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6: 2015-04-10 (金) 18:44:40 seria ソース 現: 2019-01-06 (日) 21:09:29 kondo ソース
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間質性肺炎は医薬品によっても起こります。多くの医薬品が原因になりますが、代表的なものとしては、抗がん剤(経口剤、点滴用剤)、抗リウマチ薬、インターフェロン製剤、漢方薬(小柴胡湯 など)、解熱消炎鎮痛薬(アスピリン、サリチル酸など)、抗生物質、抗不整脈薬(アミオダロン)などでみられます。総合感冒薬(かぜ薬)のような市販の医薬品でみられることもあります。 間質性肺炎は医薬品によっても起こります。多くの医薬品が原因になりますが、代表的なものとしては、抗がん剤(経口剤、点滴用剤)、抗リウマチ薬、インターフェロン製剤、漢方薬(小柴胡湯 など)、解熱消炎鎮痛薬(アスピリン、サリチル酸など)、抗生物質、抗不整脈薬(アミオダロン)などでみられます。総合感冒薬(かぜ薬)のような市販の医薬品でみられることもあります。
-**分類 [#lc494c1d] +**特発性間質性肺炎(IIPs)の分類 [#lc494c1d] 
-***通常型間質性肺炎 (UIP:Usual Interstitial Pneumonia) [#o25a4515+***特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF) [#e1745eef
-多くの病理学者は、特発性肺線維症 (IPF:Ideopathic Pulmonary Fibrosis)とUIPとを同じ意味で使用しています。厳密にはIPFの方が広い意味をもっています。 慢性、風邪等により急性憎悪する場合がある。ステロイドへの反応は悪い。 経過、予後はきわめて悪い。+ 通常型間質性肺炎(UIP)/病理組織分類 
 +特発性肺線維症は、特発性間質性肺炎の中で最も多くみられます。 
 +特発性肺線維症になりやすい人は、主に50代から60代の男性で、多くは喫煙者です。
-完全に回復することはなく、病状を悪化させないことに注意する。通常は、徐々に肺の線維化、肺の縮小が起きてゆき、呼吸が困難になっていく。+慢性、風邪等により急性憎悪する場合がある。ステロイドへの反応は悪い。 経過、予後はきわめて悪い。 
 +完全に回復することはなく、病状を悪化させないことに注意する。 
 +通常は、徐々に肺の線維化、肺の縮小が起きてゆき、呼吸が困難になっていく。
死亡原因は、呼吸不全(約40%)、心筋症(約30%)、肺がん(約10%)となっている。 死亡原因は、呼吸不全(約40%)、心筋症(約30%)、肺がん(約10%)となっている。
-***急性間質性肺炎 (AIP:Acute Interstitial Pneumonia) [#dc0a0f63+****症状 [#e7a61722
-急性、ステロイドへの反応は悪い。経過、予後は極めて悪い。 ただし、まれに完全回復する場合がある。始め高熱があり、風邪の症状が出て急速に呼吸困難が進む場合が多い。 +肺の損傷程度、病気の進行速度、肺感染症や右側心不全などの合併症の有無などによって、症状は異なります。 
-回復する場合は自然回復。+運動時の息切れ、せき、持久力の低下のような主な症状が、知らないうちに現れ始めます。その他によくみられるのは、体重減少や疲労感などの症状です。ほとんどの場合、症状は約6カ月から数年にわたって悪化していきます。 
 +  
 +病気が進行するにつれて、血液中の酸素濃度が低下し、皮膚の色が青っぽくなるチアノーゼが生じる場合や、指先が太くなったり、ばち状になったりするばち指がみられる場合があります。
-***分類不能な間質性肺炎 (NSIP:Non-Specific Interstitial Pneumonia) [#qea7e8f4]+心臓に負担がかかると、右心室が肥大して、やがて右側心不全に陥ることもあります。医師には聴診器を通して、しばしばパチパチというクラックル音(断続性ラ音)が聞こえます。この音は、ベルクロ社のマジックテープをはがすときの音に似ているため、その名前を取って、ベルクロ・ラ音とも呼ばれます。 
