血液の血球成分は骨髄でつくられています。骨髄はカルシウムなどでできた骨の中心部の空洞(髄腔)を満たしている赤いどろどろした組織です。骨髄を針を刺して採取することを骨髄穿刺といい、その組織を調べる検査を骨髄像検査あるいは骨髄検査といいます。
骨髄でつくられる血球のもとは1種類の細胞(全能性幹細胞[3])です。それがそれぞれの血球に分化していって、さらに成熟して血液中に送り出され、赤血球、白血球、血小板になります。
骨髄の中には、まだ分化していない細胞や未成熟な細胞しかありませんから、これを採取して血管の中の血液と比較すると、造血機能や血球の成熟度が分り、血液病の診断に重要な情報を提供してくれます。他にも骨髄内に生じたがんやがんの骨転移の診断にも役立ちます。
胸の正面にある胸骨、あるいは腰の横にある腸骨からとる方法があります。
採取する場所を局所麻酔して、骨に穴をあけ、そこに注射針を刺して骨髄を採取します。採取した骨髄液を染色し、顕微鏡で調べます。
採取に約20分かかります。かなり痛みのある検査です。採取後、20~30分、完全に止血するまで安静にしています。腸骨から採取する場合は、通院でも出来ますが、胸骨から採取する場合、多くは入院が必要です。
血液検査の結果と比較して血球のでき方、成熟、血液中への放出などをみて、血液病の診断材料にします。がんの場合にはがん細胞を見つけます。
悪性貧血[9]、再生不良性貧血[10]、白血病[11]、骨髄種、がんの骨転移、血小板減少性紫斑病など。
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