1: 2013-05-01 (水) 15:25:59 cons[6] [7] | 2: 2016-01-10 (日) 22:51:58 seria[8] [9] | ||
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#contents | #contents | ||
- | *概要 [#cced12ee] | + | *膵がん 概要 [#cced12ee] |
膵臓は身体の真ん中にあり、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、脾臓などに囲まれているため、癌が発生しても自覚症状も少なく、発見するのが非常に難しい病気です。 そのため、膵臓癌の罹患数は死亡数とほぼ等しく、他の癌と比較しても膵がんの患者の生存率は非常に低い状況です。 | 膵臓は身体の真ん中にあり、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、脾臓などに囲まれているため、癌が発生しても自覚症状も少なく、発見するのが非常に難しい病気です。 そのため、膵臓癌の罹患数は死亡数とほぼ等しく、他の癌と比較しても膵がんの患者の生存率は非常に低い状況です。 | ||
+ | 単に膵がんという場合は、膵管から発生し、充実性の腫瘤を形成して浸潤、転移を起こしやすい膵管がん(通常型膵がん)を指します。膵臓のがんの90~95%を占めており、消化器のがんのなかでも難治性のがんです。 | ||
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+ | **原因 [#b41ab91f] | ||
膵臓癌の原因は明らかではありませんが、食生活の欧米化による動物性脂肪やタンパク質、アルコールなどの過剰摂取、あるいは喫煙などがリスクファクターといわれています。 | 膵臓癌の原因は明らかではありませんが、食生活の欧米化による動物性脂肪やタンパク質、アルコールなどの過剰摂取、あるいは喫煙などがリスクファクターといわれています。 | ||
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病期はおおまかにIからIVの4段階に分類されています。ただし、 | 病期はおおまかにIからIVの4段階に分類されています。ただし、 | ||
日本の膵臓学会が定めたものと国際的に使われているもの(UICC分類)では内容が多少異なっています。 | 日本の膵臓学会が定めたものと国際的に使われているもの(UICC分類)では内容が多少異なっています。 | ||
- | **日本膵臓学会 第5版 2002年度 [#w91390a3] | + | |
+ | ***病期 分類 <日本膵臓学会 膵癌取扱い規約> 第6版補訂版 2013年 [#qb8a1cdd] | ||
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+ | -0期 | ||
+ | がんが膵管の上皮内にとどまっているもの(非浸潤がん)。 | ||
-I期 | -I期 | ||
- | 大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局している。 | + | 大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局しており、リンパ節転移を認めない。 |
-II期 | -II期 | ||
- | がんは膵臓の内部にとどまっているが、大きさが2cm以上であるか、第1群のりんぱ節に転移がある。 | + | 大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局しているが、第1群のリンパ節(注)に転移を認める。または、大きさが2cm以上で膵臓の内部に限局しており、リンパ節転移を認めない。 |
-III期 | -III期 | ||
- | がんは膵臓の外へ少し出ているが、リンパ節転移はないか、第1群までに限られている。 | + | がんは膵臓の内部に限局しているが、第2群のリンパ節(注)に転移を認める。または、がんは膵臓の外へ少し出ているが、リンパ節転移は第1群(注)までにとどまっている。 |
- | または、がんは膵臓の内部にとどまっているが、リンパ節転移は第2群まである。 | + | -IVa期 |
+ | がんが膵臓の周囲の主要な血管や臓器を巻き込んでいる。 | ||
+ | -IVb期 | ||
+ | 第3群リンパ節や離れた臓器に転移を認める。 | ||
+ | |||
+ | ---リンパ節の群分類 | ||
+ | リンパ節を腫瘍のある場所からの解剖学的な距離により分類したもの。近いほうから順に第1群、第2群、第3群と呼びます。第3群より離れたものについては番号がついていません。UICC分類ではリンパ節の分類も異なっています。 | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ***病期 分類 <UICC分類> 第7版 2010年 [#x8772d4c] | ||
+ | -I期 | ||
+ | がんは膵臓の内部に限局しており、リンパ節や臓器への転移を認めない。 | ||
+ | -II期 | ||
+ | がんは膵臓の内部に限局しているが、所属リンパ節(がんに近いリンパ節)に転移を認める。または、がんは膵臓の外へ少し出ているが、周囲の主要な血管は巻き込んでいない。 | ||
+ | -III期 | ||
+ | がんが膵臓の周囲の主要な血管を巻き込んでいる。 | ||
-IV期 | -IV期 | ||
- | がんが膵臓の周囲の臓器・器官を巻き込んでいるか、離れた臓器まで転移がある。 | + | 離れたリンパ節や臓器に転移を認める。 |
- | UICC分類 第6版 2002年 I期 がんが膵臓の内部にとどまり、転移はない。 | + | |
- | II期 がんは膵臓の内部にとどまっているが、周囲のリンパ節に転移がある。 | + | |
- | がんは膵臓の外へ少し出ているが、周囲の主要動脈まで及んでいない。 | + | |
- | III期 | + | |
- | 膵臓の腫瘍が周囲の主要動脈まで及んでいる。 | + | |
- | -IV期 | + | |
- | 膵臓から離れた臓器に転移がある。 | + | |
