ウイルスワクチン類
- サーバリックス (製薬会社:グラクソ・スミスクライン株式会社)
- ガーダシル (製薬会社:MSD株式会社)
成分
サーバリックスは、HPV 16型および18型のL1タンパクを抗原としています。
サーバリックスは、子宮頸癌発症リスクの高いHPV 16および18のL1タンパクのみからできたウイルス様粒子(VLP:virus-like particle)を抗原としています。L1タンパクは、 HPVの殻(カプシド)の主な成分で、強い免疫原性を持ちます。VLPにはHPVの遺伝物質が含まれていないため、感染性はありません。
作用と効果
サーバリックスは、子宮頸癌発症リスクの高いHPV 16型および18型の感染を防ぎ、子宮頸癌を予防します。
効能・効果
ヒトパピローマウイルス(HPV)16型及び18型感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮細胞癌、腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)2及び3)の予防
CIN
Cervical intraepithelial neoplasia(子宮頸部上皮内腫瘍)。上皮内に限局する異形成と上皮内癌のこと。子宮頸部表面の細胞が異常増殖したのが子宮頸部異形成で、前癌状態と考えられます。CIN1、CIN2およびCIN3の3段階があります。
効能・効果に関連する接種上の注意
- HPV-16型及び18型以外の癌原性HPV感染に起因する子宮頸癌及びその前駆病変の予防効果は確認されていない。
- 接種時に感染が成立しているHPVの排除及び既に生じているHPV関連の病変の進行予防効果は期待できない。
- 本剤の接種は定期的な子宮頸癌検診の代わりとなるものではない。本剤接種に加え、子宮頸癌検診の受診やHPVへの曝露、性感染症に対し注意することが重要である。
- 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。
接種時期
サーバリックスの接種対象は10歳以上の女性で、0、1、6ヵ月後の3回接種が必要です。
サーバリックスの接種対象は10歳以上の女性であり、その効果は成人より小児で高いと考えられています。十分な抗体価を得るためには、上腕三角筋部の筋肉内に、0、1、6ヵ月後の3回接種することが必要です。
用法・用量
10歳以上の女性に、通常、1回0.5mLを0、1、6ヵ月後に3回、上腕の三角筋部に筋肉内接種する。
接種上の注意
- 本剤の接種上、やむを得ず接種間隔の変更が必要な場合は、2回目の接種は1回目の接種から1~2.5ヵ月の間で、3回目の接種は1回目の接種から5~12ヵ月の間で調整すること。
- 他のワクチン製剤との接種間隔
生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分に対して過敏症を呈したことがある者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
- 1回目にサーバリックスを接種した場合には、2回目、3回目もサーバリックスを接種してください。2、3回目で他 のHPVワクチンを接種した場合の効果と安全性は確認されておりません。
- HPVの自然感染では十分な免疫が得られないため、成人女性でも、サーバリックスの接種が重要です。
副作用
- 失神
- 血管迷走神経反射
痛み、恐怖、興奮、ストレスなどによる刺激が迷走神経を介して、脳幹血管運動中枢を刺激し、心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などをきたす生理的反応です。その結果として、失神やふらつきなどが起こることがあります。
子宮頸がんの予防接種をめぐっては、ワクチン接種後に重い健康被害に苦しむ中高生がいるとして「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が設立され、接種中止を求める嘆願書が厚労省に提出されている。
稀な副作用