 +****診断 [#b128badd] 
 +-胸部X線検査 
 +細くて白い線が広範囲に認められることがあり、ほとんどが網の目状で、両肺の下側に最も多くみられます。 
 + 
 +-CT検査 
 +典型的に肺の下側に斑状の白い線が認められます。病気が進行した部分では、厚くなった瘢痕が、しばしば蜂巣状にみえます。 
 + 
 +-肺機能検査 
 +肺機能検査によって、肺に吸いこめる空気の量が、正常値を下回っていることが明らかになります。 
 +血液サンプルを分析したり、パルスオキシメーターで測定すると、普通の速度で歩く程度の最低限の運動で血液中の酸素濃度の低下が認められ、病気が進行するとともに安静時でもみられるようになります。 
 +-肺生検 
 +診断を確定するために、気管支鏡検査と呼ばれる方法を用いて肺生検を行うことがあります。また、外科手術によって、大きな組織サンプルを採取しなければならないことも多く、胸腔鏡が使用されることもあります。 
 +-血液検査 
 +血液検査で診断を確定することはできませんが、同じような炎症や瘢痕化を生じる可能性がある別の病気を調べる検査の1つとして実施されます。たとえば、特定の自己免疫疾患ではないことを調べるために、血液検査が行われます。 
 + 
 + 
 +****治療 [#g1277562] 
 +肺移植が唯一有効な治療法と考えられます。 
 +-抗線維化薬 
 +肺線維症の軽減と生存期間の延長が期待できる有望な治療薬 
 +--ピレスパ錠(一般名:ピルフェニドン) 
 +-エンドセリン受容体拮抗剤 
 +--トラクリア錠(一般名:ボセンタン) 
 + 
 +***非特異性間質性肺炎(nonspecific interstitial pneumonia:NSIP) [#e282e5c9] 
 + 非特異性間質性肺炎(NSIP)/病理組織分類
NSIPはさらにI群、II群、III群に細分化されています。I群は線維化なし、II群は線維化有り、蜂巣化無し、III群は線維化、蜂巣化ともに有るタイプです。 NSIPはさらにI群、II群、III群に細分化されています。I群は線維化なし、II群は線維化有り、蜂巣化無し、III群は線維化、蜂巣化ともに有るタイプです。
亜急性~慢性、ステロイドへの反応は良好。 経過、予後は一般的に良いが、稀に不良あり。病状の改善、完全回復あり。 亜急性~慢性、ステロイドへの反応は良好。 経過、予後は一般的に良いが、稀に不良あり。病状の改善、完全回復あり。
予後はBOOPと比較すると良くない。 予後はBOOPと比較すると良くない。
-***閉塞性細気管支炎 (BOOP:Bronchiolitis Obliterans Organizing Pneumonia) [#ibb3999a+***特発性器質化肺炎 (cryptogenic organizing pneumonia:COP) [#d414003a
-亜急性、ステロイドへの反応は良好。 + 器質化肺炎(OP)/病理組織分類 
-経過、予後は良好。病状の改善、完全回復あり。予後はNSIPより良い。 +肺には、気管支が末梢に20回以上分かれた先に吸い込んだ空気を入れるぶどうの房状の肺胞と呼ばれる小さな袋が多数あります。 
-***剥離性間質性肺炎 (DIP:Desquamative Interstitial Pneumonia) [#wf01e9d3+この肺胞とその少し手前の細気管支の中に炎症の産物が固まった器質化物といわれるものが充満し、肺胞の壁に炎症を起こします。 
-慢性、ステロイドへの反応は良好。経過、予後は良好。病状の改善、完全回復あり。+ 
 +膠原病や病原体、放射線照射、薬剤、悪性腫瘍など様々な原因で生じますが、原因がはっきりしないものを特発性器質化肺炎と呼びます。 
 +閉塞性細気管支炎性器質化肺炎とも呼ばれる。 
 +50歳代から60歳代に多く、男女差はありません。 
 + 
 +****症状 [#d9bedd32
 +数日から数週間の経過で、せきや息切れがみられます。さらには発熱やだるさなどインフルエンザに似た風邪症状が出現することもあります。検診で無症状のうちに発見されることもあります。 
