遺伝子の異常を原因として、体質的に発熱などの炎症症状が起こる自己炎症性疾患です。
現時点での対象は、NLRC4異常症、アデノシンデアミナーゼ-2(Adenosine deaminase-2:ADA2)欠損症、エカルディ・グティエール症候群(Aicardi-Goutières Syndrome:AGS】の3疾患です。
NLRC4異常症は、発熱、寒冷により誘発される蕁麻疹、関節痛、乳児期に発症する炎症性腸炎などの症状が現れます。また高度な全身炎症と多臓器障害が現れるマクロファージ[2]活性化症候群という致死的な合併症を起こす場合があります。
ADA2欠損症は、大動脈より細い直径1mm以上ある中動脈と呼ばれる動脈が主な炎症部位です。血管の炎症に伴った多彩な臓器障害が現れ、特に脳梗塞をはじめとした臓器梗塞を若年齢で発症します。
エカルディ・グティエール症候群は、重度心身障害の原因となり得る自己炎症性の脳症です。頭蓋内の石灰化病変と慢性的な脳脊髄炎が特徴です。
NLRC4異常症の原因は、NLRC4遺伝子の変異です。ほとんどの患者さんはこの遺伝子に変異を持っています。
ADA2欠損症の原因は、CECR1遺伝子の変異です。これにより、CECR1遺伝子により産生されるADA2分子の機能が低下し血管炎を起こします。
エカルディ・グティエール症候群の原因は、TREX1、RNASEH2A、RNASEH2B、RNASEH2C、SAMHD1、ADAR、IFIH1の7つ遺伝子の変異です。いずれも核酸の代謝や細胞の核酸認識に関与する遺伝子です。
小児科
いずれの疾患に対しても現時点で確立された治療法はありません。
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