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- 甲状腺ホルモン不応症 へ行く。
1: 2013-04-11 (木) 02:02:37 cons | 現: 2016-11-10 (木) 13:08:54 kondo | ||
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どの病態をとっても、甲状腺が大きくなる傾向があり、甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症の症状がみられることがある。ひどい場合には難聴になったり、注意力が低下するなどの精神障害をともなうこともあるため、注意が必要である。 | どの病態をとっても、甲状腺が大きくなる傾向があり、甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症の症状がみられることがある。ひどい場合には難聴になったり、注意力が低下するなどの精神障害をともなうこともあるため、注意が必要である。 | ||
- | **病態[#cadf3171] | + | **分類 [#r5f94eea] |
全身型・下垂体型・末梢型に分類される。 | 全身型・下垂体型・末梢型に分類される。 | ||
+ | **症状 [#dd2be099] | ||
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+ | 多くは、甲状腺機能亢進症と同じように脈拍数が増えて、動悸(心臓がドキドキする)が起こります。 | ||
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+ | 無症状である事もあれば、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症 と同じ症状を呈する事もある。 | ||
+ | 甲状腺はやや肥大する事が多い。 このため、最初は「甲状腺腫」として経過観察する事が多い。 | ||
+ | 重度例の場合、難聴・注意力が低下するなどの精神障害をともなうことがある。 | ||
+ | **原因 [#dd03f0b3] | ||
+ | 甲状腺ホルモンは、細胞の核の中にある甲状腺ホルモン受容体という特別な蛋白質に結合することによって体内で働きます。 | ||
+ | 甲状腺ホルモン受容体にはα型とβ型の2種類がありますが、その分布する割合は臓器により異なっています。心臓や脳ではα型が、肝臓や脳下垂体ではβ型が主な甲状腺ホルモン受容体として働いています。この病気は、β型受容体の働きが悪くなっていることが原因です。 | ||
+ | |||
**診療科[#o3b9f85d] | **診療科[#o3b9f85d] | ||
甲状腺機能検査のみであれば、一般内科でも実施可能。 検査結果に明らかな異常が見られた場合、甲状腺・代謝・内分泌専門内科での管理を続ける事が望ましい。 | 甲状腺機能検査のみであれば、一般内科でも実施可能。 検査結果に明らかな異常が見られた場合、甲状腺・代謝・内分泌専門内科での管理を続ける事が望ましい。 | ||
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下記に示す各抗体価や経過観察の結果を総合して判定する。 | 下記に示す各抗体価や経過観察の結果を総合して判定する。 | ||
甲状腺ホルモン(FT3、FT4、T3、T4)が高値~異常高値。TR-Ab(TSHレセプター抗体)、Tg-Ab(抗サイログロブリン抗体)、TPO-Ab(抗甲状腺ペリオキシターゼ抗体)が陰性である事が特徴である。 | 甲状腺ホルモン(FT3、FT4、T3、T4)が高値~異常高値。TR-Ab(TSHレセプター抗体)、Tg-Ab(抗サイログロブリン抗体)、TPO-Ab(抗甲状腺ペリオキシターゼ抗体)が陰性である事が特徴である。 | ||
- | 稀に、TR-Ab(TSHレセプター抗体)、Tg-Ab(抗サイログロブリン抗体)、TPO-Ab(抗甲状腺ペリオキシターゼ抗体)のどれかが陽性を示す事もある。 | + | 稀に、TR-Ab(TSHレセプター抗体)、Tg-Ab(抗サイログロブリン抗体)、TPO-Ab(抗甲状腺ペルオキシターゼ抗体)のどれかが陽性を示す事もある。 |
これはバセドウ病や橋本病といった自己免疫の病気と共存してもおかしくない。いわば自己免疫とは全く関係のない病気として認識されているからだと思われる。 TRH(下垂体ホルモン)負荷試験において、反応が「甲状腺ホルモンレベルに対して無反応、鈍い」といった特徴的な反応が見られる。 | これはバセドウ病や橋本病といった自己免疫の病気と共存してもおかしくない。いわば自己免疫とは全く関係のない病気として認識されているからだと思われる。 TRH(下垂体ホルモン)負荷試験において、反応が「甲状腺ホルモンレベルに対して無反応、鈍い」といった特徴的な反応が見られる。 | ||
-甲状腺エコー | -甲状腺エコー | ||
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多岐にわたるホルモン量を測定する。起床直後にベッドで行う検査が望ましい。(通院検査をする場合は、その分の補正が入ると思われる) | 多岐にわたるホルモン量を測定する。起床直後にベッドで行う検査が望ましい。(通院検査をする場合は、その分の補正が入ると思われる) | ||
