アルカリホスファターゼ(ALP)は体中のあらゆる臓器や器官にあり、リン酸化合物を分解する酵素です。pH10前後のアルカリ性で働くのでこの名前がつけられました。ALPが血液中に出てくるのは、主に肝臓、骨、小腸からで、これらの臓器に異常や病気があると血液中にALPが増加します。
肝臓のALPは胆汁に排出されるので胆道系の病気で胆汁の流れが滞ると、溢れて血液中に流れ込み血液中のALPが増えます。また、胆汁や血液のうっ滞、肝膿瘍などがあると肝臓でのALPが増加します。また、骨の病気や異常でも血液中にALPが増え、骨の腫瘍やくる病、骨軟化症、骨折などでも増加します。GOT・GPTの値と比較すると、肝臓や胆道系の病気か骨の病気かを鑑別することができます。
妊娠後期になると、胎盤からALPが出てくるため数値が高くなります。また、小児期は骨の成長が著しいためALPがたくさんつくられ数値が高くなります。