 + 
 +****診断 [#c17b4d67] 
 +-胸部CT検査 
 +肺の中に多発する濃い影と淡い影が見られ、しばしば細菌性肺炎の影と類似します。また、移動性の影(一部の影が改善するのに他の部位で新たな影が出現し、一見影が移動したように見える)が認められることもあります。 
 +-気管支肺胞洗浄検査(BAL) 
 +リンパ球という白血球の一種が多数認められます。 
 +-生検 
 +エックス線画像で陰影がある部分の肺の組織を気管支鏡で一部採取して、顕微鏡で観察して診断が確定します。 
 + 
 +****治療 [#p0bb2843] 
 +無治療で改善することもありますが、ほとんどの場合、ステロイド薬が良く効くので治療に用いられます。ただしステロイド薬の減量や中止により再発することがあるので注意が必要です。 
 +ステロイド薬の減量が難しい場合は、免疫抑制剤を併用することがあります。 
 +一般的にはステロイド薬が良く効くことから予後良好とされています。
-***呼吸細気管支の間質性肺炎 (RBILD:Respiratory Bronchiolitis-associated Interstitial Lung Disease) [#zf6c6f12]+***呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患 (respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease:RB-ILD) [#fab25b5d] 
 + 呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患(RB-ILD)/病理組織分類
慢性、ステロイドへの反応は良い。経過、予後は良好。病状の改善、完全回復あり。 慢性、ステロイドへの反応は良い。経過、予後は良好。病状の改善、完全回復あり。
病気の症状 咳が出たり、酸素がうまく取り込めなくなり息苦しくなります。一過性の場合もありますが、炎症が治った後も傷が残り肺が固くなる場合があります。 病気の症状 咳が出たり、酸素がうまく取り込めなくなり息苦しくなります。一過性の場合もありますが、炎症が治った後も傷が残り肺が固くなる場合があります。
病気が進行すると、肺胞壁が厚くなり、肺胞の形も不規則になって肺全体が固くなり膨らみにくくなるため、呼吸を維持することが困難になる場合もあります。 また、肺線維症に進行すると咳などによって肺が破れて呼吸困難や呼吸不全に陥ることがあります。 病気が進行すると、肺胞壁が厚くなり、肺胞の形も不規則になって肺全体が固くなり膨らみにくくなるため、呼吸を維持することが困難になる場合もあります。 また、肺線維症に進行すると咳などによって肺が破れて呼吸困難や呼吸不全に陥ることがあります。
 +
 +***剥離性間質性肺炎 (desquamative interstitial pneumonia:DIP)  [#d980d023]
 + 剥離性間質性肺炎(DIP)/病理組織分類
 +慢性、ステロイドへの反応は良好。経過、予後は良好。病状の改善、完全回復あり。
 +
 +***リンパ球性間質性肺炎 (lymphocytic interstitial pneumonia:LIP) [#fc824287]
 + リンパ球性間質性肺炎(LIP)/病理組織分類
 +肺胞の間質および気腔にリンパ球や形質細胞が浸潤する良性リンパ増殖性疾患である。
 +****症状 [#sec9adfb]
 +進行性の呼吸困難、空咳、断続性ラ音である。
 +****治療 [#wdb06dce]
 +悪性リンパ腫やシェーグレン症候群などに伴ったものと考えられ、それらに対する治療が行われます。
 +
 +***急性間質性肺炎 (acute interstitial pneumonia:AIP) [#r0a87090]
 + びまん性肺胞傷害(DAD)/病理組織分類
 +急性、ステロイドへの反応は悪い。経過、予後は極めて悪い。 ただし、まれに完全回復する場合がある。始め高熱があり、風邪の症状が出て急速に呼吸困難が進む場合が多い。
 +回復する場合は自然回復。
