子宮頸がん(Cervical cancer)は、子宮頸部と呼ばれる子宮の出口より発生する癌です。ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によって発症する性行為感染症です。
子宮頸部扁平上皮癌は、ヒトパピローマウイルス (HPV) というウイルス感染が原因とされています。HPVは、皮膚感染型と粘膜感染型の2種類に大別されます。子宮頸がんは、粘膜感染型HPVの中でも性交渉によって感染する高リスク型HPVに長期間感染することによって発生します。
多くの場合は、HPVに感染しても免疫力によってHPVが体内から消失します。HPVが持続感染化すると、その一部で子宮頸部の細胞に異形成を生じ、さらに平均で10年以上経過後、ごく一部が異形成から子宮頸癌に進行します。
子宮頸部から採取した細胞を色素で染色し、異常細胞がないか顕微鏡で観察し、子宮頸がんを疑うような異常細胞がないか判定する検査です。検査結果は日母分類と呼ばれるクラス分類により判定されます。
日母分類
HPV検査は子宮頸癌の原因である高リスク型 HPV 感染の有無を判定する検査です。子宮頸部から採取した細胞を用い、HPV感染を判定する検査法です。30歳以上では10%がHPV陽性と判定されます。HPV検査による癌または前癌病変の発見率は約95%とされており、細胞診とHPV検査を併用した場合の発見率はほぼ100%とされています。
検診の結果が、細胞診クラスIIIa以上またはHPVに持続感染している場合、精密検査を実施し最終的な診断を確定します。
FIGO分類とTNM分類の2種類がある。
FIGO分類
子宮頸がんには、外科療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法の3つの治療法があります。
子宮頸がん予防ワクチンを接種することで、ヒトパピローマウイルスの感染を予防することが挙げられます。また、子宮頸がん検診を定期的に受けることで、がんになる過程の異常(異形成)や早期のがんを発見し、経過観察や負担の少ない治療につなげることができます。
稀に重い副作用の報告があります。