5: 2014-12-09 (火) 19:13:07 cons[6] [7] | 6: 2014-12-11 (木) 13:05:43 cons[6] [8] | ||
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#contents | #contents | ||
*BC 概要 [#zd83be71] | *BC 概要 [#zd83be71] | ||
- | 乳がん(にゅうがん、Breast cancer)とは乳汁を分泌する乳腺小葉上皮、あるいは乳管までの通り道である乳管の上皮が悪性化したものであり、近年の日本人女性の悪性腫瘍のなかでは最も頻度の高いものとなっています。 | + | 乳がん(乳癌、Breast cancer)とは乳汁を分泌する乳腺小葉上皮、あるいは乳管までの通り道である乳管の上皮が悪性化したものであり、近年の日本人女性の悪性腫瘍のなかでは最も頻度の高いものとなっています。 |
主な症状は、乳房にできる硬いしこりで、普通は左右どちらかに生じますが、手で触れてはっきりわかるほどになっても痛みはなく、その為発見が遅れることもあります。乳頭から分泌物が出たり、乳頭のただれや変形、乳房の皮膚のへこみなど見られることもあります。 | 主な症状は、乳房にできる硬いしこりで、普通は左右どちらかに生じますが、手で触れてはっきりわかるほどになっても痛みはなく、その為発見が遅れることもあります。乳頭から分泌物が出たり、乳頭のただれや変形、乳房の皮膚のへこみなど見られることもあります。 | ||
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骨量が減少するため、骨量を増やすビスフォスフォネート製剤をうまく利用する工夫が必要です。 | 骨量が減少するため、骨量を増やすビスフォスフォネート製剤をうまく利用する工夫が必要です。 | ||
-性腺刺激ホルモンの分泌抑制剤 | -性腺刺激ホルモンの分泌抑制剤 | ||
- | --リュープリン(一般名:リュープロレリン) | + | --リュープリン注射用(一般名:リュープロレリン) |
リュープリンは性腺刺激ホルモンの分泌を抑制します。そのため、ホルモン依存性のがんである前立腺がんや閉経前乳がんの増殖を抑える働きがあります。 | リュープリンは性腺刺激ホルモンの分泌を抑制します。そのため、ホルモン依存性のがんである前立腺がんや閉経前乳がんの増殖を抑える働きがあります。 | ||
リュープリンは粉末と液体がセットになっており、使用前に両方を混ぜて皮下に注射すると、1カ月にわたって一定の割合で薬が溶け出し続けます。 | リュープリンは粉末と液体がセットになっており、使用前に両方を混ぜて皮下に注射すると、1カ月にわたって一定の割合で薬が溶け出し続けます。 | ||
Line 168: | Line 168: | ||
****主な抗がん剤 [#j0882045] | ****主な抗がん剤 [#j0882045] | ||
乳がんに使用される代表的な抗がん剤には次のようなものがあり、頭文字で表されます。 | 乳がんに使用される代表的な抗がん剤には次のようなものがあり、頭文字で表されます。 | ||
- | ''C'' | + | C |
-エンドキサン錠(一般名:シクロフォスファミド)アルキル化剤 | -エンドキサン錠(一般名:シクロフォスファミド)アルキル化剤 | ||
- | ''M'' | + | M |
-メソトレキセート錠(一般名:メトトレキサート)代謝拮抗物質 | -メソトレキセート錠(一般名:メトトレキサート)代謝拮抗物質 | ||
- | ''F'' | + | F |
-5-FU錠(一般名:5-フルオロウラシル)代謝拮抗物質 | -5-FU錠(一般名:5-フルオロウラシル)代謝拮抗物質 | ||
- | ''A'' | + | A |
-アドリアシン注用(一般名:アドリアマイシン) アントラサイクリン系 | -アドリアシン注用(一般名:アドリアマイシン) アントラサイクリン系 | ||
- | ''E'' | + | E |
-ファルモルビシン注射用(一般名:エピルビシン塩酸塩)アントラサイクリン系 | -ファルモルビシン注射用(一般名:エピルビシン塩酸塩)アントラサイクリン系 | ||
- | ''T'' | + | T |
-タキソテール点滴静注用(一般名:ドセタキセル水和物)タキサン系 | -タキソテール点滴静注用(一般名:ドセタキセル水和物)タキサン系 | ||
-タキソール注射液(一般名:パクリタキセル) | -タキソール注射液(一般名:パクリタキセル) | ||
-アブラキサン点滴静注用(一般名:パクリタキセル) | -アブラキサン点滴静注用(一般名:パクリタキセル) | ||
+ | |||
+ | *****組み合わせ療法 [#u0046532] | ||
+ | -CMF療法 | ||
+ | シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシルを組み合わせます。主にリンパ転移のない場合に行います。 | ||
+ | |||
+ | -CAF療法 | ||
+ | シクロホスファミド、ドキソルビシン、フルオロウラシルの組み合わせです。 | ||
+ | -AC療法 | ||
+ | シクロホスファミド、ドキソルビシンの組み合わせです。 | ||
+ | -CEF療法 | ||
+ | シクロホスファミド、エピルビシン、フルオロウラシルの組み合わせです。 | ||
****その他の抗がん剤 [#w9b34efe] | ****その他の抗がん剤 [#w9b34efe] | ||
Line 197: | Line 208: | ||
****ハーセプチン治療 [#wf526fb3] | ****ハーセプチン治療 [#wf526fb3] | ||
乳がんのうち20%~30%は、乳がん細胞の表面に受容体HER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。 | 乳がんのうち20%~30%は、乳がん細胞の表面に受容体HER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。 | ||
- | ハーセプチン治療は、乳房以外に拡がった状態の癌または、受容体HER2タンパクあるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんのみに適応されます。このHER2タンパクを狙って攻撃することにより治療します。 | + | ハーセプチン治療は、転移性乳がんで乳房以外に拡がった状態の癌、または、受容体HER2タンパクあるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんのみに適応されます。このHER2タンパクを狙って攻撃することにより治療します。 |
+ | -ハーセプチン注射用(一般名:トラスツズマブ 分子標的薬) | ||
--副作用 | --副作用 | ||
- | 吐気や頭痛、倦怠感なども出る場合がありますが、頻度は多くありません。頻度は少ないですが、重篤なものとして心臓機能の低下や呼吸器の | + | 吐気や頭痛、倦怠感なども出る場合がありますが、頻度は多くありません。頻度は少ないですが、重篤なものとして心臓機能の低下や呼吸器の障害が出ることがあります。 |
- | 障害が出ることがあります。 | + | --重大な副作用 |
+ | 間質性肺炎や骨髄抑制、肝障害、肝障害、腎障害、脳血管障害などの報告があります。 |
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