**検査 [#y3237a76] **検査 [#y3237a76]
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**薬 [#h35aa7be] **薬 [#h35aa7be]
 +-プレドニン錠(一般名:プレドニゾロン)
-プレドニゾロン錠(一般名:プレドニゾロン) -プレドニゾロン錠(一般名:プレドニゾロン)
初期的には、ステロイド薬を内服します。服用期間は、約1~3ヶ月です。服用量は、間質性肺炎(肺線維症)の病状の程度により異なりますが、通常1日10~60ミリグラムです。効果が認められれば、少しずつ減量していきます。 初期的には、ステロイド薬を内服します。服用期間は、約1~3ヶ月です。服用量は、間質性肺炎(肺線維症)の病状の程度により異なりますが、通常1日10~60ミリグラムです。効果が認められれば、少しずつ減量していきます。
なお、服薬によって、病状が安定しても、病気の進行を止めるために、少量のステロイド薬を継続して使用していきます。1~3ヶ月服用しても、効果が見られないときには、ステロイド薬を減量し、「免疫抑制薬」を併用します。 なお、服薬によって、病状が安定しても、病気の進行を止めるために、少量のステロイド薬を継続して使用していきます。1~3ヶ月服用しても、効果が見られないときには、ステロイド薬を減量し、「免疫抑制薬」を併用します。
--ピレスパ錠(一般名:ピルフェニドン)抗線維化剤+***抗線維化剤 [#cfbb40d8] 
 +-ピレスパ錠(一般名:ピルフェニドン)
特発性肺線維症(IPF)の中等症までで徐々に悪化してきている場合、進行を抑える可能性があります。 特発性肺線維症(IPF)の中等症までで徐々に悪化してきている場合、進行を抑える可能性があります。
 +***免疫抑制剤 [#vbd0cce4]
 +-イムラン錠(一般名:アザチオプリン)
 +-エンドキサン錠(一般名:シクロフォスファミド)
 +-サンディミュンカプセル、ネオーラルカプセル(一般名:シクロスポリン)
**治療法 [#m80a6a40] **治療法 [#m80a6a40]
Line 111: Line 186:
普通の状態でも常に体内で作られていて、体に対するいろいろなストレスに対処するなど生きていく上でとても重要な働きがあります。 このホルモンのうち、糖質コルチコイドという成分を化学合成したものをステロイド剤として治療に用います。 普通の状態でも常に体内で作られていて、体に対するいろいろなストレスに対処するなど生きていく上でとても重要な働きがあります。 このホルモンのうち、糖質コルチコイドという成分を化学合成したものをステロイド剤として治療に用います。
-治療効果 -治療効果
-ステロイド剤は、間質性肺炎の炎症に対して最も効果が期待できます。ただし、副作用も多く、典型的な両刃の剣となる薬剤です 隔日投与法 薬剤を投与した翌日は休薬日として、人間が自分で副腎皮質ホルモンを出させるようにする方法を適用されることがあります。 2日分の量を 1日目に投与し、翌日を休薬日として血中ステロイド量を 0にして生体からの副腎皮質ホルモンの分泌を促す方法です。+ステロイド剤は、間質性肺炎の炎症に対して最も効果が期待できます。ただし、副作用も多く、典型的な両刃の剣となる薬剤です。 
 +-隔日投与法 
 +薬剤を投与した翌日は休薬日として、人間が自分で副腎皮質ホルモンを出させるようにする方法を適用されることがあります。 2日分の量を 1日目に投与し、翌日を休薬日として血中ステロイド量を 0にして生体からの副腎皮質ホルモンの分泌を促す方法です。
--注意事項 --注意事項
---どんなに注意していても飲み忘れということがあります。飲み忘れに気が付いた場合はすぐに服用します。 ---どんなに注意していても飲み忘れということがあります。飲み忘れに気が付いた場合はすぐに服用します。
---もし、すでに次の服用時間になっていたら2回分服用することはせずに1回分だけ服用します。 ---もし、すでに次の服用時間になっていたら2回分服用することはせずに1回分だけ服用します。
---ステロイドを長期服用していると副腎機能が低下している場合が多いので、飲み忘れた時間が長いと症状悪化に繋がる恐れがあります。 ---ステロイドを長期服用していると副腎機能が低下している場合が多いので、飲み忘れた時間が長いと症状悪化に繋がる恐れがあります。
