストーマからリザーバーに入れて尿を排出するため、集尿袋はいりません。
    患者はこれを1日に数回、定期的に行ってリザーバーを空にします。
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化学療法 anchor.png

膀胱からリンパ節や他の臓器に転移した癌には、複数の薬を組み合わせて用いる併用療法が有効で、特に転移がリンパ節に限られている場合によく用いられます。
膀胱切除や放射線療法は化学療法が効く患者に対して行われますが、治癒する患者数は比較的少数です。

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罹患した著名人 anchor.png

  • 小倉智昭 フリーアナウンサー
    2018年 膀胱の全摘手術を受ける。
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希美   投稿日時 2018/12/5 12:20 | 最終変更

小倉智昭さん、手術がうまくいって何よりです。
リハビリは大変だと思いますが、元気になってまたテレビに復帰してほしいです。

お気軽に投稿してください。一言でもどうぞ。病気の治療、薬の副作用のことなど。

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