血液を採取して試験管にいれておくと、赤いゼラチン状の固まりができ、その上に黄色い上澄みがたまります。固まりが血漿で上澄みが血清です。血清の中には分っているだけでも約14種類のタンパク質が含まれていますが、これを血清タンパクといい、その総量を測定するのが血清タンパク総量検査です。
私たちの体内にあるタンパク質は、食品に含まれるタンパク質が分解されてアミノ酸となって吸収され肝臓に運ばれて、血清タンパクや組織タンパク、酵素タンパクなどが合成されますが、血清タンパクの一部はリンパ組織でも合成されます。
一方、不要なタンパク質は尿などの分泌液に排泄されたり、肝臓やその他の組織で分解処理されます。
この血清タンパクの合成が減少したり増加したり、排泄量がが増加したり、分解処理が増加したり減少したりすると、血清タンパクが増えたり減ったりします。
栄養不足や栄養の吸収が不十分だったり、肝硬変などでタンパク質の合成が十分に行えないと、血清タンパク総量は低下します。
また、腎臓が悪くてタンパク質が尿に流れ出てしまっても低下します。その代表がネフローゼ症候群です。