概要
網膜の下の脈絡膜から血管が上に伸びてきて、網膜の下や上に出血したり、むくみをおこして視界の中心部が見づらくなる、黄斑に異常が生じる眼の病気です。
失明につながる病気で、加齢(老化)が主な原因です。症状はゆがんで見える程度から、中心が全く見えなくなる重症のこともあります。
分類
滲出 型(ウエット型)- 網膜の外側から異常な血管「新生血管」ができ、網膜に浮腫(むくみ)や出血を起こし、急激に視力が低下する。
- 早期から症状がでる
- 失明する人の大半がこのタイプで、日本人に多い。
- 萎縮型(ドライ型)
- 黄斑が萎縮する。
- 進行が遅く、ゆっくり視力が低下する。
- 欧米人に多く、日本人に少ない。
原因
- 環境原因
- 喫煙
- 偏った食生活 (野菜、果物など抗酸化作用のある食物の不足、脂肪の過剰摂取)
- 紫外線
- 運動不足、肥満
- 経年的原因
- 年齢
- 白内障手術
- 遺伝的原因
- 遺伝/家系
- 女性
- 人種(白人)
- 虹彩の色が明るい
検査
眼底の検査
- 細隙灯顕微鏡
眼底に細くて強い光を当て、網膜の病気の部分を拡大して調べます。滲出型加齢黄斑変性症の場合、滲出液、出血、網膜のむくみなどの症状が見つかります。 - 眼底写真撮影
眼底カメラにより、眼底のカラー写真を撮影します。散瞳薬を用いる場合と、暗い部屋での自然散瞳を利用する場合があります。
- 光干渉断層計(OCT)による検査
網膜の断面の状態を詳しく調べます。滲出型加齢黄斑変性症の場合、網膜剥離(網膜がうき上がる)、網膜のむくみ、新生血管(異常な血管)などが見つかります。 - 蛍光眼底造影検査
蛍光色素を含んだ造影剤を腕(静脈)から注射し、眼底カメラで眼底の血管の異常を検査します。
新生血管(異常な血管)や、新生血管からもれた血液がどこにあるのかがわかります。
薬
- ビスダイン静注用(一般名:ベルテポルフィン)
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症に効果がある。 - ルセンティス硝子体内注射用キット(一般名:ラニビズマブ(遺伝子組換え))
治療法
抗血管新生薬療法
新生血管の成長を活性化させる物質の働きを薬で抑える。
「ルセンティス」という薬を眼に注射する。
新生血管の成長を活性化する物質として身体の中にある、VEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑える。
視力が改善する。
光線力学的療法(PDT)
新生血管を退縮させる。
光に反応する薬剤(ビスダイン)を静脈に注射した後、弱いレーザーを照射することでビスダインを活性化し、新生血管を退縮させる。正常な網膜を傷つけない。視力の低下が抑えられる。
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初版日時: 2019-03-09 (土) 13:11:35
最終更新: 2019-03-09 (土) 14:32:30 (JST) (1875d) by kondo
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