**治療法 [#c547609b] | **治療法 [#c547609b] | ||
膵癌の治療には主なものとして外科治療、放射線療法、化学療法(抗癌剤)の3つがあります。 | 膵癌の治療には主なものとして外科治療、放射線療法、化学療法(抗癌剤)の3つがあります。 | ||
腫瘍の進行程度と全身状態などを考慮して、これらの1つ、あるいはこれらを組み合わせた治療(集学的治療)が行われます。 | 腫瘍の進行程度と全身状態などを考慮して、これらの1つ、あるいはこれらを組み合わせた治療(集学的治療)が行われます。 | ||
- | **外科治療(手術) [#m773e628] | + | ***外科治療(手術) [#m773e628] |
癌を含めて膵臓と周囲リンパ節などを切除する方法です。膵癌の治療の中では最も確実な治療法となります。 | 癌を含めて膵臓と周囲リンパ節などを切除する方法です。膵癌の治療の中では最も確実な治療法となります。 | ||
膵癌の位置によって以下のような方法が選択されます。ただし、肝臓に転移を認める場合や、主要な動脈に癌の浸潤を認める場合は手術以外の治療法を行います。 | 膵癌の位置によって以下のような方法が選択されます。ただし、肝臓に転移を認める場合や、主要な動脈に癌の浸潤を認める場合は手術以外の治療法を行います。 | ||
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-その他 | -その他 | ||
癌を切除することはできない場合、十二指腸など閉塞して食事が摂れなくなるのを防止するための胃と小腸のバイパスや、黄疸が出ないようにするための胆管と小腸のバイパス手術を行うことがあります。 | 癌を切除することはできない場合、十二指腸など閉塞して食事が摂れなくなるのを防止するための胃と小腸のバイパスや、黄疸が出ないようにするための胆管と小腸のバイパス手術を行うことがあります。 | ||
- | **放射線療法 [#q9281a8f] | + | |
+ | |||
+ | ****外科療法の副作用 [#u086adda] | ||
+ | 副作用の程度は手術法によって異なります。 | ||
+ | 例えば、膵臓全体を切除した場合には糖尿病になりますが、膵臓の一部を残せた場合は、糖尿病の傾向がなければ、糖尿病になることはそれほど多くはありません。 | ||
+ | 癌のある範囲によっては腸の動きを調整する神経を切除することがあり、この場合には下痢をやすくなります。一般に膵臓の頭部をとる手術のほうが、尾側をとる手術に比べ腸をつなぐところが多いため回復するまでの時間がかかります。 | ||
+ | |||
+ | ***放射線療法 [#q9281a8f] | ||
放射線を患部に照射して癌細胞を壊すことを目的とした治療です。 | 放射線を患部に照射して癌細胞を壊すことを目的とした治療です。 | ||
通常は身体の外から放射線を照射する外照射を行いますが、手術中に腹部の中だけに放射線を照射する術中照射という方法をとることもあります。 | 通常は身体の外から放射線を照射する外照射を行いますが、手術中に腹部の中だけに放射線を照射する術中照射という方法をとることもあります。 | ||
また、抗癌剤と併用することがあり、化学放射線療法と呼ばれます。膵癌に対する放射線療法には、通常X線を使用します。 | また、抗癌剤と併用することがあり、化学放射線療法と呼ばれます。膵癌に対する放射線療法には、通常X線を使用します。 | ||
- | **化学療法 [#yb52e6de] | + | ****放射線療法の副作用 [#j6f569d0] |
- | 化学療法は抗癌剤を使用してがん細胞を攻撃する治療です。通常は抗癌剤を静脈から注射しますが、経口の抗癌剤が使用することもあります。またいくつかの抗癌剤を組み合わせて使用することがあり、併用化学療法と呼ばれます。 | + | |
- | **治療の副作用 [#vcc9219a] | + | |
- | ***外科療法の副作用 [#zcca4830] | + | |
- | 副作用の程度は手術法によって異なります。 | + | |
- | 例えば、膵臓全体を切除した場合には糖尿病になりますが、膵臓の一部を残せた場合は、糖尿病の傾向がなければ、糖尿病になることはそれほど多くはありません。癌のある範囲によっては腸の動きを調整する神経を切除することがあり、この場合には下痢をやすくなります。一般に膵臓の頭部をとる手術のほうが、尾側をとる手術に比べ腸をつなぐところが多いため回復するまでの時間がかかります。 | + | |
- | ***放射線療法の副作用 [#c64ad6bb] | + | |
放射線を照射する場所や量によって違います。一般的な副作用としては、嘔気、嘔吐、食欲不振や血液の中の白血球などが減ることがあります。放射線の影響で胃や腸の粘膜があれて出血し、黒色便や下血をすることもあります。 | 放射線を照射する場所や量によって違います。一般的な副作用としては、嘔気、嘔吐、食欲不振や血液の中の白血球などが減ることがあります。放射線の影響で胃や腸の粘膜があれて出血し、黒色便や下血をすることもあります。 | ||
- | ***化学療法の副作用 [#i34e811e] | + | |
+ | ***化学療法 [#yb52e6de] | ||
+ | 化学療法は抗癌剤を使用してがん細胞を攻撃する治療です。通常は抗癌剤を静脈から注射しますが、経口の抗癌剤が使用することもあります。またいくつかの抗癌剤を組み合わせて使用することがあり、併用化学療法と呼ばれます。 | ||
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+ | ****化学療法の副作用 [#odedeb73] | ||
よく起こる症状としては、食欲不振や嘔気、下痢などの消化器症状や白血球や血小板が減ってしまう血液の異常などがあります。 | よく起こる症状としては、食欲不振や嘔気、下痢などの消化器症状や白血球や血小板が減ってしまう血液の異常などがあります。 | ||
薬剤によっては湿疹や脱毛が起こるものもあります。 副作用に対する対策 副作用の種類や程度は治療法によって違いますし、同じ治療法でも異なることがあります。副作用によっては、対症的な治療でかなり症状を抑えることができます。 | 薬剤によっては湿疹や脱毛が起こるものもあります。 副作用に対する対策 副作用の種類や程度は治療法によって違いますし、同じ治療法でも異なることがあります。副作用によっては、対症的な治療でかなり症状を抑えることができます。 |
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