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間質性膀胱炎 :: 医療 Wiki

illness:間質性膀胱炎

ページ内コンテンツ
  • IC 概要
    • 症状
    • 間質性膀胱炎の診断基準
    • NIDDKによる間質性膀胱炎の研究上の定義
    • 検査
    • 治療法
    • 間質性膀胱炎協会
    • 社会の理解

IC 概要 anchor.png[1]

間質性膀胱炎は、欧米を中心に長い間研究されてきていますが、原因や病態が複雑でいまだ不明な部分が多い病気[2]です。 すべての年齢、性別、人種、民族が間質性膀胱炎 Interstitial Cystitis(IC)に苦しんでいます。女性に多く発症し、男性が発症する率は、わずか10 %にすぎません。 普通の膀胱炎と異なり、粘膜に限らず筋層など膀胱壁全体に炎症を起こします。一般的な膀胱炎は、抗生物質によって治療が可能ですが間質性膀胱炎の場合、通常の抗生物質療法には反応を示しません。

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症状 anchor.png[3]

日中や夜間の頻尿が起こります。重度の症例の場合、1日あたり最高60回にも及ぶこともあります。
尿意の感覚には、痛み、圧迫、痙攣が伴うことがあり、腹痛、尿道や膣の痛みがあることもあります。痛みが性交と関連する場合もあります。また、筋肉や関節の疼痛、片頭痛[4]、アレルギー性反応、大腸や胃の症状を認めることもあります。 診療科について 泌尿器科 診断基準 NIDDKの診断基準は非常に厳しく、この基準を満たした患者は、ほぼ100%間質性膀胱炎と診断されます。 現在、臨床においては、頻尿、尿意切迫感があって明らかな原因疾患がなければ、膀胱痛があってもなくても間質性膀胱炎と診断されます。

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間質性膀胱炎の診断基準 anchor.png[5]

頻尿、尿意亢進(こうしん=尿が少したまっただけで尿意がある)、尿意切迫感(突然我慢できない尿意を催す)、膀胱の不快感や痛みなどの症状がある 膀胱鏡による検査で、膀胱内の潰瘍か、膀胱水圧拡張術後の出血がある 以上の症状や所見の原因となる他の病気[2]がない
(間質性膀胱炎診療ガイドラインより)

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NIDDKによる間質性膀胱炎の研究上の定義 anchor.png[6]

  • 選択基準(1と2を両方を満たさなければならない。)
    1.膀胱鏡でのはんなー潰瘍もしくは点状出血
    2.膀胱部の痛みもしくは尿意切迫感
  • 除外基準 (1-18のいずれかにあてはまれば、間質性膀胱炎とは診断できない。)
    1. 無麻酔下の膀胱内圧測定で膀胱容量が350ml以上
    2. 膀胱内圧測定で150ml注入時での尿意切迫感の欠如
    3. 膀胱内圧測定での無抑制収縮
    4. 発症から9ヶ月未満
    5. 夜間排尿の欠如
    6. 抗菌剤・抗コリン剤などによる症状の改善
    7. 昼間排尿が8回未満
    8. 3ヶ月以内の細菌性膀胱炎・前立腺炎
    9. 膀胱や下部尿管の結石
    10. 性器ヘルペス
    11. 子宮・膣・尿道の癌
    12. 尿道憩室
    13. サイクロフォスファミドまたは薬剤性の膀胱炎
    14. 結核性膀胱炎
    15. 放射線性膀胱炎
    16. 膀胱腫瘍
    17. 腟炎
    18. 18歳未満
    (註)NIDDK:National Institute of Digestive, Diabetes and Kidney Diseases
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検査 anchor.png[7]

診断は、詳細な既往歴の聴取と理学的検査があります。

  • 尿検査と尿培養
    細菌を原因とする膀胱炎を鑑別することが出来ます。 超音波検査 腹部を調べます。これは、一部の患者に実施されます。
  • 膀胱鏡検査[8]
    間質性膀胱炎の特異的所見を示します。
  • 膀胱生検
    膀胱癌[9]の診断を鑑別し、間質性膀胱炎の診断を確かなものとします。
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治療法 anchor.png[10]

間質性膀胱炎は、専門医の間でもあまり認識されておらず、治療法が確立されていません。特定の患者に有効であった治療法を以下に示します。

  • 膀胱拡張
    全身麻酔下で水で満たすことによって膀胱を拡張します。
  • 薬物投与
    非ステロイド系抗炎症薬、抗痙攣薬(抗コリン作用剤)、筋弛緩剤、抗ヒスタミン[11]薬が使用します。
    • DMSO(ジメチルスルホキシド)
      この薬剤は、直接膀胱に注入します。抗炎症性の作用を持つと思われます。
    • エルミロン(ペントサン多硫酸ナトリウム)
      この薬物は経口、あるいは膀胱内注入されます。この薬剤は、膀胱壁を保護膜で覆うことによって効くと思われます。
    • ナルメフェン
      この薬物は、炎症反応の一過程であるますと細胞からのヒスタミン[11]や他の関連物質の放出を止めることによって間質性膀胱炎を治すと考えられています。
    • 三環系抗鬱薬
      経口投与します。一部の抗鬱薬は痛み止めの作用を有しています。
  • 食事治療
    食事の中から特定の食品を除去することは、間質性膀胱炎の重症度を軽減させることがあります。
  • TENS ユニット(経皮的電気神経刺激)
    いろいろな慢性の痛みの症状を治療するために広く使われているこの装置は、体外に装着するが、症例によっては膀胱の痛みを緩和します。 硝酸銀 直接、膀胱に注入します。 Clorpactin WCS-90 この薬剤は、直接、膀胱に注入します。
  • 外科治療
    より重症な症例では、膀胱拡張術や尿路形成術などの外科的処置が施されます。
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間質性膀胱炎協会 anchor.png[12]

間質性膀胱炎に対する、より効果的な治療法や慢性膀胱炎状態の治療法を見つけることに取り組んでいます。

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社会の理解 anchor.png[13]

間質性膀胱炎の患者さんは、かかりつけの病院でなかなか診断がつかないために長い間悩んで苦痛を強いられています。職場や家庭内でも理解が得られず『精神的なものではないのか?』などと言われることが多くあり、悩みが非常に増幅している場合が多いようです。肉体的にも精神的にも患者さんの苦痛が大きい疾患であり、早期の診断、より確立した治療の普及と進歩が求められている病気[2]であるといえます。


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チート   投稿日時 2011/7/16 1:41

辛いよこれ。ヤバイ

ゲスト   投稿日時 2011/7/16 19:01

単なる膀胱炎と間違えられて、なかなか正しい理解がされてないですよね。



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Last-modified: 2013-05-01 (水) 14:54:02 (JST) (4005d) by kondo