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低ホスファターゼ症 :: 医療 Wiki

illness:低ホスファターゼ症

ページ内コンテンツ
  • HPP 概要
    • ALPとは
    • 症状
      • 骨の症状
      • 歯の症状
      • 筋肉および関節の症状
      • 肋骨および肺の症状
      • 頭蓋骨および脳の症状
      • 腎臓の症状
    • 原因
    • 診療科
    • 検査
    • 診断
    • 病気の型 タイプ
      • 周産期型(perinataltype)
      • 乳児型(infantile type)
      • 小児型(childhood type)
      • 成人型(adult type)
      • 歯限局型(odonto type)
    • 合併症
    • 治療法

HPP 概要 anchor.png[1]

低ホスファターゼ症(HPP)は、極めて稀な慢性および進行性の遺伝性代謝性疾患であり、消耗性のまたは生命を脅かす合併症を引き起こします。

HPPは、組織非特異型アルカリホスファターゼ[2](TNSALP)と呼ばれる酵素をコードする遺伝子の変異によりアルカリホスファターゼ[2](ALP)活性が低下・消失することで発症します。

ALPが正常に機能していると、骨の石灰化に重要な2つのミネラル(カルシウムとリン酸)が結合してハイドロキシアパタイトが形成され、骨石灰化を促進します。しかし、低ホスファターゼ症(HPP)の患者さんは、ALP活性の低下により、カルシウムとリン酸による石灰化が上手く進まず、カルシウムとリン酸が体の他の部分に蓄積して、骨や臓器に障害を引き起こします。

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ALPとは anchor.png[3]

ALPは、骨の形成と維持に重要な役割を担っています
通常、ALPはカルシウムとリン酸を結合させ、健康的に石灰化された骨を形成させています。

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症状 anchor.png[4]

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骨の症状 anchor.png[5]

  • 骨が弱い、脆(もろ)い
  • くる病(骨や軟骨の石灰化障害で類骨(石灰化していない骨)が増加する病気[6])様症状
  • 大腿骨、足、足の指を頻繁に骨折する。
  • 足が曲がって変形する。
  • 骨折の治りが遅い、骨折がきちんと治らない。
  • 骨痛(骨の痛み)が消えない。
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歯の症状 anchor.png[7]

  • 5歳未満に歯が抜ける。
  • 歯根も含め歯全体が痛みもなく抜ける(成人にも起こることがある)。
  • 歯周病
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筋肉および関節の症状 anchor.png[8]

  • 筋力が低下する。
  • 筋肉痛や関節痛が長く続く。
  • 関節炎(成人、小児)
  • 偽痛風(関節にカルシウムが沈着して、関節が腫れたり痛くなる。)
  • 松葉杖や歩行器、車椅子などの補助器具がないと歩けない。
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肋骨および肺の症状 anchor.png[9]

  • 胸郭(肋骨、胸骨、胸椎)が正常に成長しない(くる病様胸郭病変)。
  • 小児の場合、呼吸補助器具を必要とする重度の呼吸器症状がみられる。
  • 小児の場合、くる病様胸郭病変によって肺が発育不全となる。
  • 片肺または両肺内部に腫脹が生じる肺炎[10]
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頭蓋骨および脳の症状 anchor.png[11]

  • 頭蓋骨縫合が早期に閉鎖することで起こる頭蓋骨の形態異常(頭蓋骨縫合早期癒合症)
  • 頭蓋骨縫合早期癒合症を治療するために、頭蓋骨の外科的手術が必要になることがあります。
  • 特に乳児で、けいれん発作がみられることがあります。
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腎臓の症状 anchor.png[12]

  • 腎臓におけるカルシウム蓄積
  • 腎臓におけるカルシウム蓄積によって腎石灰化症や腎不全が生じる。
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原因 anchor.png[13]

HPPは、遺伝子の変異が原因で起こる病気[6]です。
HPPは、組織非特異型アルカリホスファターゼ[2](TNSALP)と呼ばれる酵素をコードする遺伝子の変異によりアルカリホスファターゼ[2](ALP)活性が低下・消失することで発症します。

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診療科 anchor.png[14]

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検査 anchor.png[15]

HPPを疑う場合、アルカリホスファターゼ[2](ALP)活性低下の検査をおこないます。

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診断 anchor.png[16]

HPPの診断は簡単ではありません。HPPは希少疾患ですが、他の病気[6]に似ている点があります。
多くのさまざまな臓器に障害を来し、さまざまな症状が認められるため、患者さんによって病状は大きく異なります。
そのため、多くの医師を受診し、何度も診察され、診断が明らかになるのに何年もかかってしまうことがあります。

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病気[6]の型 タイプ anchor.png[17]

発症時期により、症状や重篤度には大きな幅があり、早期に発症するほど重症で致死率が高いといわれています。

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周産期型(perinataltype) anchor.png[18]

胎児期から骨の石灰化がみられず死産となる場合や、生まれてきても、呼吸障害、高カルシウム血症、痙攣発作などにより、生後早期に亡くなられることが多い最も重症のタイプです。劣性遺伝(両親から両方を受け継ぐ)の致死型と優性遺伝(片方の親から受け継ぐ)の良性型があるといわれています。

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乳児型(infantile type) anchor.png[19]

生後6ヶ月以内に発症するタイプです。生まれてまもなくは順調に発育しますが、徐々に体重増加不良や高カルシウム血症、くる病様変化、骨折、呼吸障害など、重症化することが多く、約50%が亡くなられています。劣性遺伝と言われています。

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小児型(childhood type) anchor.png[20]

小児期に発症するタイプが小児型です。重症度はさまざまで、骨が弱い、骨折しやすい、乳歯が早期にまとまって抜けてしまうなどの症状がみられます。なぜか、犬歯や前歯が早期に抜けてしまいます。優性遺伝、劣性遺伝の両方があると言われています。

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成人型(adult type) anchor.png[21]

中年期以降になって発症するタイプです。病的骨折、骨折治癒遅延、骨痛などがみられ、ひどい場合は歩行困難となります。優性遺伝と言われています。

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歯限局型(odonto type) anchor.png[22]

骨には症状がなく、歯のみに異常が出るタイプです。優性遺伝と言われています。しかし、病気[6]のタイプ分けは、厳密なものではなく、中間的なタイプの人もいますので、骨や筋肉に症状が出てくる場合もあります。

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合併症 anchor.png[23]

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anchor.png[24]

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治療法 anchor.png[26]


Last-modified: 2017-08-16 (水) 15:19:50 (JST) (2457d) by kondo