卵巣過剰刺激症候群とは、不妊治療の際に生じることのある合併症のひとつです。排卵を促すためのホルモン治療によって卵巣が過度に刺激を受けてしまい、腹痛、腹部膨満感、吐き気などの症状が現れる状態です。
排卵誘発剤の投与から1~2週間ほど経過後に発症します。卵巣が大きくなると同時に腹水がたまり、お腹の不快感や痛みや張り、吐き気、下痢などが起こります。
病状が進行すると、全身の血管が障害を受けることで、全身のむくみや体重増加、腎機能障害や呼吸障害が現れることがあります。また、尿が出にくくなる、息苦しい、呼吸困難などの症状も現れることがあります。
さらに、血栓症をきたすことがあり、血栓のため両下肢に痛みや、むくみがでることがあります。
不妊治療に使用される排卵誘発剤(ゴナドトロピン製剤など)が原因となり発症します。
排卵誘発剤による卵巣刺激が強すぎると、過度に卵巣が大きくなります。これによって、全身の血管にも変化が生じ、血管内の液体成分が血管外に漏れてしまいます。
産婦人科
血液検査(クレアチニン[6]やALT、AST、ビリルビンなど)、尿検査、胸部単純レントゲン写真や胸部CT、下肢の超音波検査などの検査を適宜行います。
軽症の卵巣過剰刺激症候群では、多くの場合は安静や痛み止め、適宜の水分補給によって自然に改善します。
呼吸障害や腎機能障害などが現れた重症な卵巣過剰刺激症候群に対しては、病状にあわせた補液、昇圧剤や血液製剤の使用、酸素投与や挿管による人工呼吸管理、透析治療などが検討されます。
(This host) = https://www.joy-mix.com