----副作用を恐れて勝手に減量したり、中止したりすると症状の悪化を招き、結局さらに長期間服用することになります。医師の処方を守ることが大切です。特に、急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショックなどの離脱症状が現れることがあります。+---副作用を恐れて勝手に減量したり、中止したりすると症状の悪化を招き、結局さらに長期間服用することになります。 
 +医師の処方を守ることが大切です。特に、急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショックなどの離脱症状が現れることがあります。
-成人では、間脳、下垂体、副腎系の抑制(副腎皮質ホルモンが出なくなる)が生じる最小限はプレドニゾロン10mg/日と言われており、20~30mg/日のプレドニゾロンを 1週間以上、またそれ以下も 1か月以上投与を続けると、完全に投与を中止してからその機能の回復には、 6~9か月の期間が必要です。+成人では、間脳、下垂体、副腎系の抑制(副腎皮質ホルモンが出なくなる)が生じる最小限はプレドニゾロン10mg/日と言われており、20~30mg/日のプレドニゾロンを 1週間以上、またそれ以下も 1か月以上投与を続けると、完全に投与を中止してからその機能の回復には、 6~9か月の期間が必要です。
***パルス療法 [#t1b30a63] ***パルス療法 [#t1b30a63]
-ステロイドパルス療法は、点滴によりステロイド剤を通常3日間程度大量投与する治療方法で、間質性肺炎の症状が急に悪化した場合や経口投与で改善が見られない時に行われます。 パルス療法で、よく使用されるのは ソル・メドロール静注用(一般名:メチルプレドニン)という薬剤で、 たとえば1日 1回1000mgを 3日間投与した後に プレドニゾロン錠 などの経口剤に切り替え、その量を漸減させていきます。+ステロイドパルス療法は、点滴によりステロイド剤を通常3日間程度大量投与する治療方法で、間質性肺炎の症状が急に悪化した場合や経口投与で改善が見られない時に行われます。 
 +パルス療法で、よく使用されるのは ソル・メドロール静注用(一般名:メチルプレドニン)という薬剤で、 たとえば1日 1回1000mgを 3日間投与した後に プレドニゾロン錠 などの経口剤に切り替え、その量を漸減させていきます。
-ソル・メドロール静注用(一般名:メチルプレドニン) -ソル・メドロール静注用(一般名:メチルプレドニン)
鉱質ステロイド作用が少なく、比較的作用時間が短い。プレドニゾロンの1.25倍の強さがあります。 鉱質ステロイド作用が少なく、比較的作用時間が短い。プレドニゾロンの1.25倍の強さがあります。
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満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝、中心性肥満、体重増加、脂肪沈着異常(体脂質の分布変化)、脂質は顔面、胴体部、頚に蓄積し、四肢で減少する。 満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝、中心性肥満、体重増加、脂肪沈着異常(体脂質の分布変化)、脂質は顔面、胴体部、頚に蓄積し、四肢で減少する。
---体液・電解質 ---体液・電解質
-浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカロ-シスなど、尿細管におけるNa+再吸収促進(水分の組織内貯留)、K+ の排泄増加 眼 中心性漿液性網脈絡膜症などによる網膜障害、眼球突出など   血液 白血球増多など、プロトロン便時間を短縮、プロトロンビン単位を増加、血栓 皮膚 瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、皮膚の菲薄化・脆弱化、皮膚線条、掻痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、脂肪織炎など   過敏症 発疹など+浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカロ-シスなど、尿細管におけるNa+再吸収促進(水分の組織内貯留)、K+ の排泄増加 
