狭心症は、主に動脈硬化のために冠状動脈の血管が狭くなり、心筋への血液の流れが低下し、栄養や酸素の供給が不足することによって生じます。
症状は狭心痛(締め付けられるような痛みや圧迫感)が主症状で、痛みは前胸部が最も多いが他の部位にも生じる事があります。
原因は心臓の冠状動脈にプラークという固まりができ、血液の通り道を狭くすることによって起こるものです。
代表的な発作の症状としては、胸の奥が痛い、胸がしめつけられる・押さえつけられる、胸が焼けつくような感じ、などがあります。大多数は胸部の症状として現れますが、上腹部(胃のあたり)や背中の痛み、のどの痛み、歯が浮くような感じ、左肩から腕にかけてのしびれ・痛みとして感じることもあります。
硝酸薬には血管の拡張作用があり、なかでも冠動脈を拡張させるために狭心症の発作を抑える薬をして使われています。また、血管を拡張させる事によって心臓に戻ってくる血液量を減らし、心臓の負担を軽減する効果もあります。硝酸薬には即効性のものと持続性のものがあります。
β遮断薬には心臓の働きを活発にする交感神経のβ作用を遮断する働きがあり、心臓の仕事量を減らす事ができます。心臓の仕事量が減少すると心筋が必要とする酸素量も減少するほか、心拍数を少なくする事もできるため、労作性狭心症の発作予防に効果があります。ただし、この薬には気管支を収縮する作用があるため、気管支喘息のある人には使用する事ができません。
カルシウムは、心筋や血管を収縮させる働きがあります。カルシウム拮抗薬はこのカルシウムの働きを抑えることで、心臓の働きを抑え、冠動脈を拡張させる事で狭心症発作を予防します。特にカルシウム拮抗薬は冠動脈のけいれんを抑えるのに有効で、冠攣縮性狭心症の予防に効果を発揮します。
薬物動態により第一世代から第三世代までに分類されている.
血中半減期が短い。その一方で即効性がある。ニフェジピン,ジルチアゼムはともに狭心症に対して有用であるが、ベラパミルは心筋抑制と徐脈作用が強く、抗狭心症薬として単独で使用されることはほとんど無い。
第二世代Ca拮抗剤よりさらに血中半減期が長く、作用が緩徐なため神経体液性因子の活性化作用は少ない。むしろ交感神経活動を低下させるとの報告もある。アムロジピンには頻脈や心筋収縮抑制作用はほとんど認められないとされている。