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2: 2015-06-20 (土) 14:40:47 seria ソース 3: 2015-07-24 (金) 17:25:22 seria ソース
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この髄鞘が壊れて中の電線がむき出しになる病気が脱髄疾患です。この脱髄が斑状にあちこちにでき(脱髄斑)、病気が再発を繰り返すのが多発性硬化症(MS)です。 この髄鞘が壊れて中の電線がむき出しになる病気が脱髄疾患です。この脱髄が斑状にあちこちにでき(脱髄斑)、病気が再発を繰り返すのが多発性硬化症(MS)です。
MSというのは英語のmultiple sclerosisの頭文字をとったものです。 MSというのは英語のmultiple sclerosisの頭文字をとったものです。
 +
 +
 +一方、主として視神経と脊髄に由来する症候を呈する患者の中には視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO)の病態を有する患者が含まれています。
 +NMO は、視神経と脊髄を比較的短期間に強い炎症を起こします。
**症状 [#k1babd82] **症状 [#k1babd82]
Line 50: Line 54:
**診断 [#gff83910] **診断 [#gff83910]
 +<診断基準>
 +多発性硬化症/視神経脊髄炎
 +
 +***多発性硬化症 MS (Multiple Sclerosis) [#ae8dd44a]
 +中枢神経内に時間的空間的に病変が多発する炎症性脱髄疾患である。
 +
 +****A) 再発寛解型 MS の診断 [#efef7966]
 +下記の1)あるいは2)を満たすこととする。
 +
 +1)中枢神経内の炎症性脱髄に起因すると考えられる臨床的発作が 2 回以上あり、かつ客観的臨床的証拠がある 2 個以上の病変を有する。ただし客観的臨床的証拠とは、医師の神経学的診察による確認、過去の視力障 害の訴えのある患者における視覚誘発電位(VEP)による確認、あるいは過去の神経症状を訴える患者における対応部位での MRI による脱髄所見の確認である。
 +
 +2)中枢神経内の炎症性脱髄に起因すると考えられ、客観的臨床的証拠のある臨床的発作が少なくとも 1 回あり、さらに中枢神経病変の時間的空間的な多発が臨床症候、あるいは以下に定義される MRI 所見により証明さ れる。
 +
 +-MRI による空間的多発の証明
 +4 つの MS に典型的な中枢神経領域(脳室周囲、皮質直下、テント下、脊髄)のうち少なくとも 2 つの領域に T2 病変が 1 個以上ある(造影病変である必要はない。脳幹あるいは脊髄症候を呈する患者では、 それらの症候の責任病巣は除外する)
 +
 +-MRI による時間的多発の証明
 +無症候性のガドリニウム造影病変と無症候性の非造影病変が同時に存在する(いつの時点でもよい)。 あるいは基準となる時点の MRI に比べてその後(いつの時点でもよい)に新たに出現した症候性また は無症侯性の T2 病変及び/あるいはガドリニウム造影病変がある。
 +
 +発作(再発、増悪)とは、中枢神経の急性炎症性脱髄イベントに典型的な患者の症候(現在の症候あるいは 1 回は病歴上の症候でもよい)であり、24 時間以上持続し、発熱や感染症がない時期にもみられることが必要である。
 +
 +突発性症候は、24 時間以上にわたって繰り返すものでなければならない。独立した再発と認定するには、1 ヵ月以上の間隔があることが必要である。 ただし診断には、他の疾患の除外が重要である。特に小児の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が疑われる場合 には上記 2)は適用しない。
 +
 +****B) 一次性進行型 MS の診断 [#ee9aac38]
 +1 年間の病状の進行(過去あるいは前向きの観察で判断する)及び以下の 3 つの基準のうち 2 つ以上を満たす。
 +
 +1)と 2)の MRI 所見は造影病変である必要はない。脳幹あるいは脊 髄症候を呈する患者では、それらの症候の責任病巣は除外する。
 +
 +1)脳に空間的多発の証拠がある(MS に特徴的な脳室周囲、皮質直下、あるいはテント下に 1 個以上の T2 病変 がある)
 +2)脊髄に空間的多発の証拠がある(脊髄に 2 個以上の T2 病変がある)
 +3)髄液の異常所見(等電点電気泳動法によるオリゴクローナルバンド及び/あるいは IgG インデックスの上昇) ただし、他の疾患の厳格な鑑別が必要である。
 +
 +****C) 二次性進行型 MS の診断 [#u2501c86]
 +再発寛解型としてある期間経過した後に、明らかな再発がないにもかかわらず病状が徐々に進行する。
 +
 +***視神経脊髄炎 NMO (Neuromyelitis Optica) [#o9a75587]
 +Devic 病とも呼ばれ、重症の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする。視神経炎は失明することもまれではなく、 視交叉病変により両眼性視覚障害を起こすこともある。また脊髄炎は MRI 矢状断ではしばしば 3 椎体以上に及ぶ長い病変を呈し、軸位断では慢性期には脊髄の中央部に位置することが多い。アクアポリン 4 抗体(AQP4 抗 体)は NMO に特異的な自己抗体であり、半数以上の症例で陽性である。
 +
 +NMO の診断基準として 2006 年の Wingerchuk らの基準が広く用いられている
 +
 + Definite NMO の診断基準(Wingerchuk ら, 2006) 視神経炎
 +
 +急性脊髄炎
 +3 つの支持基準のうち少なくとも 2 つ
 +
 +1. 3 椎体以上に及ぶ連続的な脊髄 MRI 病変
 +2. MS のための脳 MRI の基準(*)を満たさない
 +3. NMO-IgG(AQP4 抗体)陽性
 +
 +-脳 MRI 基準は Paty の基準(4 個以上の病変、あるいは 3 個の病変がありそのうち 1 個は脳室周囲にある)とする
 +
 +AQP4 抗体陽性で急性炎症性中枢性病変をともなう場合は、他の疾患が除外されれば、NMO の範疇(NMO Spectrum Disorders, NMOSD)に加える。NMO ではオリ ゴクローナル IgG バンドはしばしば陰性である。 NMO の再発の定義は MS に準ずる。
 +
 +***Balo 病(バロー同心円硬化症) [#nc512523]
 +病理または MRI にて同心円状病巣が確認できるものをいう。
 +
**病期 ステージ [#bca0f5ef] **病期 ステージ [#bca0f5ef]
**合併症 [#h3e0b85f] **合併症 [#h3e0b85f]
Line 68: Line 128:
排尿障害に効果があります。 排尿障害に効果があります。
--点滴静注製剤ナタリズマブ(一般名:タイサブリ)モノクロール抗体+-タイサブリ点滴静注(一般名:ナタリズマブ(遺伝子組換え))モノクロール抗体
MSに関連があるとされるリンパ球が脳に入らないようにブロックする作用があると考えられています。 MSに関連があるとされるリンパ球が脳に入らないようにブロックする作用があると考えられています。

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