本病態においては、性結合ホルモンレベルに何らかの異常がある事がわかっている。 内分泌系ホルモンレベルにも影響を及ぼすことから、異常の具合をモニタリングするために行う事がある。 | 本病態においては、性結合ホルモンレベルに何らかの異常がある事がわかっている。 内分泌系ホルモンレベルにも影響を及ぼすことから、異常の具合をモニタリングするために行う事がある。 | ||
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- | **症状[#u890722b] | ||
- | 無症状である事もあれば、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症と同じ症状を呈する事もある。 | ||
- | 甲状腺はやや肥大する事が多い。 このため、最初は「甲状腺腫」として経過観察する事が多い。 | ||
- | 重度例の場合、難聴・注意力が低下するなどの精神障害をともなうことがある。 | ||
**合併症[#y434c124] | **合併症[#y434c124] | ||
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症状に応じて抗うつ剤などの処方及び栄養指導が行われる事もある。 | 症状に応じて抗うつ剤などの処方及び栄養指導が行われる事もある。 | ||
- | **薬の副作用[#x79d05da] | + | ***副作用 [#d22af963] |
甲状腺機能亢進症及び甲状腺機能低下症に対する治療の副作用と同様であると考えられるが、実際に反応している甲状腺ホルモン量と見かけのホルモン量が全く異なる病態であり、代謝を頼りとした治療となるため、単なる甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症の治療の副作用よりもはるかに重い副作用が出る事があることに注意したい。 | 甲状腺機能亢進症及び甲状腺機能低下症に対する治療の副作用と同様であると考えられるが、実際に反応している甲状腺ホルモン量と見かけのホルモン量が全く異なる病態であり、代謝を頼りとした治療となるため、単なる甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症の治療の副作用よりもはるかに重い副作用が出る事があることに注意したい。 | ||
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**治療法[#mfaf8ab1] | **治療法[#mfaf8ab1] | ||
- | 基本的には、対症療法と経過観察が主となる。 | + | 基本的には、対症療法と経過観察が主となります。 |
+ | 甲状腺が腫れて血液中の甲状腺ホルモンが増加しているという理由で、バセドウ病と間違えられ、誤った治療を受けないことが大切です。 | ||
本症の大部分は遺伝子異常に基づく疾患であるため、原因に対する治療法はなく対症療法を必要に応じて行う。 | 本症の大部分は遺伝子異常に基づく疾患であるため、原因に対する治療法はなく対症療法を必要に応じて行う。 | ||
全身型の多くは甲状腺機能正常のことが多く、その場合は治療の必要はない。甲状腺機能低下症状を呈する場合は甲状腺ホルモンの補充を行う。 | 全身型の多くは甲状腺機能正常のことが多く、その場合は治療の必要はない。甲状腺機能低下症状を呈する場合は甲状腺ホルモンの補充を行う。 | ||
必要量は症例ごとに異なるので少量から投与を開始し、末梢代謝機能を表す指標をモニターしながら至適維持量を決定する。 下垂体型の場合が難しい問題を含んでいる。 | 必要量は症例ごとに異なるので少量から投与を開始し、末梢代謝機能を表す指標をモニターしながら至適維持量を決定する。 下垂体型の場合が難しい問題を含んでいる。 | ||
+ | |||
下垂体TSH産生腫瘍が除外されれば、甲状腺機能亢進症に対する積極的治療が必要であるが、抗甲状腺剤の投与により甲状腺ホルモンレベルを低下させるとTSH分泌は更に促進され甲状腺腫の増大、TSH産生細胞の過形成から腺腫形成へ進展する可能性がある。 | 下垂体TSH産生腫瘍が除外されれば、甲状腺機能亢進症に対する積極的治療が必要であるが、抗甲状腺剤の投与により甲状腺ホルモンレベルを低下させるとTSH分泌は更に促進され甲状腺腫の増大、TSH産生細胞の過形成から腺腫形成へ進展する可能性がある。 | ||
理論的には、TSH分泌を低下させることにより、甲状腺ホルモンレベルを下げるべきである。TSH分泌を抑制する薬剤としてドーパミン作働薬のブロモクリプチン、ソマトスタチン誘導体、Triac(T3誘導体)などが試みられているが、まだ治療法の確立には至っていない。 | 理論的には、TSH分泌を低下させることにより、甲状腺ホルモンレベルを下げるべきである。TSH分泌を抑制する薬剤としてドーパミン作働薬のブロモクリプチン、ソマトスタチン誘導体、Triac(T3誘導体)などが試みられているが、まだ治療法の確立には至っていない。 |
- 甲状腺ホルモン不応症 のバックアップ一覧
- 甲状腺ホルモン不応症 のバックアップの現在との差分(No. All)
- 1: 2013-04-11 (木) 02:02:37 cons
- 2: 2013-06-10 (月) 15:40:28 seria
- 3: 2013-06-12 (水) 21:22:19 cons
- 4: 2013-06-13 (木) 10:11:17 cons
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