溶血性尿毒症症候群[2](HUS:hemolytic-uremic syndrome)は、微小血管症性溶血性貧血[3]、血小板減少、急性腎障害を3徴候とする、5歳未満の小児に多く見られる疾患である。
HUS の約 90%は下痢を伴い、O157等の病原性大腸菌に感染することで発症する。一方で、病原性大腸菌感染によらない HUS が約 10%存在する。
それらは血栓性微小血管症(TMA:thrombotic microangiopathy)から病原性大腸菌感染による HUS、ADAMTS13 活性低下による血栓性血小板減少性紫斑病[4](TTP:thrombotic thrombocytopenic purpura)、薬剤・移植などによる2次性 TMA を除外したものとして、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS )と呼ばれている。
主な症状は、血小板数[6]の減少による出血斑(紫斑)などの出血症状や溶血性貧血[3]による全身倦怠感、息切れなどである。
また、高度の腎不全によって浮腫、乏尿が現れる場合がある。
時に、発熱や精神神経症状などが現れる場合がある。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は、血栓性微小血管症(TMA)を来す多彩な疾患を含み、そのうちの一部が補体活性化制御因子の遺伝子異常によることと考えられている。
また、最近では血管内皮細胞[8]上で抗血栓作用を
持つトロンボモジュリン(TM)の遺伝子異常も原因の 1 つと考えられている。
診断基準 病因分類における補体制御異常によるもののうち、Definite、Probable を対象とする。
Definite
三主徴がそろい、志賀毒素に関連するものでないこと。 血栓性血小板減少性紫斑病[4]でないこと。
Probable
急性腎障害(AKI) 、微小血管症性溶血性貧血[3]、血小板減少の3項目のうち2項目を呈し、かつ志賀毒素に関連するものでも、血栓性血小板減少性紫斑病[4]でもないこと。
血漿交換や血漿輸注などの血漿療法がある。
補体活性化制御因子の異常によるものに対しては、ヒト化抗 C5 モノクローナル抗体が有効である。
エクリズマブによりC5という補体成分を抑制する治療
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