 +--- 
 +中心性漿液性網脈絡膜症などによる網膜障害、眼球突出など   
 +---血液 
 +白血球増多など、プロトロン便時間を短縮、プロトロンビン単位を増加、血栓 
 +---皮膚 
 +瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、皮膚の菲薄化・脆弱化、皮膚線条、掻痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、脂肪織炎など 
 +---過敏症 
 +発疹など
---その他 ---その他
発熱、疲労感、ステロイド腎症、精子数及びその運動性の増減   発熱、疲労感、ステロイド腎症、精子数及びその運動性の増減  
Line 140: Line 227:
***免疫抑制剤 [#f39f4976] ***免疫抑制剤 [#f39f4976]
間質性肺炎の治療に使われるのは、主に イムラン錠(一般名:アザチオプリン)と エンドキサン錠(一般名:シクロフォスファミド)、サンディミュンカプセル、ネオーラルカプセル(一般名:シクロスポリン)の3種類です。これらのうちのどれかをステロイド剤と併用します。 間質性肺炎の治療に使われるのは、主に イムラン錠(一般名:アザチオプリン)と エンドキサン錠(一般名:シクロフォスファミド)、サンディミュンカプセル、ネオーラルカプセル(一般名:シクロスポリン)の3種類です。これらのうちのどれかをステロイド剤と併用します。
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投与量は最初少なく、だんだん増量してゆきます。ただ、いくら量が少ないとはいえ白血球が減ったり、生殖細胞に影響がでたりするため、男女を問わずとくに若い人には使いにくい面があるというのが難点です。 投与量は最初少なく、だんだん増量してゆきます。ただ、いくら量が少ないとはいえ白血球が減ったり、生殖細胞に影響がでたりするため、男女を問わずとくに若い人には使いにくい面があるというのが難点です。
Line 145: Line 233:
咳をやわらげるために、リン酸コデイン散(一般名:コデインリン酸塩水和物)などの咳止め薬を使います。 咳をやわらげるために、リン酸コデイン散(一般名:コデインリン酸塩水和物)などの咳止め薬を使います。
息切れが強いときには酸素吸入が症状を楽にします。病気が進めば在宅酸素療法により、自宅で、あるいは出かけるときにも酸素吸入ができます。 息切れが強いときには酸素吸入が症状を楽にします。病気が進めば在宅酸素療法により、自宅で、あるいは出かけるときにも酸素吸入ができます。
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在宅酸素療法とは、酸素を生成する器械を家庭に設置し、経鼻カニューレという管で鼻から酸素を1~4リットル/min(量は症状に依存)を持続的に投与する方法です。 在宅酸素療法とは、酸素を生成する器械を家庭に設置し、経鼻カニューレという管で鼻から酸素を1~4リットル/min(量は症状に依存)を持続的に投与する方法です。
また、外出時は経鼻カニューレを携行型の酸素タンクに付け替えて外出します。 なお、在宅酸素療法の利用には保険が適用されます。 また、外出時は経鼻カニューレを携行型の酸素タンクに付け替えて外出します。 なお、在宅酸素療法の利用には保険が適用されます。
また、利用方法の詳細については病院から説明を受けることが出来ます。 また、利用方法の詳細については病院から説明を受けることが出来ます。
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 +***罹患した著名人 [#bd7e3ed1]
 +-美空ひばり 歌手
 +-星新一 作家
 +-三浦 &ruby(しゅもん){朱門}; 作家

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