悪性リンパ腫は、白血球の中のリンパ球が悪性化した癌で、全身のリンパ節が腫れたり、腫瘤ができたりします。
この悪性リンパ腫には、大きく分けてホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫があります。ホジキンリンパ腫は、基本的にリードーシュテルンベルグ細胞やホジキン細胞など、特徴的な大型細胞が認められることで診断されます。
悪性リンパ腫は、国内では、年間10万人あたり7~8人に発生しますが、そのうちホジキンリンパ腫は約10%程度を占めます。
リンパ節の腫れや腫瘤が生じます。最も多い病変部位は頸部リンパ節です。その他、縦隔(じゅうかく)リンパ節、腋の下のリンパ節、腹部大動脈領域のリンパ節、脾臓(ひぞう)等に起こります。
リンパ節の腫れは、痛みを伴わないことが多く、ごむまりのような硬いしこりを触れます。 がん細胞の増殖部位によっては、これ以外の症状が現れることもあり、たとえば胸のリンパ節が腫れた場合は、気道の一部が圧迫により狭くなり刺激されるため、せき、胸部の不快感、息切れなどの症状が出ます。脾臓や腹部のりんぱ節が腫れた場合は、腹部に不快感が生じます。その他、発熱、体重減少、寝汗等がありますが、ホジキンリンパ腫に特有の症状ではありません。
ペルーエプスタイン型発熱といって、高熱期と無熱期を繰り返すこともあります。また、痒みを伴う皮疹(ひしん)が現れます。
古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の間では、若干、治療反応性や予後が異なるといわれています。結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫は、早期で発見されることが多く、病気の勢いも比較的ゆっくりしている傾向にあります。
古典的ホジキンリンパ腫の4つの病型では、リンパ球減少型の予後が若干不良であるという報告がありますが、これらの古典的ホジキンリンパ腫の病型の間での治療反応性や予後について、大きな差はないとされています。