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尿細管性アシドーシス :: 医療 Wiki

illness:尿細管性アシドーシス

ページ内コンテンツ
  • RTA 概要
    • 分類
    • 症状
    • 原因
    • 診療科
    • 検査
    • 診断
    • 治療法

RTA 概要 anchor.png[1]

尿細管性アシドーシスでは、腎臓の尿細管の機能障害により、血液の酸性度が異常に高くなります。

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分類 anchor.png[2]

尿細管性アシドーシスには1~4型までの4種類があり、これらはアシドーシスを引き起こす腎機能の異常に基づいて分類されています。
4型が最も多く、3型は極めてまれです。

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症状 anchor.png[3]

多くの患者では症状がみられません。症状が現れるとしても、ほとんどが長期間経過した場合に限られます。最終的にどのような症状が現れるかは、尿細管性アシドーシスの種類によります。

  • 1型
    1型では、腎結石が発生することがあり、それにより腎臓の細胞が損傷を受け、慢性腎臓病に至る場合もあります。
    • 尿中に酸を排泄できなくなる
    • 血液の酸性度の上昇
    • 軽度の脱水
    • 血液中のカリウム濃度の低下とそれによる筋力低下および麻痺
    • 骨の脆弱化
    • 骨の痛み
    • カルシウムの沈着とそれによる腎結石
    • 慢性腎臓病
  • 2型
    尿から重炭酸塩を再吸収できないため、過剰な量の重炭酸塩が体外に排泄される。
    • 血液の酸性度の上昇
    • 骨の脆弱化
    • 骨の痛み
    • 軽度の脱水
    • 血液中のカリウム濃度の低下
    • 活性型ビタミンDの生産量の減少
  • 4型
    典型的にはカリウム濃度の上昇がみられますが、症状を引き起こすほど高くなることは普通ありません。ただし濃度が非常に高くなると、不整脈[4]や筋肉の麻痺が起こります。
  • アルドステロン(腎臓でのカリウムとナトリウムの排泄を調節するホルモンである)の欠乏、またはアルドステロンに対する反応性の低下
    血液の酸性度の緩やかな上昇とカリウム濃度の上昇がみられる。
    自覚症状が出ることは稀だが、血液中のカリウム濃度が異常に高い場合は、心拍異常と筋肉の麻痺がみられる。
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原因 anchor.png[5]

  • 1型
    遺伝性の病気[6]として発生するか、自己免疫疾患または特定の薬によって誘発される。
    原因は通常特定できない(特に女性の場合)
  • 2型
    通常はファンコニ症候群、遺伝性フルクトース不耐症、ウィルソン病、眼脳腎症候群(ロウ症候群)などの遺伝性の病気[6]によって引き起こされる。
    また、多発性骨髄腫[7]、重金属中毒、または特定の薬が原因で起こる場合もある。
  • 3型
    3型は1型と2型が混在したもので、極めてまれです。
  • 4型
    遺伝性ではない。
    糖尿病[8]、自己免疫疾患、慢性腎臓病、または尿路の閉塞によって引き起こされる。
    カリウム保持性利尿薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬などの特定の薬により悪化する。
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診療科 anchor.png[9]

泌尿器科

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検査 anchor.png[10]

  • 血液検査
  • 尿検査
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診断 anchor.png[11]

筋力の低下や反射の低下といった特徴的な症状がみられ、かつ検査結果で血液の酸性度が高く、重炭酸塩とカリウムの濃度が低い場合には、1型または2型の尿細管性アシドーシスの可能性が高くなります。
血液のカリウム濃度と酸性度が高く、重炭酸塩の濃度が低い場合には、4型の尿細管性アシドーシスが疑われます。
尿サンプルの検査とその他の検査が尿細管性アシドーシスの種類を特定する助けになります。

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anchor.png[12]

  • (一般名:)
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治療法 anchor.png[13]

治療法は尿細管性アシドーシスの種類によって異なります。

  • 1型および2型
    体内で食物から生成される酸を中和するため、炭酸水素ナトリウム(重曹)を水に溶かして毎日飲みます。この治療は症状の軽減のほか、腎不全や骨の病気[6]の発生や悪化の予防にもつながります。このほかにも治療用に特別に調製された溶液を使用することも可能で、カリウムの補充が必要になる場合もあります。
  • 4型
    4型では、アシドーシスが軽度であるために、炭酸水素ナトリウムは必要ない場合もあります。血液中のカリウム濃度が高い場合は、カリウムの摂取量を制限し、脱水を予防し、カリウムの排出を促す利尿薬を使用し、使用中の薬を別の薬に切り替えるか用量を調節することで、カリウム濃度を抑えることができます。

Last-modified: 2019-03-28 (木) 21:15:03 (JST) (1858d) by kondo