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1: 2012-11-20 (火) 21:53:56 seria ソース 現: 2019-12-07 (土) 15:23:12 kondo ソース
Line 13: Line 13:
**原因 [#h9e5333e] **原因 [#h9e5333e]
 +原因は不明ですが、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が、卵管を逆走して卵巣や腹部臓器に達して増殖するという説が最も有力視されています。
 +
**診療科 [#t38aab9b] **診療科 [#t38aab9b]
婦人科 婦人科
Line 22: Line 24:
-CT -CT
超音波エコーと差はない。全体像を見やすい。 超音波エコーと差はない。全体像を見やすい。
--MRI+-MRI検査
卵巣のチョコレート嚢胞は、T1、T2強調画像双方で高光度を示します。 卵巣のチョコレート嚢胞は、T1、T2強調画像双方で高光度を示します。
-腫瘍マーカー -腫瘍マーカー
Line 50: Line 52:
**合併症 [#g5d5776c] **合併症 [#g5d5776c]
20~70%の割合で不妊症になります。 20~70%の割合で不妊症になります。
 +子宮筋腫と子宮腺筋症が合併することもあります。
-**処方される薬 [#b23a2200]+**[#b23a2200]
***消炎鎮痛剤 [#t5a28bf4] ***消炎鎮痛剤 [#t5a28bf4]
--ボルタレン錠、ボルタレンSRカプセル、ソファリン錠、ドセル錠、ナボールSRカプセル(一般名:ジクロフェナク ナトリウム) 
炎症を鎮めて、腫れや発赤、痛みなどの症状をおさえます。熱を下げる効果があります。 炎症を鎮めて、腫れや発赤、痛みなどの症状をおさえます。熱を下げる効果があります。
 +-ボルタレン錠(一般名:ジクロフェナクナトリウム)
 +-ボルタレンSRカプセル(一般名:ジクロフェナクナトリウム)
 +-ナボールSRカプセル(一般名:ジクロフェナク ナトリウム)
 +
--副作用 --副作用
胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、口内炎、発疹、じんま疹、むくみ、肝臓や腎臓の働き低下 胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、口内炎、発疹、じんま疹、むくみ、肝臓や腎臓の働き低下
**治療法 [#idb1178f] **治療法 [#idb1178f]
-大まかに分けて待機療法、薬物療法、外科療法の3種の治療法がある。+大まかに分けて待機療法、薬物療法、外科療法、マイクロ波照射 の4種の治療法がある。
***待機療法 [#r5f714a4] ***待機療法 [#r5f714a4]
Line 68: Line 74:
***薬物療法 [#x8047a31] ***薬物療法 [#x8047a31]
子宮内膜はホルモンの影響を受けるため、ホルモン療法が基本です。 子宮内膜はホルモンの影響を受けるため、ホルモン療法が基本です。
--プロスタグランジン合成阻害剤+****プロスタグランジン合成阻害剤 [#i2ecca26]
子宮内膜症の疼痛は局所的なプロスタグランジン濃度の変化が考えられているため。長期の低エストロゲン療法を避けたい就学中の学生や不妊患者が主な対象。 子宮内膜症の疼痛は局所的なプロスタグランジン濃度の変化が考えられているため。長期の低エストロゲン療法を避けたい就学中の学生や不妊患者が主な対象。
--ゲスターゲン療法+****ゲスターゲン療法 [#t4a6225f]
エストロゲン+プロゲステロン剤を投与する偽妊娠療法。いわゆるピルが用いられる。但し保健適応を受けた製剤は一種類(ルナベル配合錠:販売-日本新薬)だけで、それ以外の製剤は自由診療(全額自己負担)となる。 エストロゲン+プロゲステロン剤を投与する偽妊娠療法。いわゆるピルが用いられる。但し保健適応を受けた製剤は一種類(ルナベル配合錠:販売-日本新薬)だけで、それ以外の製剤は自由診療(全額自己負担)となる。
--低エストロゲン療法+****低エストロゲン療法 [#eb32f9e9]
効果がありますが、同時に更年期障害様症状や体重増加、にきび、多毛などの美容上の副作用があります。 効果がありますが、同時に更年期障害様症状や体重増加、にきび、多毛などの美容上の副作用があります。
また、長期間にわたって使用する場合は、低エストロゲン状態により骨量の低下が起こるため骨粗鬆症のおそれがあります。特に虚血性心疾患のおそれがある人は注意が必要です。 また、長期間にわたって使用する場合は、低エストロゲン状態により骨量の低下が起こるため骨粗鬆症のおそれがあります。特に虚血性心疾患のおそれがある人は注意が必要です。
---ダナゾール療法+*****ダナゾール療法 [#e82694c7]
