低ホスファターゼ症(HPP)は、極めて稀な慢性および進行性の遺伝性代謝性疾患であり、消耗性のまたは生命を脅かす合併症を引き起こします。
HPPは、組織非特異型アルカリホスファターゼ[2](TNSALP)と呼ばれる酵素をコードする遺伝子の変異によりアルカリホスファターゼ[2](ALP)活性が低下・消失することで発症します。
ALPが正常に機能していると、骨の石灰化に重要な2つのミネラル(カルシウムとリン酸)が結合してハイドロキシアパタイトが形成され、骨石灰化を促進します。しかし、低ホスファターゼ症(HPP)の患者さんは、ALP活性の低下により、カルシウムとリン酸による石灰化が上手く進まず、カルシウムとリン酸が体の他の部分に蓄積して、骨や臓器に障害を引き起こします。
ALPは、骨の形成と維持に重要な役割を担っています
通常、ALPはカルシウムとリン酸を結合させ、健康的に石灰化された骨を形成させています。
HPPは、遺伝子の変異が原因で起こる病気[6]です。
HPPは、組織非特異型アルカリホスファターゼ[2](TNSALP)と呼ばれる酵素をコードする遺伝子の変異によりアルカリホスファターゼ[2](ALP)活性が低下・消失することで発症します。
HPPを疑う場合、アルカリホスファターゼ[2](ALP)活性低下の検査をおこないます。
HPPの診断は簡単ではありません。HPPは希少疾患ですが、他の病気[6]に似ている点があります。
多くのさまざまな臓器に障害を来し、さまざまな症状が認められるため、患者さんによって病状は大きく異なります。
そのため、多くの医師を受診し、何度も診察され、診断が明らかになるのに何年もかかってしまうことがあります。
発症時期により、症状や重篤度には大きな幅があり、早期に発症するほど重症で致死率が高いといわれています。
胎児期から骨の石灰化がみられず死産となる場合や、生まれてきても、呼吸障害、高カルシウム血症、痙攣発作などにより、生後早期に亡くなられることが多い最も重症のタイプです。劣性遺伝(両親から両方を受け継ぐ)の致死型と優性遺伝(片方の親から受け継ぐ)の良性型があるといわれています。
生後6ヶ月以内に発症するタイプです。生まれてまもなくは順調に発育しますが、徐々に体重増加不良や高カルシウム血症、くる病様変化、骨折、呼吸障害など、重症化することが多く、約50%が亡くなられています。劣性遺伝と言われています。
小児期に発症するタイプが小児型です。重症度はさまざまで、骨が弱い、骨折しやすい、乳歯が早期にまとまって抜けてしまうなどの症状がみられます。なぜか、犬歯や前歯が早期に抜けてしまいます。優性遺伝、劣性遺伝の両方があると言われています。
中年期以降になって発症するタイプです。病的骨折、骨折治癒遅延、骨痛などがみられ、ひどい場合は歩行困難となります。優性遺伝と言われています。
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