トロンボテストは、血液凝固因子のうち肝臓でつくられるときにビタミンKを必要とする第II、第VII、第X因子の働きを調べる検査です。
ヘパプラスチンテストは、同じく第II、第VII、第X因子の働きを調べる検査ですが、トロンボテストを改良したものです。
心筋梗塞[3]や心臓手術のあと血液の凝固を抑えるためにビタミンK拮抗薬(ワーファリン)が投与されます。この薬はビタミンKの作用を抑えて、第II、第VII、第X因子の働きを低下させ、血液を凝固しにくくしますが、薬が効きすぎて血液の凝固作用が低くなりすぎると、出血が止まらない危険が生じます。
そこで、この薬を投与するときには、トロンボテストを行って凝固する力がどの程度かを調べながら治療を進めます。
ワーファリンを投与すると、血管内でPIVKA-II[4](ピブカ・ツー)という凝固因子が生じます。トロンボテストは内因性のPIVKA-II[4]の影響を受けますが、ヘパプラスチンテストではその影響を受けないので、純粋に外因性の第II、第VII、第X因子の働きを調べることができます。つまり、ヘパプラスチンテストは肝臓での血液凝固因子を合成する機能だけを鋭敏に反映するので、肝機能を調べる検査として優れています。
血液を採取して試薬を加えるだけで簡単に調べられます。
妊娠中やビタミンKを多く含んだ食品(納豆など)をたくさん食べると高値になります。また、抗生物質を服用していると低値になります。
数値が高い場合には血液の凝固能力が高いことを示し、妊娠や高脂血症などで高値になります。一方、数値が低い場合には、ビタミンK不足などで血液凝固能力が低下しています。
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