LDHはブドウ糖を燃焼させるときに働く酵素で、全身の細胞に存在します。特に肝臓、腎臓、心筋、骨格筋、赤血球、がん細胞に多く含まれ、これらの臓器に障害があると血液中に増加します。
急性肝炎[3]、肝臓がん[4]、特に転移性肝がん[4]、あるいは心筋梗塞[5]のときに血液中に著しく増加します。その他、慢性肝炎、肝硬変などの肝臓病、腎不全、悪性貧血[6]などの血液病、筋ジストロフィーなどの骨格筋の病気[7]、間質性肺炎[8]、さまざまな臓器のがんなど多くの病気[7]で血液中に増加するので、それらの病気[7]を発見するスクリーニング(ふるい分け)検査として行われます。
LDHには、五つの異なったタイプがあり、それぞれ存在する臓器が違いますから、そのタイプを調べるLDHアイソザイム検査を行えば、どの臓器に異常があるか分ります。
血液を採取して、遠心分離したあと分析器で測定します。
激しい運動をすると上昇することがあるので、検査前日と当日は運動を控えます。食事は検査当日も摂ってかまいません。
4~5倍の高値を示す場合には、急性肝炎[3]や心筋梗塞[5]、肝臓がん[4]が疑われ、高値でも軽度の場合は全身のいろいろな病気[7]が考えられます。但し、この検査だけで病気[7]を診断することはできませんから現れた症状やアイソザイム検査、その他の検査と合わせて診断します。
LDHには、LDH1からLDH5まで5種類のアイソザイム(分子構造が違うが同じ働きをする酵素群)があります。LDH1とLDH2は主に心臓、腎臓、赤血球に、LDH3は主に膵臓やがん組織に多く、LDH4とLDH5は骨格筋や肝臓に多いなど、どのアイソザイムが多いかを調べれば、異常のある臓器や病気[7]が推測できます。
病名 \ LDHタイプ | LDH活性 | LDH1 | LDH2 | LDH3 | LDH4 | LDH5 |
心筋梗塞[5] | 中程度の上昇 | 〇 | 〇 | - | - | - |
巨赤芽球性貧血[6] | 極度の上昇 | 〇 | 〇 | - | - | - |
溶血性貧血[6] | やや上昇 | 〇 | 〇 | - | - | - |
筋ジストロフィー | やや上昇ないし不変 | 〇 | 〇 | - | - | - |
クッシング症候群[14] | やや上昇 | 〇 | 〇 | - | - | - |
甲状腺機能低下症[15] | やや上昇 | 〇 | 〇 | - | - | - |
白血病[16] | 中程度の上昇 | - | 〇 | 〇 | - | - |
リンパ腫 | 中程度の上昇 | - | 〇 | 〇 | - | - |
膵炎 | やや上昇 | - | 〇 | 〇 | - | - |
進行がん | 高度の上昇 | - | 〇 | 〇 | - | - |
肺梗塞 | やや上昇 | - | - | - | 〇 | 〇 |
うっ血性心不全 | やや上昇 | - | - | - | 〇 | 〇 |
ウイルス性肝炎 | 中程度の上昇 | - | - | - | 〇 | 〇 |
中毒性肝炎 | やや上昇 | - | - | - | 〇 | 〇 |
肝硬変 | やや上昇 | - | - | - | 〇 | 〇 |
尿毒症 | やや上昇 | - | - | - | 〇 | 〇 |
多発性筋炎 | やや上昇 | - | - | - | 〇 | 〇 |
(This host) = https://www.joy-mix.com