- サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物
- 作用と効果
- 用法・用量
- 使用上の注意
- 生活上の注意
- 副作用
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物 [1]
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)
- エンレスト錠 (製薬会社:製造販売 ノバルティスファーマ株式会社/提携 大塚製薬株式会社)
- エンレスト粒状錠小児用 (製薬会社:製造販売 ノバルティスファーマ株式会社/提携 大塚製薬株式会社)
- 錠50mg・100mg・200mg
- 成人
慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。
- 粒状錠小児用12.5mg・31.25mg
慢性心不全
- 慢性心不全
通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として1日2回経口投与する。忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量する。1回投与量は50mg、100mg又は200mgとし、いずれの投与量においても1日2回経口投与する。なお、忍容性に応じて適宜減量する。
通常、1歳以上の小児には、サクビトリルバルサルタンとして下表のとおり体重に応じた開始用量を1日2回経口投与する。忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に目標用量まで増量する。なお、忍容性に応じて適宜減量する。
- 小児における用量表(1回投与量)
体重 | 開始用量 | 第1漸増用量 | 第2漸増用量 | 目標用量 |
40kg未満 | 0.8mg/kg | 1.6mg/kg | 2.3mg/kg | 3.1mg/kg |
40kg以上50kg未満 | 0.8mg/kg | 50mg | 100mg | 150mg |
50kg以上 | 50mg | 100mg | 150mg | 200mg |
- 高血圧[3]症
通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回200mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最大投与量は1回400mgを1日1回とする。
重大な副作用 [8]
- 血管浮腫
舌、声門、喉頭の腫脹等を症状として、気道閉塞につながる血管浮腫があらわれることがある。
- 腎機能障害、腎不全
- 低血圧
- 高カリウム血症
- ショック、失神、意識消失
- 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
- 間質性肺炎[9]
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎[9]があらわれることがある。
- 低血糖[10]
脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれることがある。
- 横紋筋融解症[11]
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症[11]があらわれることがある。
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
- 天疱瘡、類天疱瘡
副作用 | 3%以上 | - | 3%未満 | 頻度不明 |
血液及びリンパ系障害 | - | - | 貧血[13]、好酸球増多 | - |
神経系 | 浮動性めまい | - | 体位性めまい、回転性めまい、頭痛、不眠、味覚異常、眠気、しびれ | - |
耳 | - | - | - | 耳鳴 |
循環器・心臓 | - | - | 動悸、心房細動 | 頻脈 |
血管 | 起立性低血圧 | - | - | ほてり |
呼吸器・胸郭および縦隔障害 | 咳嗽 | - | - | - |
消化器 | - | - | 下痢、悪心、腹痛、便秘 | 嘔吐 |
皮膚・皮下組織系 | - | - | 蕁麻疹 | 紅斑、光線過敏症 |
免疫系 | - | - | 過敏症(発疹、そう痒症、アナフィラキシー反応を含む) | - |
代謝及び栄養 | - | - | 低カリウム血症、食欲減退、低ナトリウム血症 | - |
筋骨格系及び結合組織障害 | - | - | 関節痛、腰背部痛 | 筋肉痛 |
全身 | - | - | 疲労、無力症、けん怠感、口渇 | 浮腫、胸痛、発熱- |
感染症 | - | - | - | 咽頭炎 |
臨床検査 | - | - | AST上昇、ALT上昇、血中尿酸[14]値上昇、BUN上昇、血清クレアチニン[15]上昇、血清カリウム値上昇、血糖[10]値上昇、CK上昇 | ビリルビン値の上昇、LDH上昇、血清コレステロール上昇、血清総蛋白減少、ALP上昇 |