血友病は、生まれつき血液凝固因子(血液を固めるタンパク質)が少ないため、血液が固まりにくい病気[2]です。
基本的に男性が発症する病気[2]です。
血友病Aと血友病Bでは、大きな症状の違いはありません。どちらも、出血した時に血が止まりにくい・固まりにくい病気[2]です。
問題となるのは、血液が凝固しにくいため、二次止血が困難となることです。そのため、小さな傷や打撲でも大出血に繋がり、生命の危険が生じます。また、関節内や筋肉内など、体の深部の出血も多いことが特徴です。
後天性血友病でも出血が主な症状となります。強い衝撃を受けた覚えがないにも関わらず広範囲にあざがみられたり、血尿が出たり、手足の広範囲に赤黒い腫れがみられたりします。(筋肉や関節の出血によるものです。)
血友病の原因は、遺伝によるものが70%、突然変異で発症するものが30%です。
伴性劣性遺伝(X連鎖劣性遺伝)とよばれる遺伝形式で発症します。
人間の性染色体は、男性(XY)女性(XX)に分かれます。X連鎖劣性遺伝は、X染色体の異常により発症します。
女性は、X染色体のひとつに血友病遺伝子を受け継いでも、通常は片方のX染色体は正常です。片方のX染色体が正常の場合、発症はしません。このような女性を保因者(キャリア)とよびます。
男性は、X染色体が1本しかないため、血友病遺伝子を受け継ぐと必ず発症します。
母親が血友病の保因者の場合、その母親から生まれた男児は50%の確率で血友病を発症します。また、女児は50%の確率で保因者になります。
基本的に男性が発症する病気[2]です。稀に、血友病の父親と、血友病保因者の母親から生まれた女児が、血友病を発症することがあります。
血液内科
正常な場合の因子活性を100%とし、40%未満であれば血友病と診断します。
血液凝固第VIII因子、第IX因子活性のレベルがどの程度かによって血友病の重症度が分類されます。
血友病重症度 | |
血液凝固第VIII因子活性または第IX因子活性 | 重症度 |
5%以上40%未満 | 軽傷 |
1%以上5%未満 | 中等症 |
1%未満 | 重症 |
凝固因子製剤が用いられています。
献血された血漿(血液の成分)を原料にした製剤です。加熱処理や、紫外線照射など、各種の加熱処理を組み合わせており、高い安全性が保証されています。
多くは国内の赤十字血液センターで献血された血漿を原料としていますが、輸入製材(ファイバ)も使用されています。
代表的な製品に、クロスエイトMC、クリスマシンM、バイクロットなどがあります。
人間の血液を一切使わずにつくられた製剤です。遺伝子組み換え技術により、他生物の細胞から血液凝固因子を作り出します。国内では1993年から一般化されています。
代表的な製品にノボエイト、イロクテイト、オルプロリクス、ベネフィクスなどがあります。
凝固因子製剤を投与することで、欠乏している血液凝固因子を補充し、出血の予防・出血時の止血を行います。
定期的に血液凝固因子を補充する定期補充療法を行います。この治療は週に2~3回程度で、点滴を行うことで出血を予防することができます。家庭内で自己注射で行うことが可能です。
出血するリスクの高い時に、事前に点滴を行うことで、出血のリスクを回避する治療法です。主に、体育の授業、スポーツ、旅行などのイベントの前に行います。
出血したあとに、止血のために凝固因子製剤を投与する治療です。定期補充療法が普及するまでは、最も多く行われてきた治療法です。
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