エルロチニブ塩酸塩 (Erlotinib hydrochloride)
抗悪性腫瘍剤 上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤
作用と効果
がん細胞の増殖に必要なEGFRというたんぱく質の働きを選択的に抑えることにより、非小細胞肺がんと膵がんの増殖を抑えます。通常、切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌の治療、治癒切除不能な膵癌の治療に用いられます。
用法・用量
- 切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌の場合
通常、成人は1日1回エルロチニブとして150mgを食事の1時間以上前または食後2時間以降に服用しますが、症状により適宜減量されます。
- 治癒切除不能な膵癌の場合
ゲムシタビンと併用されます。通常、成人は1日1回エルロチニブとして100mgを食事の1時間以上前または食後2時間以降に服用しますが、症状により適宜減量されます。
本剤は1錠中にエルロチニブとして25mgを含有します。必ず指示された服用方法に従ってください。副作用が強くでる可能性があるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けてください。
飲み忘れた場合は、空腹時に1回分を飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は1回とばして、次の時間に1回分飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。重度の下痢、発疹、ALT(GPT)、AST(GOT)の上昇などがあらわれることがあります。医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
副作用
主な副作用として、発疹、下痢、皮膚乾燥、そう痒症などが報告されています。
稀な副作用
- 間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎、放射線性肺臓炎、器質化性肺炎を伴う閉塞性細気管支炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、肺浸潤、胞隔炎等)
息切れ、息苦しい、苦しくて速い呼吸、咳、から咳、発熱、体重が減る、痰がでる、食欲不振、唇・手足のつめが青くなる
- 肝炎、肝不全、肝機能障害
からだがだるい、食欲不振、吐き気、嘔吐、かゆみ、皮膚・白目が黄色くなる、尿が黄色い、羽ばたくような手の振るえ
- 重度の下痢
泥状の便、水のような便、激しい腹痛、吐き気、汗をかく
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑
からだがだるい、食欲不振、発熱、高熱、関節の痛み、中央にむくみを伴った赤い斑点、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)、発疹や水ぶくれができる、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、陰部の痛み
- 消化管穿孔
吐き気、嘔吐、激しい腹痛
- 角膜穿孔、角膜潰瘍
まぶしい、眼のかすみ、眼の異物感、眼の痛み、涙がでる