シアル化糖鎖抗原KL-6
KLの名前の由来は肺癌を意味するドイツ語のKrebs von den Lungenです。1985年に広島大学の教授 河野修興らによりヒト肺腺癌由来細胞株 (VMRC-LCR) をマウスに免疫する事で数種類のモノクローナル抗体が作成され、このモノクローナル抗体のひとつを息者血清と反応させたところ、間質性肺炎に特異性が高いことや間質性肺炎の活動期に高くなることが報告されました。シアル化糖鎖抗原KL-6はその6番目の抗体によって同定された抗原です。
- 健常人基準範囲
105~401U/ml
- 基準値
500U/ml以下
何がわかるのか
KL-6は、間質性肺炎と他疾患との鑑別、間質性肺炎の病勢把握(活動性と非活動性の鑑別)、間質性肺炎の治療経過観察に有用な指標と考えられています。
間質性肺炎 では、II型肺胞上皮細胞が過形成されるのでKL-6濃度も上昇します。更に基底膜の傷害によって血管透過性も亢進し、血中にKL-6が出やすくなります。
そこで血中のKL-6の濃度を観察することで、肺胞の状態を観察できると推測されています。
どのような検査か
血清または血漿(ヘパリン血漿、EDTA血漿、クエン酸血漿、NaF-EDTA血漿)を使用します。
検査を受ける時の注意
特にありません。
検査結果の判定