GIST(ジスト:Gastrointestinal Stromal Tumor)は、胃や腸の消化管壁の粘膜下にある未熟な間葉系細胞に由来する「肉腫」の一種とされ、いわゆる「がん」とは異なります。
消化管粘膜下にできる腫瘍はGISTだけとは限らず、良性の平滑筋腫、神経鞘腫や悪性の平滑筋肉腫などもあります。
発症には男女差がなく、胃に最も多く見られ、次いで小腸、その他の消化管になります。殆どの年齢層に見られますが、中高年に好発します。
GISTが発生する要因として、細胞の増殖に関わるたんぱく質の異常があります。
主にKITまたはPDGFRΑと呼ばれるたんぱく質が関わっており、これらのたんぱく質の異常はそれぞれc-KIT遺伝子、PDGFRΑ遺伝子の突然変異によって発生します。
消化器科、外科
CTやMRI、内視鏡などによる画像診断で大きさや転移・浸潤などを確認します。また、細胞を採取して検査し、免疫組織染色でKIT陽性あるいはDOG1陽性であればGISTと診断されます。
GISTあるいはGISTが強く疑われる腫瘍に対しては原則的に手術治療が行われます。
組織採取が難しい小さい腫瘍、無症状の場合は経過観察の方針となることもあります。
GISTが見つかった時点で転移を起こしているような場合は、化学療法が行われます。化学療法の効果、経過によっては、改めて手術治療を考慮することもあります。
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