ダナゾールはテストステロン誘導体であるためアンドロゲン作用を持ち、抗エストロゲン作用と免疫系双方に作用します。 ダナゾールはテストステロン誘導体であるためアンドロゲン作用を持ち、抗エストロゲン作用と免疫系双方に作用します。
---GnRHアナログ療法+-ボンゾール錠(一般名:ダナゾール) 
 + 
 +*****GnRHアナログ療法 [#e1cedd65]
下垂体のGnRHに対する感受性を低下させ、ゴナドトロピンの産生、分泌を抑制することでエストロゲンの分泌を低下させます。 下垂体のGnRHに対する感受性を低下させ、ゴナドトロピンの産生、分泌を抑制することでエストロゲンの分泌を低下させます。
 +-スプレキュア点鼻液 (一般名:ブセレリン)
 +-ナサニール点鼻液(一般名:ナファレリン)
 +-リュープリン注射用(一般名:リュープロレリン)
 +-ゾラデックスデポ(一般名:ゴセレリン酢酸塩キット)注射剤
***外科療法 [#we861ecb] ***外科療法 [#we861ecb]
--腹腔鏡下手術+****腹腔鏡下手術 [#rd881bce]
ブルーベリー・スポットの焼灼、癒着の剥離、卵巣嚢腫の摘出や固定のほか疼痛に対して仙骨子宮靭帯切断術などを施行する手術。 ブルーベリー・スポットの焼灼、癒着の剥離、卵巣嚢腫の摘出や固定のほか疼痛に対して仙骨子宮靭帯切断術などを施行する手術。
--卵巣チョコレート嚢胞アルコール固定術+****卵巣チョコレート嚢胞アルコール固定術 [#u031d958]
嚢胞内容を吸引後生理食塩水で洗浄し、100%エタノールを注入して固定する。これを繰り返す手術。 嚢胞内容を吸引後生理食塩水で洗浄し、100%エタノールを注入して固定する。これを繰り返す手術。
--卵巣チョコレート嚢胞摘出術 +****卵巣チョコレート嚢胞摘出術 [#b05ff84f] 
--根治手術+****根治手術 [#k26fd44e]
異所性子宮内膜を切除するとともに、子宮全摘出術と付属器切除術を施行する手術。治療の対象は40歳以上で出産希望がない重症例に限られます。 異所性子宮内膜を切除するとともに、子宮全摘出術と付属器切除術を施行する手術。治療の対象は40歳以上で出産希望がない重症例に限られます。
 +***マイクロ波照射 [#z7cd5c03]
 +-マイクロ波とは
 +周波数1~30GHz(波長30~1cm)の範囲の電磁波はマイクロ波と呼ばれています。
 +電磁波は電場と磁場の相互作用によって発生する空中(真空中も)を伝わる波動です。電磁波は周波数の違いによって、ラジオ波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、ガンマ線などさまざまに名前が付けられています。
 +マイクロ波は直進性、反射屈折性など光に近い性質を示すためレーダーや通信に広く使われています。また、水などの誘電物質にマイクロ波が照射されると効率よく熱が発生します。この現象は電子レンジ(マイクロ波オーブン)に応用されています。生体組織も水を多く含むためマイクロ波を照射されると発熱します。
 +
 +****マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA) [#ddcb1a3e]
 +
 +MEAは、子宮内からマイクロ波を子宮内膜へ照射して壊死させる治療法で、術後は出血量が激減します。
 +MEAは子宮摘出術の代替治療法として、体に負担をかけずに、数分から数十分で安全に実施できる治療法です。
 +
 +閉経までの5~10年の期間を、外科的治療を回避したいために十分満足できない状態で我慢している患者さんが、MEAによって過多月経を治療できます。
 +なお、妊娠を望む方には適応できません。
 +
 +-マイクロ波アプリケーター
 +マイクロ波アプリケーターの直径は4mmで子宮の中までスムーズに挿入可能な形状です。
 +マイクロ波はアプリケーターの先端周囲の組織を加熱します。子宮腔の内面をすべて覆うようにマイクロ波を照射できたら終了です。
 +
 +*****マイクロ波子宮内膜アブレーションの適応(治療の対象となる条件) [#e410e6a3]
 +-子宮筋腫・子宮腺筋症による過多月経で、子宮は拡大・変形しているが子宮卵管角部・子宮底部の子宮内膜にマイクロ波アプリケーターが容易に到達できる場合
 +-機能性過多月経
 +-血液凝固不全などの全身疾患に原因する過多月経
 +-今後、妊娠・出産を希望しない
 +
 + 以下の患者さんは適応されません。
 +--妊娠を希望される場合
 +--子宮筋腫・子宮筋腺症による拡大・変形を伴い、子宮卵管角部・子宮底部の子宮内膜にマイクロ波アプリケーターが容易に到達できない場合
 +--異型子宮内膜増殖症の場合
 +--子宮内膜癌の場合
 +--子宮壁の厚みが10mm以下の場合
 +
 +
 +**罹患した著名人 [#ma0d04b2]
 +-松浦亜弥 歌手、タレント
 +-大黒摩季 シンガーソングライター
 +-平松 愛理 シンガーソングライター、作詞家、作曲家

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